パワースポット! タオスの「シュタイナースクール」
大自然に根ざしたシュタイナー教育…砂漠に花開く子どもの笑顔

春名聡子(Akiko Haruna)
Glolea! 国境を越えたホリスティックな学びのアンバサダー

多様なアメリカの文化景観の中でも突出した景観美と建築美を誇る、アメリカニューメキシコ州サンタフェの隣町、タオス。ここにあるシュタイナースクールを訪問しました。

シュタイナースクールとは
ドイツ人のルドルフ・シュタイナーが1920年代に提唱した、知性だけでなく、心、体、精神といった子どもの全体性を重視した教育方法に基づく教育システム。日本を始め、世界各地に拡大中。

高原の砂漠地帯に位置し、グランドキャニオンを思わせるダイナミックな峡谷と、なだらかに伸びる母性的なラインの山裾の間にひろがる広大な平原に、タオスの町はあります。今回は、パワースポットの地としても知られているタオスにあるシュタイナースクールのレポートをお届けします。

アメリカ最古のネイティブアメリカンの集落を誇る町「タオス」とは?

砂漠地帯独特の美しい土壁の建物でできた町。

1000年前から続くアメリカ最古のネイティブアメリカンの集落を誇る町。

各地からアーティストが住み着き、ギャラリーが立ち並ぶ芸術の町。

世界的に著名なエコ建築コミュニティ、アースシッププロジェクトの町。

アメリカのユニークさと魅力をひとつに凝縮したような、魅力溢れる町です。

シュタイナー教育

▲砂漠に突如現れる美しいエコ建築、アートシッププロジェクト。

大自然に根ざした砂漠のシュタイナースクール

母なる自然に根ざした地域コミュニティに支えられ、砂漠のシュタイナースクールはプレスクールと小学校学齢の計75人の子ども達に暖かな環境を提供しています。

大自然に抱かれた創造的な学びの環境

美を重視するシュタイナー教育の理念が現れた美しい環境で、子ども達は日々、感受性を豊かに伸ばしていきます。

 

遮るものなく広がる青空、木々、渓谷、山並。学校裏には、ネイティブアメリカンの集落とバッファローが駆け回る草原が広がります。

 

子ども達は渓谷の前に立っている”魔法の柳”の木の下でクラスを受ける事ができます。

シュタイナー教育

▲自然の中で生き生き輝く子どもの笑顔に出会う事ができました。

校舎は、学校建築にありがちな”固さ”がなく、創造性が溢れる暖かで柔らかな空間。柔らかなカーブを持つこの地方独特の土壁建築の壁は、優しいオレンジやピンクといった美しい色に塗られ、一貫して自然素材で作られています。

 

天井には、ネイティブアメリカンのシャーマンが、建物の清めの儀式を行った際のお守りの羽根が飾られていました。

 

学校の周囲は感想と砂地化を避けるため、オーガニックのウッドチップで覆われており、フカフカと柔らかい地面を歩く事ができます。

 

校庭にそびえる学校のシンボルツリー、柳の大木が子ども達を優しく見守ります。

バランスと統合の教育

シュタイナー教育は、想像力・創造性、体・心・知能、右脳と左脳の統合という視野の広い教育理念を掲げます。

 

例として、編み物、工作、パン焼きといった、手と体を動かす事による子どもの能力の統合的発達は、独特のカリキュラムと言えます。

 

子ども達は、バイオダイナミック農法という有機農法で野菜を育て、ランチの時間には収穫した野菜を丸かじり。

 

またこの学校では、子どもがまだ幼いうちに机と椅子という硬直した教室環境におかれる事で、却って学びを阻害するという仮説に基づき、小学校1年生には、バランスボード等を使って、体と知能の統合を図る、「動く教室」を導入しています☆

シュタイナー教育

▲「動く教室」のバランスボード(壁際)と、裏返すと平均台に変身する椅子

知識や情報を詰め込む事よりも、1人1人の中にある人間性、感性、創造力・創造力、知性、全体を自然に伸ばしていく事で、可能性を伸ばしていく。大人の準備期間としての子ども時代でなく、子どもである事を最大限に満喫させる事を通じて、子どもの発達を自然に導いていきます。

ダイナミックな教育

アメリカらしいとも言えるのが、学校に関わる1人1人の可能性、能力を信二、最大限に発揮してもらうポリシー。システムよりも個人の自発性と可能性が中心にあります。

 

先生の自主権限は大きく、各クラスに合わせてカリキュラムを変えたり作ったりする事ができます。子ども1人1人の学びの速度や吸収のスタイルが違う中で、固定的なカリキュラムと指導の教育方法と対するものです。

シュタイナー教育

▲親御さんたちの手作りの遊び場!

子どもの遊び場は、親の皆さんが提案し、自分達の手で作り上げました。

 

豊かな人間性と深い心を持ったチェンジメーカーとなれる人間を育てる、この学校の理念。
人間の能力を統合的に捉える視点は、工業生産的だった20世紀の教育を超える、21世紀の教育にぴったりだと思います。

 

そして、先生方の子どもに対する深い愛情と情熱。先生と生徒という関係性を超えて、人として向き合う事を徹底する先生方は、自分自身の人間性を高める事に日々努力を重ね、夜眠りに着く前には、担当する子ども達全員の顔を思い浮かべ、一人一人の豊かな成長をイメージする瞑想をしているのだそう。

 

タオスは、オーガニックフード、自宅分娩など、お母さんパワーの溢れる町としても知られており、自然・文化・アートが無限大にある町です。どうぞご注目下さい☆

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春名聡子(Akiko Haruna)
Glolea! 国境を越えたホリスティックな学びのアンバサダー
ワシントンDC

2008−16年まで北米在住。2015−16年北米ワシントンDCで夏のホリスティックな親子留学プログラム「グローバルコンシャス」を主宰。北米・中米・アフリカなど各地の自然に足を運んだ経験を活かし、現在、人と自然をつなげるジャーニー・ワークショップのプログラムForest Beats -森の鼓動-を運営。

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