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寺崎倫代(Michiyo Terasaki)
Glolea! デンマーク大人の教育アンバサダー

早稲田大学商学部卒。在学中に米国ワシントン大学のビジネスインターンシッププログラムで留学。その後、仏系商社、広告代理店等を経て外資系放送局で6年間勤務。2017年春より、デンマークの成人向け教育機関・Folkehøjskole(フォルケホイスコーレ)に留学。

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ママもOK!“誰にでも開かれた学び”
世界一幸せな国デンマークの教育基礎『フォルケホイスコーレ』とは?

こんにちは!Glolea![グローリア]デンマーク大人の教育アンバサダー寺崎倫代です。デンマークの成人教育機関「フォルケホイスコーレ/Folkehøjskole」に留学してから、早2か月が経ちました。

 

こちらに来て改めて感じるのは「デンマークの社会は本当にフラット(平等)なんだなぁ」ということです。

デンマーク「フォルケホイスコーレ」留学。デンマーク郊外にあるフォルケ。

▲大半のフォルケホイスコーレは、郊外に多く存在しています。デンマークのどこまでも平らな地形はフラットで平等なデンマーク社会そのものを現しているようで、心を穏やかにしてくれます。

性別も、年齢も社会的立場も全部関係なく、子供から大人まで誰もがフラットに発言できる・何かを求める権利を持つことが許されている

 

あまりヒエラルキー(階層意識)の強い縦社会が得意でないタイプの私には、大変うらやましい社会構造に思えます。

 

今回は、教育の分野におけるその平等性=「誰でも学ぶ権利」を実現した成人向け教育機関・フォルケホイスコーレへの留学に興味のある方に向けて、知っておきたいフォルケホイスコーレ留学のための基礎知識をお届けします。

誰にでも開かれたデンマーク教育の基礎「フォルケホイスコーレ」とは?

フォルケホイスコーレはデンマークに民主化の波が到来し始めた19世紀の終わりに、N.F.S.グルントヴィ氏によって創設され、今ではデンマークに約70校も存在しています。

 

ちなみに現地では「ホイスコーレ」と略されますが、日本では最近「フォルケ」と略されることも多いようです。

デンマークの生涯学習機関フォルケホイスコーレの設立者N.F.S.グルントヴィ氏

▲詩人や哲学者といったマルチな分野で活躍したグルントヴィ氏(Nikolaj Frederik Severin Grundtvig)は、デンマークの国民意識の形成に多大なる影響を与えた。
Christian Albrecht Jensen [Public domain], via Wikimedia Commons

グルントヴィ氏は、限られた特権階級の人に対してのみ行われていた、いわゆる“教科書を暗記して試験でいい成績を取るための机上で閉じられた教育”に疑問を感じ、それまで貴族のために朝から晩まで働き、自らの人生を考えることもないまま一生を終えていた農民たちにも、もっと開かれた社会で人生を豊かに生きるための教育を行う「生のための学校」が必要だと考え、フォルケホイスコーレの構想を提唱

 

そしてこの「生のための学校」は農民たちに大きな影響を与え、彼らを中心とした近代デンマークの民主化運動に大きな貢献を果たしました。

 

「誰にでも開かれた学び」そう、それはすなわちついつい子供や家庭を優先してしまいがちなママさんにだって、親子で共に教育を受けることが当たり前の権利として認められているということなのです。

 

そのため入学や卒業試験は存在せず学位等も特に与えられませんが、自分という人間と他者や社会という存在について考え、様々な分野に挑戦し好きなものを好きなだけ学ぶ貴重な時間を過ごすことができます

フォルケホイスコーレの種類・コース&選び方…幅広い分野の科目が学べます

生涯学習機関フォルケホイスコーレの実際の美術コースの様子

▲デンマークならではの学びも魅力的なフォルケホイスコーレ!デザイン、福祉、サステナビリティ、アウトドア、政治…等もおすすめです。

フォルケホイスコーレには、

  • アート(絵画・陶芸・演劇・音楽等)/デザイン
  • 写真/映像制作
  • アウトドア/スポーツ
  • 政治/歴史
  • サステナビリティ/食文化等
  • 福祉

