イタリアで子供の乳歯が生え変わった時にやってくる「歯の妖精」とは?

佐々木希世(Kiyo Sasaki)
Glolea! イタリア子育て&生活エンジョイ・アンバサダー

Glolea! イタリア子育て&生活エンジョイ・アンバサダー 佐々木希世です。3月に入り、春めいた天気の日が多くなって来たフィレンツェです。同時に、イタリアでも特に杉の多いトスカーナは、スギ花粉症持ちには受難の季節到来でもあります(涙)。

イタリアにもスギ花粉の季節!花粉症の方にとって3月のイタリア・トスカーナは受難の季節です。

▲「糸杉」はイタリア・トスカーナのシンボルみたいなもの。春のトスカーナはスギ花粉症持ちには辛い季節。

イタリアでは子供の乳歯が抜けたらどうする?

さて、今回は子供につきものの「歯の生え変わり」について書いてみようと思います。

イタリアの歯の生え変わり

▲歯が生え変わった後の乳歯。日本では、丈夫な歯が生えてくるようにと、屋根や縁の下に投げたりしますがイタリアではどんな習慣があるのでしょう?

我が家の上のチビは5歳半。

お友達で歯がグラグラして来た子がいるの!

なんて話を家でして数日後、歯医者さんに検診に行ったら

あら、この二つ、グラグラしてるわよ!

と言われてビックリ。彼女自身も下の前歯2本が動き始めていたのでした。

 

それからはもう大変。毎日鏡を見て触っては

抜けないかな、早く抜けないかな!

を連発。そんなに揺らしたら折れちゃうよ! という突っ込みを我慢しながら、見守る日が続きました(きっとどこの国のママも同じですよね)。

 

そしてある日の夜の歯磨きで、ポロリ。ついに抜けたのです。

La Fatina dei Denti(ファティーナ・デイ・デンティ)とは?

さて。乳歯が抜けたはいいけど、もう夜だから外に投げるのは明日にするか。下の歯だから、屋根の上に投げればいいんだよね、はいはい。と思っていたらチビから待ったがかかりました。

ママ、何言ってんの? La Fatina dei Dentiが来るんでしょ? 勝手に捨てたらダメ!

と、モーレツに怒っております。

は? ファティーナ・デイ・デンティぃ? なんじゃそりゃ? 

というと、彼女はさらに怒り、歯医者さんで見た絵本を忘れたのかと、お友達のところにはみんな来てるぞと、さらにお説教です。

▲娘が歯医者さんで読んだPeppa Pig版の歯の妖精の絵本La Fatina dei Denti(ファティーナ・デイ・デンティ)。

えー、何だっけ。おぼろな記憶をたどると、確かにPeppa Pigの絵本で歯医者さんにそんなのがあったなあ…でもママ忘れちゃった。教えて、と言うと、

抜けた歯を枕の下に入れておくと、ファティーナ・デイ・デンティが夜来てプレゼントを置いてってくれるのッ!

と鼻息荒くブチ上げる5歳児。

 

あー、そうだった、そうだった、そんな話だったね。なるほど…確かコインと交換してくれるんだったっけ。

歯の妖精=La Fatina dei Denti(ファティーナ・デイ・デンティ)!

そうなのです。ここで解説を入れると、La Fatina dei Dentiとは「歯の妖精」という意味で、5歳児の言う通り、抜けた歯を寝る時に枕の下に入れておくと、歯を持ち帰り、コインを代わりにおいて行ってくれるという妖精さんなのです。

 

英語ではTooth Fairlyでしょうか。

The Tooth Fairy

▲世界180の国と地域で放送されている人気のTVアニメPeppa Pig。イタリア語版だけでなく英語版でも歯の妖精の絵本「The Tooth Fairy」が出ています。

ここには次に健康な歯が生えますようにとか、そういった健康的、教訓的要素は全くナシ。

 

ヨーロッパらしい“おとぎ話の世界観”に縁取られた歯の妖精です。

▲歯の妖精の絵本はPapper Pig版以外にもイタリアでいくつか出版されています。こちらはGribaudo編の絵本「Lucilla la fatina dei denti. Con gadget

その割には置いて行くのがコインというのが俗っぽい。

ちなみにさ、お友達のところにはもう来たの?

と聞いてみると、先に抜けたお友達のところには、コインを置いて行く妖精あり、キャンディなどのおやつを置いて行く妖精あり、その家庭のポリシーによって色々なようでした。

分かりました。じゃあ今日は、抜けた歯をティッシュに包んで枕の下に置いて寝てごらん。

とコーフンの極地にある5歳児を諭しながら、何とかベッドに押し込み、さて我が家の妖精には何を持って来てもらうかと夫と議論。

 

結局オーソドックスに、1ユーロコインを置いて行ってもらうことにしたのでした。

▲歯の妖精は歯の代わりにコインを置いていくのがオーソドックスなパターンのようですが…各家庭のポリシーにより置いていくものは様々なようです。

ただ、悪ノリした私たち親は、「Fatina dei Denti」とサインしたかわいい絵はがきを一緒に置いておきました。

 

…次の朝、5歳女子の喜んだこと! 喜びにうち震えておりました。初めて抜けた歯、初めて来た歯の妖精(それもサインつき!)、そして初めてのお小遣い。

 

子供の頃って、こういう素晴らしい「初めて」の瞬間が数々あるんだなあと、親も嬉しさと懐かしさひとしおです。

で、そのコインは何に使うの?

と聞くと、あまりの嬉しさからか

使わないで取っとくの!

と即答し、絵はがきにセロテープで留めてしまいました。面白いなあ…いつまでも、最初にファティーナ・デイ・デンティが来たときのこと、覚えていて欲しいものです。

 

そして親の手元に残った下の歯は…もちろん屋根の上に投げましたとも!

記事をお読み頂きありがとうございました!

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この記事を執筆したGlolea!アンバサダー

佐々木希世(Kiyo Sasaki)
Glolea! イタリア子育て&生活エンジョイ・アンバサダー
ミラノ

14年8月に、イタリアはミラノに居を移す。2人の子供達を追いかけ回しながら、日本とは違う時間の流れの中でのイタリア生活を満喫中。学生時代の専門だった美術をはじめ、食事・お酒を愛する身には最高の住環境! 子育て周りをはじめ、そんなところもご紹介したいと思っています。著書『「半径5メートル最適化」仕事術 おしゃべりな職場は生産性が高い』好評発売中!

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