話題の「国際バカロレア(IB)」とは? 小学校ではどのように導入されている? 実施校のカリキュラム実例

鳥井花代(Hanayo Torii)
Glolea! 滞在型旅行アンバサダー

国際バカロレア(IB)って何?
親子留学を通じて親の私が学んでみた国際カリキュラムのグローバル感

Glolea!滞在型旅行アンバサダー鳥井花代です。夏休みを利用して小学一年生の娘とマレーシア第二の都市でシンガポールに隣接するジョホールバルという街へ親子留学に挑戦してきました

 

ジョホールバルは国を挙げての都市開発政策でじわじわ沸騰している街です。その政策のひとつに教育が挙げられ、インターナショナルスクールも数多く存在し、日本からも多くの親子がここの学校に通っていました。

 

マレーシアでは近年日本でもよく耳にするようになった「国際バカロレア(IB)」を導入している小学校への留学に挑戦しました。今回の記事では、国際バカロレア(IB)とはどういったものなのか? についてご紹介したいと思います。

じわじわ話題になりつつある国際バカロレア(IB)って何?

学校案内に掲載されていたインターナショナル・バカロレア(IB)プログラムの紹介ページ

▲学校案内に掲載されていたIBプログラムの紹介ページ

文部科学省のサイトにも詳しく書かれているのですが、国際バカロレア(IB:International Baccalaureate/インターナショナ ルバカロレア)について、ポイントをご紹介したいと思います。

 

まず国際バカロレア(IB)とは一言でいうと、国際社会に通用する人材育成を目的とした教育プログラムです。

 

と言っても抽象的すぎますね。

世界共通プログラムとしてスイスから始まった国際バカロレア

元々は様々な国の子ども達が集まるスイスで、それぞれが自国または、新たに他の国へ行った際に困らないために、大学受験を含め世界共通のプログラムを作ろうという目的で発足されました。

 

このプログラムに沿って学び、試験を受けると国際バカロレア資格(IBディプロマ)とスコアを得ることができます。

 

国際バカロレア資格・スコアを持っていると、様々な国の大学の受験・入学資格を得ることができるため※1、日本の大学だけでなく、世界中の大学を視野に入れる場合、選択肢が広がることになります。

※1:世界各国のこのスコアの受験・入学資格を導入している学校に限ります。

国際バカロレアのカリキュラムを学ぶにはどうすれば良い?

では、どのようにすれば、カリキュラムを学ぶことができるのか?

 

IBのカリキュラムを導入している学校で学び、最終的に試験を受けてスコアを得ることです。

 

残念ながら、日本には導入校がまだまだ少なく、有名なところですと東京都町田市にある玉川学園…などがあり、主にインターナショナルスクールが多いことが現状です。

 

先ほどご紹介した最終試験は、今後いくつかの科目は日本語で試験が受けられるようになるとのことですが、現時点では英語、フランス語、スペイン語のみとなります。したがって、日本での導入校がインターナショナルスクールに多いことはうなずけます。

 

そのような状況の中で「2018年までに日本に200校のIB導入校を設置する」と政府が目標を掲げており、今後ますます注目されるキーワードになるかと思われます。

個人的に国際バカロレア(IB)に関心を持った訳

インターナショナル・バカロレア(IB)を通じてディスカッションする子ども達

▲ディスカッションする子ども達

さて、小学1年生になったばかりの娘を持つ私がなぜ興味を持ったか? と言いますと、世界中の大学の門戸が開ける! とかそういう先の話ではなく、国際バカロレア(IB)の理念にありました。

 

この理念も文部科学省のサイトを見てもらえるとわかるかと思います。国際バカロレア(IB)の理念を少しご紹介すると、

  • 探求する心
  • 柔軟性のある心
  • 挑戦する心

…などです。

 

当然世界共通資格なので、グローバルに活躍できる人材育成と謳われていますが、私自身は抽象的な視点で、どんな環境に遭遇したとしても前向きに解決するための答えを導き出せる力を養えるのではないか?

