アッサラーム・アレイクム السلام عليكم アラブ首長国連邦（UAE）からこんにちは！

今回は、外国人人口比率8割を超えるUAEより、子供の外国語教育についてのレポートをお届けします。日本でも参考になるバイリンガル育児のヒントについてもお送りします！

UAEでもワーキングママは長期休暇のやりくりに悩みます…

UAEの子供達の冬休みは3週間あります。

ワーキングマザーな私は子供達の冬休み中にも仕事があるため、毎日どうやりくりしようと思っていたところ…知人から語学学校で開催されるフランス語のウィンターキャンプを紹介していただきました。

みんなで歌って動物の名前を覚えたり、カラーボールを追いかけて色を学んだり、遊びの中から学ぶフランス語。毎日2時間を2週間。アクティビティーが中心のウィンターキャンプへ参加し、

フランス語って楽しい！

と子供達は毎日楽しく通いました。

▲ウィンターキャンプでは毎日様々なアクティビティーが準備されています。初日は自己紹介。長女は家族が大好き、と絵を描いて、それから先生や友達とお話をしたそうです。

• 今回利用したフランス語ウィンターキャンプ実施校：
  Alliance Francaise de Abou Dabi Antenne D’Al-Ain ≫

楽しいアクティビティーや友達との関わりを通じて言語を習得することの大切さ

UAEにある私立のブリティッシュスクールに通う長女は、小学1年生から週2時間学校の学校授業でフランス語を習っています。

※長女の通うUAE小学校ではほぼ全ての教科を英語で学びます。また、アラビア語・宗教・UAEの社会科についてはアラビア語で学習。合わせて、小学1年生から 週に2時間フランス語の授業があります。UAEの学校教育＆第二外国語教育については次回の連載にて詳しくお届けいたします！

今回利用した語学学校のウィンターキャンプの参加年齢は4歳からで、フランス語の知識もゼロからで大丈夫とのことでしたので、現在8歳、小学校で4年間フランス語を小学校の授業を通じて学んできた長女には正直簡単かも…と思っていましたが取越苦労でした。

言葉は生き物。子供達の学びに簡単も難しい事もないと実感しました。

お友達同士のコミュニケーションから生きた言語を習得する子供達

▲CDをリサイクルしてペン立てを作りました。色鉛筆は先生からのプレゼント！

みんなで一緒に遊んで、歌って、お友達同士の中からも様々な学びがあったようでしたよ！　

例えば4歳の女の子が授業中に急に様子がおかしくなって泣きそうに。どうしたのかと思ったら

トイレに行きたいけれど、一人じゃいや

とのこと。

一緒にトイレに連れて行ってあげたい、と先生にフランス語でどのように伝えたらいいのかと考えたよ

と長女が話してくれました。

様々な年齢の子供達が一緒に学ぶからこそ、こういった教科書以外での言葉も出てくるのかもしれませんね！

フランス語が広く話されるアラブの国々とその言語環境

ちなみに、一緒に参加したお友達の一人はアルジェリアの出身だそうです。

外務省のホームページによるとアルジェリアは、北アフリカに位置し、アラビア語が公用語。ベルベル語とアラビア語は国語で、フランス語も広く用いられているとのことです。

アルジェリアのお友達のご両親は、おうちではアラビア語とフランス語で会話をしているそうで、お友達も実に自由に言葉を操っていたのが印象的でした。

アラビア語を話すアラブの国々でも、フランス語はちょっと特別な存在なのです。

例えばレバノンやモロッコの人たちは、日本で英語を第二言語として学ぶように、フランス語を学んでいるそうですよ。

以下は、外務省ホームページに掲載されているアラビア語を話すアラブの国々の言語環境です。

• レバノン共和国：
  アラビア語（仏語及び英語が通用）

• アルジェリア民主人民共和国：
  アラビア語（国語、公用語）、ベルベル語（国語）、フランス語（国民の間で広く用いられている）

• モロッコ王国：
  アラビア語（公用語），ベルベル語（公用語），フランス語

From 外務省ホームページ 地域別インデックス 中東地域

上記のリストからもこれらの国はフランス語が広く用いられていることがわかると思います。

人口の8割以上が外国人！世界各国から人が集まってくる国際国家UAE

▲急成長を続ける国際国家UAEの首都アブダビの高層ビル群

実は、UAEで暮らす外国人は人口の8割を超えています。また、その国籍数は国連加盟国数をも上回ると言われています。

世界旅行に出かけて行かずとも、UAEでは色々なバックグラウンドを持った人達との出会いが日々の暮らしの中にあるのです。

なお、UAEの公用語はアラビア語ですが英語も広く用いられています。

▲4万人もの参拝者を収容可能な世界最大級のモスク「シェイク・ザイード・グランド・モスク」はUAEの首都アブダビにあります。

ほとんどの人が英語を第2外国語、第3外国語として話しているので、

英語を話すのに間違えたらどうしよう…

という恐れは感じませんよ。

UAEに訪れた際にはどんどん英語を使ってみてください。

UAEは多言語を学ぶのにピッタリの環境！

このような背景もあり、UAEで育つ子供達は、新しい言葉への壁が非常に低く、興味は深い。

まさに言語を学ぶのにはピッタリの環境なのです。

中学生にして8か国語を使いこなすお友達もいるんですよ！

それでは本記事の最後に、子供達がフランス語の教室で習ってきて大好きになった歌を5つほど挙げておきます。ぜひ、皆様のご家庭でもお子様と一緒に聴いてみていただきフランス語に触れてみてください。

1. フランス語のアルファベットを歌って覚えよう

2. フランス語の曜日を歌って覚えよう

3. フランス語の色を歌ってみよう

4.フランス語の数を歌ってみよう

5. フランス語でキラキラ星メロディーの歌を歌ってみよう

ママ、はなしがあるんだ。フランス民謡（キラキラ星）

これらのフランス語の歌は、ウインターキャンプに通っている間、子供達がずっと口ずさんでいた楽曲の数々です。歌と音楽を通じて子供達は楽しみながら自然とフランス語の基本を覚えたようですよ。

ご家庭でもお子様と共にぜひ歌ってみてくださいね。

「楽しい！」という気持ちが子供の語学力向上には重要…シーズンスクール利用もおすすめ！

ちなみに…先生によると、

小学校低学年なら「まずは楽しい！」がフランス語を学ぶ上での一番の鍵

とのこと。日本でも小学校からの英語教育が文科省主導で開始されていることが話題になっていますが、英語も「まずは楽しい！」が一番の上達の鍵になりそうですね。

また、歌や子供同士の関わりを通じた楽しいアクティビティーで、遊びながら学ぶ環境設定づくりには、語学学校などが主催するシーズンスクールを利用するのは一つの学びの場として最適だと感じました。

日本国内・世界各国で日本の子供達が参加可能なサマースクール、スプリングスクール、ウィンタースクール…等、シーズンスクールが開催されているみたいなので、ぜひチェックしてみてください。

次回の連載記事では、「ママが一番大切にされるアラブ諸国の盛大な「母の日」」をテーマにお届けします！　お楽しみに。