など、学校によって幅広い様々な専門分野があり、本当に多彩なジャンルが準備されています。

 

デンマークで学ぶならば、デザインや高福祉国家としての福祉やサステナビリティ(持続可能性)、または自然に対して並々ならぬ愛を注ぐデンマークの人々ならではのアウトドア、民主主義大国としての政治や歴史関連などがおすすめです。

英語学習目的としてデンマーク・フォルケホイスコーレ留学は向いているの?

また、昨今では

英語習得を目的として米国などよりも安いから−−

といった理由で英語習得目的で来る人も増えているようですが、フォルケホイスコーレは英語の語学学校では決してないのである程度の英語コミュニケーション能力は求められる点はよく理解しておきましょう。(デンマーク語を学ぶ授業であれば準備している学校もあります。)

学校探しのAtoZ~注目度高まるフォルケホイスコーレ留学!でも実際、どうやって探したらいいんだろう?

最近日本でも注目度が高まりつつあるフォルケホイスコーレ留学ですが、デンマークへの留学は情報が少なく、大手のエージェントなどはほとんど存在していません。

 

そのため、学校選びから問い合わせ、入学手続きやビザ手配まで、基本的には全て自分で行う覚悟をしておきましょう

 

ちなみに自ら学校のコーディネーターに連絡を取り、家族でオリジナルの短期留学を作ってもらい経験した藤岡聡子さんの例はコチラ↓↓

それでは実際に行ける学校はどうやって探したらよいでしょうか? 以下、参考サイトをまとめてみました。

また、北欧留学情報センターなど有料の留学相談や参加しやすいプログラムを企画している企業もあります。

 

まずは、上記のサイト等から興味のある学校を絞ってHPを調べましょう。

 

尚、大半はデンマーク語での実施となり、英語で受講できる学校は限られているので注意しましょう。

 

その後、各校のHPで具体的な期間やコース内容を見て行きます。英語版のページを準備している学校もありますが、なかったり情報が少なかったりすることもあるので、私はGoogle TranslateのURL翻訳でデンマーク語から英語(または日本語)にして調べていました

 

多くのフォルケホイスコーレでは

[長期コース]

  • 3か月~半年
  • 1年弱

[短期コース]

  • ウィークリーコース
  • サマースクール

が存在します。

 

数日~数週間とGlolea![グローリア]読者の皆さんでも気軽に参加しやすいウィークリーコースやサマースクールは、親子も含めたもっと様々な年次やバックグラウンドの人々が「学び」を求めてやってきます

 

そのため、シニア向けや親子向けなど、コースがより幅広い年代の人々に向けた内容になっていることが特徴なのですが、残念ながら英語で実施されている学校は長期コースよりも少ないのが実情です。

 

尚、期間については多少融通が利くこともあり、もしどうしても都合が合わなかったり、コースの途中で帰らねばならないがどうしても行きたい、といった場合は学校に相談してみるのも手です。

世界から注目を集めるフォルケホイスコーレ。日本人向けのプログラムも増加中

デンマーク発、主に北欧をメインとしたフォルケホイスコーレ文化は、いまや世界中の教育関係者を始めとして非常に大きな関心を集めており

こういった学校が自分の国にも欲しい!

