「教育移住」をかなえるために仕事、費用、人生設計はどうする? “地球人パパ”の働き方とは

武藤祐子(Yuko Muto)
Glolea! 「5歳までに5ヶ国語」子育てアンバサダー

家族全員での「教育移住」をかなえたプロセス
妊娠・出産からはじまった我が家の人生設計

費用、仕事はどうする?家族での教育移住をかなえるために…感性豊かな子ども時代だからこそ見せたい世界がある!

▲感性豊かな子ども時代だからこそ見せたい世界がある!

子ども達に世界を見せたい

世界に羽ばたいてほしい

そう思ったとき、ひとつ足かせになるのが、私達親の「仕事」だと思います。

日本での仕事の現実

  • 会社に毎日通勤しないといけない。
  • 営業先の都合で、土日も満足にこども達との時間をとれない。
  • 自分は主婦だけど、夫がまとまった休みをとれない。

それがごくごく一般的な日本で働く親子の現状です。

教育移住を検討する際、親の仕事はどうする? 費用はどうする?

▲通勤ラッシュ、残業、休日出勤・・・仕事と家庭の両立の難しさ

でも、もし、本気で子ども達に

本物の世界を見せたい!
家族で長期 親子留学をしてみたい!
教育移住をかなえたい!

と思ったとき、あなたは働き方を変える勇気はありますか?

そんな思い切ったことするなんて無理無理!

それが普通のリアクションだと思います。

各国移住で「多言語育児」を実現可能にした地球人パパの働き方とは?

これまで、我が家は日本・台湾・カナダを飛び回って多言語育児をしてきました。どうしてそれができるのか、不思議に思われる人もいるかと思います。

 

今回は、それを実現可能にした「親の仕事」についてお話ししたいと思います。

オフィスワーカーだった地球人

8ヶ国語話し、世界が仕事・生活のフィールドである“地球人”の夫。以前は、東京勤務の製薬会社に勤めていました。彼と同期入社で彼と出会った私は、彼がやりがいをもって働き、同僚にも恵まれていることもよく知っていました。

遠距離結婚、突然の妊娠発覚…。
地球人の選択とは?

結婚が決まったとき、私は既に会社を辞め、医学部に通っていたので、彼とは卒業まで4年間別居して、月1回のペースで東京と九州を往復する予定でした。 でも、結婚してすぐ妊娠が発覚したことで、夫はとても悩みました。

生まれてくる子どもと一緒に暮らしたい

この想いをかなえるため、まず、当時勤めていた会社に、業務はそのままで「在宅」で仕事ができないかを相談したようでした。上司はかなり粘って上と交渉してくれたようでした。

 

しかし残念ながら、「前例がない」という理由で、在宅勤務は無理という結論でした。

仕事、費用、これからの人生設計はどうする?
子どものために働き方を変える決断をした地球人パパ

そこで、手を差し伸べてくれたのが、彼の元同僚でした。

うちの会社なら、九州の奥さんとも、一緒に住めるんじゃない?

その企業は、治験関係のマネージャー業務を募集しており、地球人は直接の経験はなかったものの、これまでの経験は多少の参考になると信じ、飛び込みました。

 

そう。地球人は、フリーランスではなく、企業に勤めながら、「在宅ワーク」をできることになったのです。

 

ちなみに、在宅ワーク可能な企業は海外を中心に増え続けており、こんなランキングもあります。
※2015年版 在宅ワークができる企業BEST100

 

地球人が転職したのも、外資系企業の日本支部でしたが、今後、 特にIT産業を中心に、国内でもフレキシブルな勤務体系が増えることでしょう。

企業に属しながら在宅勤務することにより、家族で「教育移住」をかなえることができるようになりました

▲Work from homeという選択。企業に属しながら在宅勤務することにより、家族で「教育移住」をかなえることができるようになりました

現在、地球人は完全な在宅勤務で、基本的に出張以外はオフィスに行く必要はありません。

 

以前は、毎日東京都心のオフィスに通勤ラッシュの中通い、夜は飲み屋で飲んで帰り、週末はバンド活動という忙しくも楽しいサラリーマン生活を送っていました彼は、はるばる長崎にやってきたのです。

  • 毎日の通勤時間3秒
  • 服装:Tシャツ&短パン
  • ひげ剃り:たまに

という生活の始まりでした。

妻としての不安。

当初、家から働くことを決めた彼のことを、

うちの主人、勝手に転職しちゃって!! 家で働くことになったのよ〜。
お昼ご飯も夜ご飯も家で食べるの!

と冗談めいて周囲に話していました。

なんとなく私の中に、

「会社員とは毎日会社にいってオフィスで仕事するものだ。」
「会社に行かなくて、上司や部下との良好な人間関係は築けるのだろうか ?」
「電話会議だけで大丈夫なんだろうか?」

という不安や固定観念があったのだと思います。

 

というのも、在宅ワークが始まった当初は、家のインターネットも不安定で、私も医学部と妊娠&結婚生活を両立するのが精一杯で、やたらと不安になっていました。何より、会社に行かなくていいなんて嘘みたいで、

本当にちゃんと給料がもらえるの?

と思ったりもしていました。

夫婦の絆の大切さを気付かされたある一言とは?
夫婦とは同じ目標を達成するための“運命共同体=チーム”

でも、ある日、夫に言われたのです。

“勝手に”転職したとか、そういう表現はどうか辞めてほしい。
俺達は、夫婦で、チームなんだから。ね?

その一言で、彼が家族のためにどれだけ勇気を出して転職してくれたか、私は全然分かっていなかった。と思ったものです。

家族のチーム力でかなえた教育移住

▲家族はチーム!

