子どもにどう話す?ショッキングな事件やニュースを伝えるときの4つの注意点−−アメリカンママの子育てルール[3]

善家美緒(Mio Zenke)
Glolea! 世界の子育て取材中!アメリカ子育てアンバサダー

Glolea! 世界の子育て取材中!アメリカ子育てアンバサダー善家美緒です。先日パリで起きた同時テロ事件は、世界中に大きな衝撃を与えました。

 

わたしたちの住むアメリカでも、事件発生直後から今日まで、連日大きく報道されています。

 

そして、アメリカのママ情報サイトでは、こうした痛ましい事件やニュースを“子どもとどう話すべきか”という記事が多く投稿されています。

 

「アメリカンママの子育てルール」3回目は、ママ情報サイト「YummyMommyClub.ca」より、「子どもにどう話す? ショッキングな事件やニュースを伝えるときの4つの注意点」という記事をご紹介したいと思います。
※この記事では、言葉で説明して理解できる年齢の子どもを前提にしています。

パリで起きた同時テロ事件や痛ましい事故を子供に話すときにはどうしたら良い?

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アメリカでも、SNS上で、子育てに関する記事や投稿は関心が高く、大手メディアからママたちの情報サイトまで、様々なメディアが日々子育て情報を配信しています。

 

この記事は、「How to Talk to Kids About Scary and Violent News」というタイトルで、2人の男の子のママで心療内科医の Andrea Nair が投稿しました。

 

それでは、こうした痛ましい事件やニュースについて子どもと話すときに注意したい4つのポイントについて、順にお伝えしていきます。

1:今すぐテレビを消して、子どもと話してみよう

痛ましい事件やニュースについて子どもと話すときに注意したい4つのポイント

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まず、1つめの注意点です。

Reduce exposure to graphic images and words -turn the news off

/テレビを消して、子どもが”目にする情報”を減らそう

記事本文の冒頭で、Andreaははっきりと述べています。

Turn the TV and radio off when children are around. Child brains and vocabulary just can’t handle this type of information.

/子どもたちの周りでついているテレビやラジオを消しましょう。子どもの脳では、こうした情報をまだ扱いきれないのです

そして、事件やニュースの映像を見続けることについて、こう警告します。

多くの子どもたちは、こうした出来事が、直接自分自身に起きてしまうと思ってしまいます。

また、子どもたちはテレビで何度も放送される事件の映像が、同じ映像だということがわかりません。

恐ろしい事件が、何度も何度も繰り返し起きていると思ってしまうのです。

報道されているような事件が、何度も何度も自分の身の回りで起きていると思ったら、子どもはとても大きな恐怖心を抱いてしまいますよね。

 

実際に、テレビのニュースを見たことでPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症した子どもたちの事例も報告されています。

 

もちろん、パパやママが最新の状況を知りたいと思うこともあるでしょう。その場合は、ネットのニュースサイトなどを利用して最新の情報を得るようにして、子どもと一緒にテレビを見ることは極力避けるように、とAndreaはいいます。

 

そして、子どもが事件やニュースについて聞いてきたら、嘘をつかずに、

今日、とても痛ましいことが起きたの。人が何人も亡くなって、みんなとても混乱して怯えているんだよ

と正直に話すことをすすめています。

 

また、子どもが10代で、自分自身で様々なメディアにアクセスできる年齢だとしても、できるだけ子どもには事件の映像を見せないようにし、もし見せる場合には、子どもと話し合うきっかけとして、できるだけ子どもが先入観を持たないような見せ方をするべきだ、と述べています。

2:子どもが何を知っていて、何を知らないかを把握しよう

子どもたちに、まず事件やニュースについてどんなことを知っているか、聞いてみましょう

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続いて、2つめの注意点です。

Ask, “Do you have any more questions?”
/子どもに「もっと聞きたいことはある?」と聞いてみよう

ママやパパは、子どもたちが幼稚園や保育園、学校でどんなことを話しているか、どんなことを聞いているかわかりませんね。

 

子どもたちに、まず事件やニュースについてどんなことを知っているか、聞いてみましょう。

 

そして、子どもたちが偏った知識で理解することを避けるために

もっと聞きたいことはある?
他に知りたいことはある?

