ネイティブアメリカンの子育て

春名聡子(Akiko Haruna)
Glolea! 国境を越えたホリスティックな学びのアンバサダー

こんにちは。国境を越えたホリスティックな学びのアンバサダーの春名聡子です。

 

今回は、非営利団体Ecohermana主催サマーキャンプのプログラムで、自然とつながるヒーリングセッションをお届けした、ネイティブアメリカンのヒーラー、ラビアに、子どもと自然との交遊について話を伺いました。

ネイティブアメリカンの子育てを伝えるラビア

ネイティブアメリカンの血を継ぐヒーラー、ラビア。

ネイティブアメリカンの子育て

▲ネイティブアメリカンの子育てや伝統、自然との接し方を伝えるMrs.ラビア

  • 母なる大地につながるヒーリング
  • エネルギーワーク
  • アート

などを、子どもを始めとした様々な人々を対象に30年来、教えて来ました。5人の子どもを母乳で育てた母・現在5人の孫を持つ祖母でもあり、母性が自然にあふれるような人柄と、深い人生の智慧を持った女性です。

現代を生きるネイティブアメリカンと、自然との密な関わり

アメリカに住むネイティブアメリカンの血を引く人々の生き方は様々で、居留地(リザーブ)の外に住み、現代的な生活スタイルや教育・仕事に就いて生きる人達が多数です。

 

ラビアもまた、西海岸ロサンジェルスの住宅街の1件家で教師の家庭に生まれ育ち、居住環境はよくあるアメリカ人の家庭と似たようなものでした。

 

ただ、シャイアン・ブラックフット(ネイティブアメリカン)の父と、チェロキー(ネイティブアメリカン)の母方の文化は、自然との切っても切れないつながりを持つ文化であり、植物・動物・石・水・空・太陽・月といった自然を敬い交遊する文化を、自然と身につけ、 自然を通じて人としての生き方の学びを得て行きました。

「自然から受け取った時は自然に与え返す」
ネイティブアメリカンの子育て哲学

ネイティブアメリカンであるラビアの子ども時代の殆ど は、自然と触れる時間でした。果樹や野菜・花々が植わる美しい庭で泥まみれになっての遊び、植物の世話、太平洋を臨むビーチで波遊び、渓流で釣り、乗馬や伝統的な弓矢作り、砂漠でのキャンプ。

 

例えばラビアは、彼女の伯父が、生まれて数ヶ月の赤ちゃんの両手を取って木の幹に当てさせ、「ほら、木に“こんにちわ”って言ってごらん」と、言語が発達する前から自然と会話をする方法を教えていた事を覚えています。

 

自然から受け取った時は自然に与え返すという発想も、家族の文化から学んだものです。人間が自然を管理する発想とは対照的な謙虚さ。日本古来の自然観と重なるものがないでしょうか。

子育ての仕方は自然に教えてもらった

5人の子どもを育てたラビアは、子育ての仕方は自然に教えてもらったと言います。心を開けば、自然は大きな学びを与えてくれるのだと。

 

彼女は自然の力を借りて物事を進める事は日常茶飯事。クライアントにエネルギーワーク(日本でいう気に働きかけるワーク)を提供する事を仕事にしているラビアは、自分1人ではこなし切れないエネルギーに対処する時、風・水・木といった自然のエネルギーに力を借りてこそ事態が解決できるのだそう。中国の気功などアジアの気の考え方とも共通しますね。

自然と深い関わりを持った子どもは地に足の着いた大人になる

自然と深い関わりを持ちながら育った子どもは、地に足のついた大人となるものだ、とラビアは言います。

自然のメッセージを聴きとる受容性、人間の世界を超えて自然界を含む世界全体が自分を支え助けているという安心感と信頼、外界を怖れ征服しようとする代わりに、外界の中に自分の居場所を見つけ出す謙虚さ、そして、あるがままの自分でいられる自己肯定

こういった、自然との関わりから身につけた能力が、バランスの取れた人間形成につながっている、と言うのです。

 

環境問題が深刻化する現在の世界で、自然と真に調和した文明やライフスタイルを作れるかが、私達に問われています。社会の基本単位である家族が自然と深くつながりを持てれば、きっと自然と人間のバランスが取れた世界が実現するのではないだろうか…

 

とはいえ、子どもも大人も、ケータイやiPadといったガジェットが終始手放せない時代。特に都会の忙しい生活では、落ち着いて自然の中で過ごす機会が、ますます希少になっている中、どうやったら自然との関わりを深められるのでしょうか? 

ネイティブアメリカンの子育て

▲食問題アクティビストである末の娘とラビア

デジタル時代にこそネイティブアメリカンの子育て術や自然の接し方を学びたい

ラビアは、21世紀に生きる家族に、日常生活の中で自然との深い精神的なつながりをもう一度取り戻すための、お手伝いをしています。

 

ラビア自身が現代社会を生きて来た中から、自然との接し方を、自分自身のネイティブアメリカンの伝統をシェアし、遊びや儀式の中からわかりやすく伝える方法を取っています。そのスタイルは、ステレオタイプのネイティブアメリカンの儀式のイメージよりも、ずっと日常的で各人が生活に取り入れやすいもの。

 

実は、ラビアには、今回の親子サマースクールプランの中で、自然に基づくヒーリングのセッションをお願いしました。ラビアは、ネイティブアメリカンと日本古来の自然観がとても似通っている事を知っての上で、今回の企画に積極的に関わっています。

 

サマースクールのセッションでは、彼女のネイティブアメリカンの伝統を伝えつつ、日本文化が持つ自然との奥深いつながりを見つめ直す時間が取れれば

 

と話しています。

記事をお読み頂きありがとうございました!

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この記事を執筆したGlolea!アンバサダー

春名聡子(Akiko Haruna)
Glolea! 国境を越えたホリスティックな学びのアンバサダー
ワシントンDC

2008−16年まで北米在住。2015−16年北米ワシントンDCで夏のホリスティックな親子留学プログラム「グローバルコンシャス」を主宰。北米・中米・アフリカなど各地の自然に足を運んだ経験を活かし、現在、人と自然をつなげるジャーニー・ワークショップのプログラムForest Beats -森の鼓動-を運営。

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