世界中で活躍するミュージシャンが「スウェーデン」から輩出される理由とは?
公的支援も充実★子どもの頃から醸成する「音楽」との繋がりと環境づくり

長谷川佑子(はせがわ・ゆうこ/Yuko Elg)
Glolea! スウェーデン子育てアンバサダー

こんにちは! スウェーデン女王認定 認知症専門看護師/Glolea! スウェーデン子育てアンバサダー長谷川佑子です。

スウェーデンが全世界で活躍する音楽家を輩出する理由

▲「スウェーデン」から世界中で活躍するミュージシャンが輩出される理由とは? どのような子どもでもアクセスしやすい安価で充実サポートの公的音楽教育にあるのかも?!

突然ですが、皆さんに質問です。スウェーデンのミュージシャンというとどんな人を思い浮かべますか?

目次

スウェーデンのミュージシャンで思い浮かぶ人は誰? 多くのスウェーデン人音楽プロデューサーが世界中で活躍中!

Avicii(アヴィーチー)
スウェーデン・ストックホルム出身のDJ兼音楽プロデューサー

若い人は「アヴィーチー(Avicii)」を思い浮かべる人が多いかもしれません。

 
 
 
 
 
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ABBA(アバ)
世界中で愛されるスウェーデンが誇る伝説的ポップグループ

お歳を召した方なら「ABBA(アバ)」を思い浮かべる方も少なくないと思います。

 
 
 
 
 
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実は、上記の有名なアーティスト以外にも、例えば、世界的ヒットメーカー マックス・マーティンや、北欧サウンドの火付け役 トーレ・ヨハンソンなど、数多くのスウェーデン人音楽プロデューサーが日本・韓国そして世界で活躍しています。

参考:
世界中で活躍するスウェーデン人音楽プロデューサー

 

私の周りのスウェーデン人は生涯にわたって音楽をとても身近に感じるような生活を送っています。

 

例えば

  • 日常的に楽器に触れる
  • パーティーでみんなと歌う
  • コーラスグループに参加している

などです。

 

暮らしの中に音楽が身近である背景に、スウェーデンではどのような家庭の子ども達でも、音楽と繋がる喜びを知るチャンス、音楽が豊かな人生をつくってくれる環境を社会全体で作っているということが挙げられるでしょう。

 

今回はスウェーデンの子どもの音楽との繋がりについてお話しできればと思います。

楽器貸出もOK! 週1回のマンツーマンレッスンが2,000円程度で受講できる!?
スウェーデンの市町村運営の音楽教室

スウェーデンの各市町村では、音楽スクールもしくはカルチャースクールといって、様々な楽器を子どもが習える施設があります

 

ヴァイオリンは6歳から、ピアノやギターは7歳から、重い管楽器はもう少し年齢が上になってから始めるように、各楽器によって申し込み年齢が違います。

スウェーデンの市町村運営の音楽教室。ヴァイオリンは6歳から。マンツーマンで習うことができ、楽器の貸し出しもしてくれます。

▲スウェーデンの市町村運営の音楽教室では、6歳からヴァイオリンのマンツーマンレッスンを申し込むことができます。講習費も驚くほどリーズナブル! どのような状況の子どもでも音楽を楽しむ環境が提供されています。

楽器はスクールが貸し出してくれ、週一回先生と1対1で20分ほどのレッスンで、月に2000円弱の講習費です。

 

子どもが複数いる場合にはひと家庭月5000円で何人もの子どもが習えます

 

娘はサックス演奏をテレビで見て、興味をもち10歳から始めました。

スウェーデンの音楽教室はサックスも格安で学べる。

まったくサックスを弾いたことのない娘がどんなふうに習うのかしら?

と、興味深くレッスンを見学しにいきました。

 

娘は一つの音を出すのが精いっぱいなのですが、オーケストラの演奏を流しつつ、先生のサックスのメロディーの効果で、先生と娘がセッションしているのかのような楽しい空間を作っていました。

宿題・課題なし!
楽器に慣れ音楽を楽しむことと自主性を大切にするスウェーデンの公営音楽教室

スウェーデンの音楽教室は様々な楽器をマンツーマンで格安で学ぶことができます。

正しい音を弾くというよりも、とにかく楽器に慣れ音楽を楽しむということを大事にしており、先生自身が演奏を楽しんでいて、子どものことをとても褒めているのも印象的でした。

 

自宅での練習課題もほとんどありません。

 

学校でも基本的に宿題というのはないので、テスト前に自己学習が必要だと子どもが思えばやるという形で、課題をこなすようなことはありません。

希望者は小学生でもオーケストラ参加も可能

スウェーデンでは希望する子どもはオーケストラ参加もできます。

また、音楽スクールで習っていると、希望する人はオーケストラに参加できます

 