と質問しながら、彼らができるだけ公正に・中立的に事件を理解できるように手助けするようすすめています。

3:子どものために、ママ・パパは冷静でいよう

パリの連続テロのように痛ましい事件、事故が起きた場合、震災などの場合、親が冷静で居ることを見せることも大事です。

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3つめの注意点は、見落としがちですが、とても大切なアドバイスだとわたしは感じました。

 

それは、

Be calm, rational role model
/ママ・パパの、落ち着いた冷静な姿を見せよう

です。

Andreaは、

Your children are continually watching how you handle things.
/子どもたちは、あなたがこの事件やニュースに対してどう行動するかを、ずっと見ています。

と述べています。

 

事件について子どもと話す、その時間だけではなく、ママとパパがそれについてどう話しているか、ママが他のママとどう話しているか、つまり、こうした出来事を大人がどう扱うのかを、子どもたちはずっと観察しているのだというのです。

 

もちろん、ママやパパも悲しい気持ちになったり落ち込んだり泣くこともあると思いますが、できるだけ冷静に、落ち着いた姿を見せてあげることが、子どもの不安を減らす方法だといいます。

 

このような、大人の感情に子どもを巻き込まないという考え方は、アメリカンママの子育てルール[1]でもご紹介した、とてもアメリカらしい考え方だと思います。

 

大人ももちろん弱い部分はある、でも子どもを守るために、子どもの前ではどこまでも理性的であれ。簡単にできることではありませんが、心に留めておきたいポイントです。

4:一緒にいれば安全だよ、としっかり伝えよう

最後に、4つめの注意点です。

Help your children be calm and feel safe
/子どもが安心できるように手助けしてあげよう

悲惨な事件や事故が起きて大きくニュースになったとき、そうした情報にさらされた子どもたちは、安心できるママやパパの声を求めています。

 

子どもたちに、”ママやパパと一緒にいれば安全だ”ということをしっかりと伝えてください。

 

そして、こうしたときは

 your family’s emergency plan/緊急時の家族の安否確認方法について話し合うよい機会だ

と、Andreaはいいます。

・What would you all do if communication or power was out?
・Where would you meet?
・Who else (nearby) can your children count on to help them when a crisis is happening?

/・電源やネットがダウンして連絡が取れなくなったとき、どうするか?
・どこで落ち合うか?
・何かあったときに、子どもが頼れる人は近くにいるか? それは誰か?

 

…ということを、家族で確認しておくことをすすめています。

まとめ:子どものために、ママ・パパのために、たくさん抱っこしよう

子どもにどう話す?ショッキングな事件やニュースを伝えるときの4つの注意点」、いかがでしたか?

 

我が家の娘はまだ2歳なので、話し合うにはまだ早い年齢ですが、今回のパリでの同時テロ事件が起きた日の夜、わたしは娘を抱っこしながら、

とても悲しいことが起きてしまったけれど、あなたは今ママと一緒にいるから大丈夫だよ

とだけ伝えました。(娘はうとうとしていたので、記憶には残っていないかもしれませんが。)

 

こうした出来事が起きてストレスを感じると、子どもはママやパパにたくさん触れてほしがる、そして、それは大人も同じだとAndreaは述べています。

Please give them as many hugs as they -and you- need to feel better.

それでは、また次回。See you soon!

参考情報

記事をお読み頂きありがとうございました!

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この記事を執筆したGlolea!アンバサダー

善家美緒(Mio Zenke)
Glolea! 世界の子育て取材中!アメリカ子育てアンバサダー
ワシントンD.C.

2014年よりワシントンD.C.在住。渡米するまでテレビ局のディレクターとして、教育・教養分野の番組を制作。夫の海外転勤に伴い退職、”世界の子育てを取材するジャーナリスト”を目標に、2歳の娘とアメリカ生活奮闘中!趣味は旅行、芸術、読書。ロシア文学、モネ、尾形光琳、冬のドイツをこよなく愛しています。

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