 

と感じたのです。これらの理念および人材育成は、大学入学直前の数年で養えるものでは無く、幼少期より長期的に培い育てていくように感じます。

 

そのため国際バカロレア(IB)では3歳から高校卒業年齢までカリキュラムが作られています

 

正直…少し控えめで、ドリルのような与えられた課題をこなすことを得意とする娘にとって、ちょっとした起爆剤にでもなれば…と思い、異国でこのカリキュラムを導入している授業を体験したいと思ったのが国際バカロレア(IB)に興味を持ったきっかけでした。

体験した学校のカリキュラムをひも解いてみる

インターナショナル・バカロレアのカリキュラムの内容。IBのテーマから各教科のゴールまで記されています。

▲最初に配布されたカリキュラムの内容。IBのテーマから各教科のゴールまで記されています。

前回の記事にてご紹介させていただいた学期の初めに配布される授業内容の書類。

 

こちらの冒頭にTransdisciplinary Themeが揚げられていました。
これはIBが3歳から11歳までのプログラムで掲げているカリキュラム(Primary Years Programme:通称PYP)のテーマに基づいており、今学期は以下の3つがテーマとなっていました。

 

【Transdisciplinary Theme】

1.WhoWeAre/私たちは誰なのか
2.HowExpressOurselves/私たちはどのように自分を表現するか
3.HowWeOrganizeOurselves/私たちは自分たちをどう組織しているのか

これら各テーマにキーとなるコンセプトが挙げられていて、更に各科目の内容へ落とし込まれています。

 

例えば1.WhoWeAreでは、大きな観点として

「私たちが誰なのか?」とは、自分たちの特性や関心がそこへ映し出される

と謳われています。

 

そして、それを探求する筋道として

  • 私たちの外見・内面そして社会的な特性を探求する
  • 私たちと他の似てるところ、違うところを探求する
  • 私たちの能力や関心事を探求する

この3点が挙げられていました。

 

おそらくここで言われる私たちとは、時に自分個人の場合もあるし、クラス全体がなる場合もあるし、人間全体、地球全体など、様々な範囲になるのだと思われます。

 

全ての授業においてこの視点を意識しながら進められるとのことでした。

国際バカロレア(IB)のプログラム・テーマは抽象的すぎる????
「Homes」をテーマにした過去の授業からIBをひも解いてみます

正直、私自身の理解が概念の域に過ぎず、実際にどのようなことをGlade1の子ども達に行っているのか、娘の授業を知ることはできなかったのですが、過去に実際に行われた授業を知ることができたので、少しご紹介します。

 

この時の授業の大きな観点は「“Homes”とは文化的な影響やその土地の状況が映し出される」です。

 

世界中の様々な住居を知ることで、それぞれの類似や違い、そして自分の家および自分がいる環境に対する理解を深めます。


そのためにGrade1ではまず最初に様々な文化のなるべく多くの家族をビデオクリップで見ます

インターナショナル・バカロレア(IB)過去のGrade1の授業風景と子ども達の作品

▲HomesをテーマにしたGrade1の授業風景と子ども達の作品

そのうえで、子ども達は自分で世界中の様々な住宅を調べます。更に自分の家が構成される要素となるような写真をなるべくたくさん持ってきます。

 

そして世界のそれぞれの家が構成される定義、例えば都会の人口問題が影響する複合住宅だったり、台風などの災害防止を意識された住居だったり…を理解していきます。

 

そうすることで、自分がどういった社会や気候などの下で現在暮らしているか。また自分以外の人が多様な環境で暮らしていることを理解するとのことです。

 

日本の学校だと、特別授業など、年に何度か、普段と違う手法で行う授業のような雰囲気ですね。しかし、国際バカロレア(IB)のプログラムでは、多くの授業がこのように進められるとのことでした。

話題の「国際バカロレア(IB)」とは?:まとめ

日本でこれからどのように国際バカロレア(IB)が浸透していくのか楽しみですね。

 

国際バカロレア(IB)をはじめ、正直、様々な教育プログラムがあり、どれがいい! というのはそこ子によって違ってくると思います。このプログラムで育った人にも様々な見解があるようです。

 

いずれにせよ、最終的には自分で自分に適した道を選べる心は養ってあげたいです。

 

次回は実際に子どもが体験した補習英語の時間や学校の風景などをご紹介できればと思います。

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この記事を執筆したGlolea!アンバサダー

鳥井花代(Hanayo Torii)
Glolea! 滞在型旅行アンバサダー

小学生1年生と2歳の姉妹の母です。旅行関連およびIT関連の仕事を経て、現在フリーのライター・編集業。「滞在型」「日々の生活」をテーマにした旅を通して、子ども達に様々な暮らしがある事を肌で感じてもらうことを実践中。現在、教育関連のサイト立ち上げプロジェクトに従事。

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