ということで様々な国からの視察が頻繁に行われ、また一部の国では実際に同様の施設を展開しているところも増えてきているそうです。

 

そんな中、なかなか対象が少ない短期コース(サマースクール)で親子でも参加可能な日本人向けのものをいくつかご紹介します。※下記は2017年現在情報です。

  • ロラン島サマースクール
    デンマーク在住のジャーナリスト・ニールセン北村朋子さんが食やエネルギーにおけるサステナビリティ分野でデンマーク国内でも一歩先を行くロラン島に、2019年に設立予定のフォルケホイスコーレで行われるプログラムです。対象はデンマークと日本の2か国に焦点を絞っており、英語での実施となります。
    ※期間は1週間~参加可能とのこと。

 

  • 西ノ島ホイスコーレ
    フォルケホイスコーレを日本に普及する活動を行うIFASの方々が主催しています。フォルケホイスコーレには興味があるけど、デンマークまで行くのはちょっと…という方でも日本でフォルケホイスコーレの教育を体験できるプログラムです。また、英語力に自信のない方でも日本語で行われるので安心して参加することが可能です。

補足:長期コースは20歳前後の若者がメインの、青春時代な雰囲気

デンマーク「フォルケホイスコーレ」長期コースラウンジの様子。

▲長期コースは高校を出たばかりの20歳前後の生徒が最も多いです。授業の合間や夜などはこうやってみんなでラウンジに集います。

今回は主にフォルケホイスコーレの短期のコースについてご紹介しましたが、長期コースの大半は20歳前後の生徒が最も多いことも知識として知っておきましょう。

 

デンマークでは希望の仕事に就くにはそれに必要な知識を大学で学んでいる必要があり、大学の学科選びは仕事に直結するため非常に重要です。そのため、高校から大学へ進学する際に自分の将来を考えるための期間としてフォルケホイスコーレに行くことが一般的です。(一部シニア専用を除く)

 

また、高校や大学ではハードな勉強に追われるデンマークの学生たちが束の間のリラックスする期間でもあるため、試験の心配なく思いっきり羽目を外したり友達や思い出作りに励む若々しい青春時代のような雰囲気です。

デンマーク「フォルケホイスコーレ」パーティーの様子

▲校内にクラブのようなバーがある学校も、毎週のようにパーティーが行われ、飲んで歌って踊るのが大好きなデンマークの若者の青春が垣間見れます。

「どんな人にも開かれた教育」との観点からキャリアチェンジの合間の社会人や難民などもおり、そして留学生にも門戸が開かれていますが、政府からの補助金も併せて運営されているため基本的にはデンマーク人が生徒の半分以上であることが原則(一部留学生専用のフォルケホイスコーレであるIPC[International People’s College]を除く)であるため、それ以外の割合は全体50~100人前後のうちの大体1~2割程度が平均です。

フォルケホイスコーレ…学校の選び方・申込み~現地での生活スタートまで

さて、実際にフォルケホイスコーレに留学してみたいと思ったらどうすればよいでしょう。

 

デンマークに約70校ほど存在するフォルケホイスコーレ。学校選びは非常に悩ましいところですが、自分が少しでも興味ある分野の授業を扱っている学校が一番です。

 

あとはホームページに書いてる学校のポリシーなどを見たり、特に専門分野がなければ幅広い分野をそろえている学校を選ぶといいでしょう。

 

学校によっては入ってから途中でコースを変更することを受け付けてくれる場合もあります

学校とのやりとりには時間がかかります…余裕を持って準備をしましょう!

また、色々な問い合わせを学校にする際、担当者とのメールのやりとりに時間がかかることがありますが、そこはやはり日本とは違うので、3日~1週間たっても来ないこともあります

 

…私の場合は、連絡してもなかなか連絡がなかった時は、例えば学校のFacebookアカウント経由で連絡して担当者のアドレスを聞いたりしてました。

 

やりとりは早いうちから進めておくことが大切です。

 

また、あまり細かい質問を大量にしても帰ってこないことが多いので、電話して一気に聞くか、優先順位をつけて質問しましょう

デンマーク「フォルケホイスコーレ」充実のの施設

▲ロッククライミングや音楽の施設など、好きなことを思いっきりできる環境が整えられています。

デンマーク「フォルケホイスコーレ」充実のの施設

入学申込書・入学金の納め方

学校を決めたら、各校のHPから入学申込書(Application Form)を送ります。

 