小学生のオーケストラは、リズムが合うのもやっとという感じですが、普段一人で演奏していることから、みんなと一緒に合わせるということの楽しさを経験できます。

 

娘は

一人の演奏だとすごく緊張するけどオーケストラのみんなでいるとコンサートも恥ずかしくなく演奏できる

と言っていました。

年齢が違ってもどのような状況にいても音楽を楽しめる環境設定を提供するスウェーデン

学校も職場でもヒエラルキーがないスウェーデン

公共の子どもオーケストラ参加者はコンサートにも参加できる充実した音楽環境があるスウェーデン。

中学生になると、中高生のオーケストラに移行します。

 

学校も、職場でもヒエラルキーのないスウェーデンでは年上の子が怖いという事もなく、友達になり、わからないことがあれば互いに助け合うそうです。

 

先月は、500キロほど離れた街でのコンサートにオーケストラの子ども達が2泊3日で参加してきました。

子どもの泊まりのコンサート参加も市から補助あり!
親の経済的負担等なしで音楽とつながることができる

ユースホステルに泊まり、2日間他の地域のオーケストラと合同練習をして、3日目にコンサートでした。このコンサート旅行は市が補助をしているため、各自の食費適度で参加できました

親が経済的な負担や、お手伝いの負担もほとんどなく子どもが楽器を習えるというのはとてもいいシステムで、どのような家庭の子どもも音楽に繋がるチャンスがあるのだとスウェーデンはこの行政が運営する音楽スクールを誇りに思っています。

メロディーフェスティバル

ヨーロッパでは毎年「ユーロヴィジョン」という音楽フェスティバルがあり、各国からの代表が自分の歌を披露し、投票によってその年のヨーロッパの一番人気な曲が決まります。

 

このユーロヴィジョンも多くの人の関心事ですが、国の代表を決めるための6週間にわたる、勝ち抜き国内大会「メロディーフェスティバル」が毎年2月の恒例イベントとして子どもから大人まで盛り上がります。

 
 
 
 
 
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参加アーティストは、新人の若い人もいますが、80代の大御所アーティストもおり、娘もおじいちゃんと一緒にメロディーフェスティバルを見て楽しみます

 

職場でもこの時期のお茶の時間は、どのアーティストがよいか話が盛り上がります。

 

世代を超えて、共に話題にできるものがあるのはいいですよね。

王様も子どもも伝統行事は定番の音楽で楽しむスウェーデン流

お誕生日やクリスマスはスウェーデン語の定番ソングで祝福します

スウェーデン人はお誕生日の朝に、誕生日を迎えた人に歌をうたいます。

 

全国みんな、子ども大人も、王様もみんな同じスウェーデン語の曲でお祝いです。

クリスマスも、毎年同じ歌。スウェーデンのクリスマスソングを歌います。

 

保育園の子ども達が老人ホームに歌を披露に来ると、認知症でさっきのことを覚えていない方でも、子どもの頃から歌ってきた歌は忘れることはなくクリスマスを喜びます

 

新しいシステムや、改革の好きなスウェーデン社会ですが、伝統行事には決まった音楽と食べ物は変わらずあり、その変わらないことを心地よく思っているようです。

まとめ:どのような境遇にいても「音楽」とつながる喜びと豊かさを知るチャンスを社会全体で作っていく意味の大きさ

音楽とスウェーデン人

人生の中で「心の拠りどころ」というものは、人間にとって、とても大切です。

 

毎年お決まりのイベントや行事の定番メロディーが安心感につながったり、豊かな人生だと感じられる「心の拠りどころ」となっている人も多くいるのではないかと思います。

 

どんな境遇でも、自分にとっての特別な音を聴くと元気がでたり、リラックスできたりと音楽の力は素晴らしいです。

 

また、どのような家庭の子どもたちでも、音楽と繋がる喜びを知るチャンス、音楽が豊かな人生をつくってくれる環境を社会全体で作っていく意味は大きいと思います。

 

今回は、

世界中で活躍するミュージシャンが「スウェーデン」から輩出される理由とは?

というテーマを起点にして、公的支援も充実しているスウェーデンで提供されている子ども向けの音楽教室や、音楽のある暮らしについてお届けしました。

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記事をお読み頂きありがとうございました!

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この記事を執筆したGlolea!アンバサダー

長谷川佑子(はせがわ・ゆうこ/Yuko Elg)
Glolea! スウェーデン子育てアンバサダー
ウプサラ

2008年からスウェーデン王国、ウプサラで暮らしています。スウェーデン人の夫、3歳の娘の3人家族。森でのベリー摘み、湖での水遊び…日本とはちょっと違った子育てをしつつ、北欧文化を体験する日々です。 母親も外で働くのが当たり前の国での社会のしくみ、女性たちの生き方もお伝えしたいと思います。

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