イタリアにも待機児童問題がある!?ミラノ保育園・幼稚園事情

佐々木希世(Kiyo Sasaki)
Glolea! イタリア子育て&生活エンジョイ・アンバサダー
イタリア子育て事情

▲イタリアの小学校の様子。子ども達はとにかく元気! 先生も負けずにタクマしいのです。

Glolea! イタリア子育て&生活エンジョイ・アンバサダー 佐々木希世です。今回の連載記事では、イタリアの子育て事情「日本だけでない?! イタリア保育園・幼稚園の待機児童問題」に迫ってみたいと思います。

イタリア子育てスタート!
言葉の不自由なイタリアでの保育園探し

ミラノに引っ越して来て2ヶ月ほど経った頃

そろそろ保育園探しをはじめねば

と考え始めました。

 

特に上のチビは東京で保育園に通っていたこともあり、イタリアに引っ越した当初の「カルチャーショック&環境激変ショック」が薄れ始めて来たその頃、お友達と遊べないことにいらだちを見せ始めていたように思えたからです。

日本とはちょっと違う
イタリアの幼児教育システムとは?

というわけで

イタリアの幼児教育システムはどうなっているの?

と、基本中の基本から周囲に聞き始めると、公立の場合、こちらにもやはり保育園・幼稚園の両方があるという答え。

 

けれど、日本のように保育園と幼稚園は親の勤務状況が通園の判断基準になるわけではないようで、単純に年齢での棲み分けであるらしいことが分かりました。

 

つまり、

  • 保育園(Scuola Infanzia):0〜2歳
  • 幼稚園(Scuola Materna):3〜5歳

の子どもをそれぞれ通わせるのだそうです。

 

ちなみにこちらの幼稚園は、親の勤務状況によって朝8時くらいから午後4時くらいまで預かってくれるのだとか。お昼までの子あり、夕方までの子あり、なかなか面白いシステムですね。

 

なるほど。我が家は経済事情や子ども達の経験などなど考えたうえで

絶対地元の公立園に入れようね!

と夫と話し合って決めていたので、じゃあ上のチビは幼稚園、下のチビは保育園ね、という所までは分かりました。

イタリア語も全然話せないのに…
無謀にも近所の保育園に突撃訪問してみました!

じゃあ次は園選び。

 

日本なら市役所・区役所に直接行くところですが、なんせ言葉も通じないし、役所内の何課に行っていいのかも分からない。

 

というわけで、

うちの近くの幼稚園に直接聞いた方が早いんじゃない?

と、夫に突撃をけしかけられ、無謀にも突撃したのでした。

 

イタリア語も全然話せないのに、我ながら本当に無謀です…が、幸いにも英語を話す先生がいらして、行くべき市役所の部署を教えてくれたのでした(涙)。

しかし…イタリアでも深刻な待機児童問題があった!

イタリア子育て 待機児童

▲イタリアにも待機児童問題が! こちらは待機リストです。日本のものと条件はほぼ同じで、親の勤務状況などによってポイント付けされています。

 

しかし。ここでホッと一息ついている場合でもなく、さっそく役所にもアポなしで突撃。大都市ゆえか、ここでも幸運なことに英語を話すオジサマに遭遇し、その方が懇切丁寧に説明をはじめてくれたのでした。

曰く:

  • ミラノには国立、市立、私立の保育園・幼稚園が存在する
  • 住民登録をしていれば公立園の費用は無料
  • けれど、ミラノは子どもの数が多く、国立、市立、私立の全園を動員してやっと、全児童をカバーできる計算になっている
  • もちろん人気が高いのは公立で、席はここから埋まって行く。従って、ほとんどの公立園は定員一杯の状態
  • よって、お宅のお子さんは公立園は待機リストに入ることになります

最初の方はフムフムと聞いておりましたが、話が進むに連れて、顔面蒼白。

なんだとー! ここでも待機児童問題があるのか!

頭の中では、保育園入園に向けて少しでも持ち点をあげようと、思案しつつ必死に入園申込書を記入した東京での日々がフラッシュバックしておりました…。

 

何と、ここでも同じ問題にぶちあたろうとは。しばし呆然、です。

 

が、しかし。いつまでも魂の抜け殻になっているわけにも行かないので、聞いても無駄とは思いつつ、オジサマに空きは出るのかと聞いてみると、やはり難しい模様。最悪の場合、新学期である翌年9月まで待たねばならないようでした。

 

うーむ。目の前のオジサマを責めても仕方がないので、待機リストにとりあえず載せてもらうことにしました。手続きは日本と似たような感じで、希望園は4園まで選ぶことができ、両親の勤務状況によるポイントが優先順位を決めるようです。

 

涙目で訴えながら目一杯ポイントをつけてもらい、

で、待ってる間はどうすればいいの?

とオジサマに食い下がります。

ううーん、ベビーシッターか、私立園に月契約で通わせるか、かなあ…

申し訳なさそうにおっしゃるオジサマ。

 

いいえ、あなたのせいではないのです。あなたのせいではないのですが……ガックリ。

 

さあ、どうしますかねえ。下のチビは言わずもがな、上のチビもまだ3歳。日本なら幼稚園に通っていない子もいる年齢ではある……でもやっぱりお友達を作って欲しいなあ……でも私立園は徒歩圏内にはなく、下のチビも連れながら毎日送り迎えができそうかは分からないし…。

 

さんざん逡巡したあげく、自宅での保育を選択したのでした。幸いにも下のチビが徐々に人間化して来て、姉弟で仲良く(とは限りませんが)遊ぶこともできるようになったので、今のところは何とかなっています。が、9月の新学期に向けて臨戦態勢に入らねば…と考えている今日この頃です。

 

後から聞くところによると、待機児童問題はイタリア国内でも、特に大都市では深刻なようです。日本でもあるのよー、と言うと

日本みたいな素晴らしい国でもそんなことがあるの?

と必ず聞き返されます。

同じ言葉をそっくりそのまま返したいですよ…。

記事をお読み頂きありがとうございました!

みんなの評価: -- (0件)

この記事を執筆したGlolea!アンバサダー

佐々木希世(Kiyo Sasaki)
Glolea! イタリア子育て&生活エンジョイ・アンバサダー
ミラノ

14年8月に、イタリアはミラノに居を移す。2人の子供達を追いかけ回しながら、日本とは違う時間の流れの中でのイタリア生活を満喫中。学生時代の専門だった美術をはじめ、食事・お酒を愛する身には最高の住環境! 子育て周りをはじめ、そんなところもご紹介したいと思っています。著書『「半径5メートル最適化」仕事術 おしゃべりな職場は生産性が高い』好評発売中!

お得な無料プレゼントやキャンペーン情報をお届けします![不定期配信]