学校側から受理され次第、入学許可書(Admission Letter)が送られてくるのでそこに書いてある入学金振込口座に必要費用を海外送金します。
※海外送金用の通貨はデンマーククローネ(DKK)かユーロ(€)が多いです。

 

フォルケホイスコーレはデンマーク郊外にあることが多く、たまに日本で言えば地方銀行や信用金庫のような小さな銀行の口座の場合は入金に時間がかかったり、間に取次銀行などが入るため入金連絡は来ない場合もあることを理解しておきましょう(その場合はもう学校に直接入金確認するしかありません)。

 

現在、海外送金に最も強いのは三菱東京UFJ銀行のようです。
※2017年5月現在

3ヶ月以上のコースに申し込む場合は学生ビザが必要です

日本国民の場合、3か月以上のコースに申し込む場合は学生ビザが必要です。

 

その場合は入金が確認取れ次第、学校からの署名が入ったビザの申請書類が学校から送られてくるので、それを書いてデンマーク大使館に提出し、ビザの発行(3か月くらいが目安ですが、繁忙期はそれ以上かかることも)を待ちます

 

また、それ以外ではワーキングホリデービザで行く人も多いです。

なぜ、フォルケホイスコーレは基本的に全寮制なの?

デンマーク「フォルケホイスコーレ」寮の様子

▲お部屋での様子。ほとんどはルームシェアですが、一人部屋も選べます。

最後に、日本人がフォルケホイスコーレ留学した際の実際の衣食住といった生活面について少し解説します。

 

フォルケは基本的に全寮制で、一緒に学ぶ仲間と寝食や掃除を共にします。

 

これは、「生の学校」としての教育の一環として、「民主主義社会」を学ぶことを重要視していることに由来します。

 

集団で生活することにより、例えば

  • 夜の消灯時間
  • 掃除当番の決め方
  • 予算内で修学旅行をどう作っていくか?

…などの様々な組織(社会)を運営するためのルールを当事者として議論し合ったり、交渉したり譲り合うことを学んでいきます

フォルケホイスコーレでの食事・レストラン事情

デンマーク「フォルケホイスコーレ」寮の食堂の様子。

▲寮内食堂の様子。オーガニック食品を意識して使っているところが多いです。

デンマークはアメリカなどと比べればアジア料理のお店などは非常に少なく、またフォルケホイスコーレは郊外にあることがほとんどなため、本格的な日本食はほとんど手に入りません(手に入っても味が違ったり高かったりします)。

 

必要な人は持参しましょう…私は段ボール1箱送りました(笑)

現地での衣服事情

フォルケホイスコーレ留学に持っていきたいウィンドジャケット

▲アウトドア大好きなデンマーク人にとって、冬場はウィンドジャケットが必須!

デンマークでの衣料品については、特に防寒具などは現地で新品を買うと高いです。

 

冬の時期だったりアウトドアが中心な学校に行く場合はあらかじめ持参した方が無難です。尚、風の強いデンマークでは、ウィンドジャケットが重宝します。

 

またはサステナブルな国・デンマークらしくリサイクルの洋服店などを活用したり、フォルケホイスコーレではなんでもシェアすることが多いので他の生徒から借りたりなどしてしのげる場合もあります。

 

服装は普段はものすごくカジュアルな恰好が多く、あまり気張った格好をしていくと浮くと思います。でも、パーティーなどは定期的にあるのでおめかし用の服もいくつかあると良いと思います

 

いかがでしたか? 今回は、現在フォルケホイスコーレ留学をご検討中&準備中の方に向けてちょっとディープに「知っておきたいフォルケホイスコーレの基礎知識」をお届けいたしました。

 

次回の連載記事では「デンマークの明快な教育制度」をテーマにお届けします。お楽しみに!

更新日:

寺崎倫代(Michiyo Terasaki)
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