在宅勤務形態に切り替えた彼は、新しい会社の上司や部下から信頼を勝ち取るために、私の見えないところでも必死に頑張っていたに違いありません。何より、私の不安よりも遥かに大きな不安を抱えていたことでしょう

 

彼は新しい会社に入って半年間、死ぬほど働いたそうです。私が寝るときも、起きてもいつも、彼はパソコンに向かっていました。

 

同居する前は、多言語を駆使する地球人のことを、

英語ができるんだから、どんなに働きやすいだろう! いいなぁ〜

なんてのん気に羨ましがっていた私。

 

どこの国にいっても「ネイティブスピーカー」として高いレベルを要求される地球人には地球人なりの苦労があるのだと気付かされたものでした。

地球人パパの転職で家族生活は濃密なものに

在宅勤務に転身した地球人のお陰で、結婚当初から完全別居で東京〜九州を、2週〜月に1度週末行き来していた夫婦生活は一変しました。もちろん、ずっといい方向にです。

 

地球人は趣味やビジネス交流のことを考えて、東京、九州に半分ずつ身を置くことに決めました。働く場所と時間を自分で決められることは、在宅勤務の何にも代え難い魅力でした。

産院でもお仕事!?

長男が生まれたときのことです。私の実家近くのクリニック側の理解があり、地球人は5日間病室のソファーで寝泊まりし、夜は仕事をしながら息子にミルクをやってくれました。

 

産院の看護師さん達は、会社に行かずに働くヒゲもじゃの地球人のことを、不思議そうに観察していましたが、お陰で私は産後、赤ん坊の夜泣きも気にせずゆっくり休め、産後の医学部復帰のため勉強できました。

在宅ワークのおかげで台湾への教育移住をかなえた私達

私のプロフィールにも書かせていただきましたが、我々は長男が18ヶ月になるころ、夫の祖国である台湾に拠点を置くことにしました。台湾にいっても上司や部下はそのまま、台湾支社に転籍するだけで済んだのです。

 

台湾での生活が始まったあとの地球人は夏はプールへ、冬は近所の公園でローラーブレードへとくり出し、平日の夕方も思いっきり息子と楽しむイクメンに転身。

 

息子が学校に行っている間と、就寝後・起床前は仕事モード、それ以外の時間は子どもと密に時間を過ごす子煩悩パパ、と仕事と子育てを見事に両立していました。

父親が育児に積極的にかかわるメリット

よく言われることですが、欧米では父親がより積極的に育児に関わります。制度上、イクメンが生まれやすい仕組みになっています。父親の育児休暇取得率の国際比較を見ても、日本は十分とはとても言えません。

 

そもそも、地球人が子どもとの時間の量と質にこだわる理由はいくつかありますが、子ども達に北京語をしっかりと根付かせたいという想いが強いのです。

カナダへ教育移住・永住するからこそ
両親の母国語である日本語・北京語の力を大切に育んでいきたい

夫は中学からカナダに単身留学し、その後カナダ国籍を取得しています。現在、夫の両親もカナダに住んでいるため、私たちは結婚当初から「カナダ永住」を見据えて様々な計画をたててきました

 

幼少期からカナダで育つ子供たちは、現地の文化に溶け込むことになるでしょう。そうなれば、今後、英語やフランス語が彼らのメインランゲージになることは避けられません。加えて、家庭で全員が理解でき、話す人数が最も多い言語が日本語なので、家庭内ではどうしても日本語が中心です。

 

長男の北京語を自然に導入するには、地球人自ら子どもと北京語で話す以外には、台湾現地に一定期間住むのが一番だと考えたわけです。

 

確かに、台湾に引っ越したあとの長男の北京語上達には、目を見張るものがありました。さらに、主人と長男の絆、台湾の親族との絆は揺るぎのないものになりました。

子ども達に持ち続けてほしい日本と台湾のアイデンティティー

言語は人と人の心を繋ぐツールです。

 

台湾・日本の国際結婚カップルである私達の場合、おじいちゃんおばあちゃんが孫と母国語で話せるように、英語やフランス語を話せないアジアの一族とこれからもずっとずっと繋がれるように、彼らの中に台湾と日本の言語・文化を守り抜くこと。

 

そのためには時間と労力と飛行機代はかかりますが、それが国際結婚をした私達親の使命だと思っています。

固定概念を打破して得た自由自在に設計できる人生

インターネットが普及した今、パソコン1台あれば、世界中どこに行っても生きられる時代になってきました。

仕事があるから、海外に子ども達と行くなんて無理!

と思うご両親は多いことでしょう。

 

私も以前は「仕事はオフィスで」という固定概念をもった人間の1人でした。でも、固定概念の打破なしには、多言語育児、教育移住…こんな破天荒な子育ては不可能だとつくづく思います。

 

この記事が、“へー、世の中にはこんな生き方をしている家族もいるんだ”と少しでもみなさんの参考になれば幸いです。


【参考】

記事をお読み頂きありがとうございました!

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この記事を執筆したGlolea!アンバサダー

武藤祐子(Yuko Muto)
Glolea! 「5歳までに5ヶ国語」子育てアンバサダー
モントリオール

台湾・カナダ・日本の3拠点で多言語育児に取り組む現役医学生ママ(2016年3月卒業予定)。8ヶ国語話せる夫(“地球人”)と、子ども達の未来の可能性を広げることを第一に考え、ユニークな多言語・多文化育児を実践中(現在5ヶ国語)。自分自身の新しい環境での挑戦と、子供の成長を通しての、ワクワクドキドキなレポートをお届けします!

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