全米でも注目度急上昇中!
“共感コミュニケーション”を育むファミリー・キャンプ

春名聡子(Akiko Haruna)
Glolea! 国境を越えたホリスティックな学びのアンバサダー

共感コミュニケーションをテーマにしたファミリーキャンプ!

国境を越えたホリスティックな学びのアンバサダーとして、レポートをお届けすることになりました、春名聡子です!

 

最近ますます関心が高まっている、ホリスティックな学び…ヨガなどのボディーワーク、瞑想などのメンタルワーク、コミュニケーションツール、食育、アートなど、知能に加えて、心、体、精神を通じた学び―を、国境と文化を越え、文化間で学び合う事、家族単位で一緒に学んでいくためのプログラム企画をしています。

 

この連載では、現在住んでいるアメリカでの日常を中心に、様々な地域の子育ての風景が私達に教えてくれる事を、お伝えしたいと思います。

 

1回目の連載では、この夏、友人が主催するFamily Heart Campという家族間コミュニケーション教育の団体が主催する、“共感のコミュニケーション(Empathetic Communication)“をテーマとした、とても素敵なファミリーキャンプに参加してきましたのでレポートさせていただきます!

1歳半〜60歳が参加!
子ども〜親御さんとキャンプで育む共感力・コミュニケーション力

ワシントンDCから3時間、ウェスト・バージニア州の、渓流が流れる美しい森の中で、全米からエスニックバックグラウンドが多様な 60人のアメリカ人家族が集まり、1週間にわたって、ゲームやワークショップを通じながら、楽しくコミュニケーション力のアップを行いました。

 

子どもの年齢は1歳半から高校生までと、幅広い参加層。3食のごはんもオーガニックのシェフ手作り、ベジタリアン食と、心も体もハッピーな時間でした。

 

子どもが育っていく中で、親と子どもはコミュニケーション上のいろんなチャレンジに直面するもの。また、幼いうちから、豊かなコミュニケーション能力を培う事は、子どもの将来にとって、大きな意味を持ちます。

 

このファミリーキャンプは2008年からカリフォルニアで始まり、全米各地での開催が増えています。夏休みの家族キャンプのプログラムが色々ある中、家族間のコミュニケーションを深める事に焦点を当てたプログラムはとてもユニークです。

 

キャンプに参加して「素晴らしい!」と感じた4つのポイントをお伝えしたいと思います。

POINT 1:遊びながら、人間性を育てる

Family Heart Camp Empathetic Communication

▲多世代椅子取りゲームならぬ、
椅子シェアゲーム(合図で全員が1つの椅子に座ってしまう)

このキャンプでは、自分と他人への深い思いやりとコミュニケーションを、小さな子どもにも教えていきます。

 

子どもが楽しく体感できるように、“ジェスチャーから相手の感情を察してみるゲーム”など、遊びを通じて、教えていきます。遊びながら、お友達へどうやったら思いやりをもって接されるか、自分が感情的になった時、喧嘩するよりも、自分の想いやニーズをお友達にコミュニケーションできるか。

 

私達大人にとっても課題であるコミュニケーションの根本を、楽しく子ども達が体感していく様子は、心温まるものでした。

POINT 2:子どもが大人の意思決定に参加する

Family Heart Camp Empathetic Communication

▲1歳から60歳までの合同ミーティング

例えば、キャンプの参加者は毎日の始まりと終わりに、芝生の上でサークルを作って、遊具の使い方、時間の使い方、といった事を、ミーティングで決めごとなどをします。

 

大人と子どもが混ざったミーティングでは、大人を中心とした話し合いになりがち。

 

でもこのキャンプでは、子ども大人の決めごとに参加できるように、楽しいジェスチャーを入れたり、言葉使いを分かりやすくしたりして、大人と子どもが一緒にミーティングする事を実現。

 

「これについてはどう思う?」と問いかけて、子どもからはっとさせられる意見や、画期的な提案が出ると、ファシリテーターはそれを聞き逃さず、全体の意思決定にどう入れるか、導いていきます。“子どもの能力を最大限に引き出す”“子どもらしい発想から大人が学び、フレームに取り入れる”という発想が、根底に流れています。

POINT 3:自発性を最大限に活かす

Family Heart Camp Empathetic Communication

▲自発性を活かす、参加型のキャンプ

このキャンプでは、オープンスペーステクノロジーと呼ばれる手法を使い、参加者自身が、自分でキャンプのプログラムを作る事ができます。

 

遊びの天才である子ども達の自発性とリーダーシップがここで発揮されます。5歳児から始まって、子ども達自身が次々に手を挙げて「こんな遊びのプログラムをホストします!」と宣言し、自分たち自身で、時間、場所、プログラムを作っていきます。キャンプの主催者がスケジュールを予め決めてあり、それに従って行動する典型的なパターンのキャンプとは、大きな違いです。

 

こんな自発性が活かされる環境で、子ども達は初日から自発的に年少の子どもの面倒を見始め、自然な形で子ども達のコミュニティができあがり、親がそれをのんびり優しく眺めるという風景が続きました。

POINT 4:コミュニケーションをキーワードに繋がるコミュニティ

Family Heart Camp Empathetic Communication

▲共感のコミュニケーションのフレームワーク

いつも忙しくて休む暇がない親御さん達が、子ども達が自発的に遊んでいる間、各日10コースもある親向けのコミュニケーションのワークショップを取ったり、リラックスした時間の中で子育てのチャレンジを話し合う時間を持つ事ができます。この中で、心豊かな子育てと家族関係を作り上げたい、と願うお父さん、お母さん達のコミュニティが、出来上がっていきました。

 

この家族キャンプは、来年も全米各地で開催されます。日本から、新しいコミュニケ―ションの方法を英語で学んでみよう! というご家族のみなさんが、出てくると嬉しいなと思っています。

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共感のコミュニケーション(別名non-violent communication)とは

1990年代に、マーシャル・ローゼンバーグ(Marshal Rosenberg)というアメリカの臨床心理学者が始めたコミュニケーションの手法です。対立や衝突を避けながら、自分自身と相手のニーズを深く汲み取るコミュニケーションの方法として、家族間のコミュニケーションを含む、日常の様々な人間関係から、紛争地の平和構築まで、世界中で普及が進んでいます。

 

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記事をお読み頂きありがとうございました!

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この記事を執筆したGlolea!アンバサダー

春名聡子(Akiko Haruna)
Glolea! 国境を越えたホリスティックな学びのアンバサダー
ワシントンDC

2008−16年まで北米在住。2015−16年北米ワシントンDCで夏のホリスティックな親子留学プログラム「グローバルコンシャス」を主宰。北米・中米・アフリカなど各地の自然に足を運んだ経験を活かし、現在、人と自然をつなげるジャーニー・ワークショップのプログラムForest Beats -森の鼓動-を運営。

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