コロナ休校を経てオランダの小学校が再開! 休校解除4つのポイントとは?
[世界のコロナ休校対策&学習事情]

倉田直子(Naoko Kurata)
Glolea! 多様性&マルチリンガル子育てアンバサダー

世界中でパンデミックを起こしている新型コロナウイルス(COVID-19)。

 

私達家族が住むオランダでは、3月16日から義務教育の一斉休校がスタートし、5月11日に小学校が再開しました。
※中等教育の再開は、6月1日を予定。

コロナ休校:世界の学校再開方法 オランダの場合

しかし、一斉開放ではなく、教室内の人口密度を減らしたり、人の流れを制御するために様々な工夫を施しての再開になっています。

 

今回は、この記事の執筆現在(2020年5月18日)具体的にどのような手法でオランダの小学校がコロナ休校を経て再開したのかを詳しく解説していきます。

コロナ休校後の驚きのオランダ開校対応とは?

オランダ国内では事前に5月11日の学校再開が予定されていましたが、改めて4月21日に、政府による「5月11日の学校再開」のアナウンスが行われました。

オランダのコロナ休校対策

学校再開にあたって、普通に学校を開くわけではなく、以下の4点の対応をするように学校に求めました

  1. 小学校のクラス人数を半分に分け、教室に来るのは半分のみとする
  2. 半日交代または一日おきの登校など、小学校単位で決定する
  3. 学校に来ない日も、生徒に自宅学習させる
  4. 学校への送り迎えについては、可能な限り徒歩または自転車で行うように保護者に呼びかける

この決定を聞いて

こういう方法もあったのか

と感心しました。

 

確かに教室内にいる生徒の数を半分にすれば、「密」にはなりにくいですからね。

 

ちなみにこの日の政府発表で、12歳以下の子供は「1.5メートル離れるソーシャルディスタンスの義務」が4月下旬に解除されるとも発表されました。

オランダの学校教育とソーシャルディスタンス

それに伴い、小学校の体育の授業やスポーツを実施することも可能になっています。

 

更に後日、政府発表の項目に追加で、教育機関からのいくつかの推奨事項が出ました。

  • 全ての教室には消毒用ハンドジェル、ハンドソープ、ペーパータオル、消毒スプレーを置く
  • 保護者は校舎や校庭に立ち入らない

先ほど書いた政府発表にも学校への送迎の注意がありました。

 

オランダは小学生の学校への送迎は義務ではありませんが、安全配慮のために付き添う保護者が多いです。

 

そして低学年であればあるほど、保護者は校舎の中まで付き添い、子供が通学バッグからお弁当を出したりするのをサポートしていました。

 

新型コロナウィルス感染対策として、保護者に校舎への立ち入りを禁止したほうが良いというのです

保護者は学校の敷地に立ち入り不可に

これらの要請や推奨事項を受け、筆者の子供が通うオランダの小学校では5月11日以降はクラスを半分に分け、登校日と自宅学習日が割り振られるようになりました。

 

他学年に兄弟がいる生徒は兄弟が同じ日に登校できるように配慮しているので、

非常に複雑なパズルだったので、班の変更はできません

と釘をさされてしまいました。

 

日頃仲良くしてる生徒の大半が別の班に配置されてしまった娘は、少し残念がっていました。なかなか上手くはいきませんね。娘のクラス人数は18人なので、一日に登校してくるのは9人になりました。

 

午前と午後での交代ならランチは自宅で取れますが、終日登校なので学校でお弁当を食べることになります。

 

これは学校の推奨ではなく筆者の独断ですが、お弁当のサンドイッチはラップフィルムで包んで持参するようにしています。

 

更に登下校時に利用する入り口も、正面玄関と非常口を学年によって分けて使うよう学校から指示が出ました

 

そして推奨事項の通り、保護者は校庭と校舎に立ち入れなくなりました。

コロナ休校後のオランダの小学校の登校:保護者の立ち入り禁止看板

▲学校の敷地に入るフェンスに「ここでお見送り」のパネルを新たに設置。ここから保護者は立ち入れない

今までは保護者も登校時に教室まで入って先生と談笑できたのですが、教師や職員、保護者の間でソーシャルディスタンスを保つ必要があるからです。

 

それにこれは私見ですが。オランダの小学校は全員土足で、そのまま外から入ってきます。そのため、ウィルスが靴底に付いていたらそれをそのまま持ち込む危険があるのです。その危険を減少させるためにも、保護者の入館を制限するのは有効だと思います。

オランダの小学校…開校後の様子

5月11日の週から再び(隔日で)登校するようになった子供に学校の様子を聞くと、

級友たちはみんな元気だった!

とのこと。

 

事前の報道では「開校しても引き続き休ませる」という保護者も多くいたそうですが、娘のクラスメイトは全員登校してきているそうです。

 

最上級生で、あと1か月半で卒業だから、最後の思い出のために登校してきているのかもしれません。

オランダの小学校の教室・シンク・ハンドソープ

▲筆者の子供が撮影したオランダの教室のシンク。左にハンドソープが見える。

子供に「衛生用品は教室に設置されたか」を確認すると、入り口にハンドジェル、教室内のシンクにハンドソープとペーパータオルが設置されたそうです。

 

学校がちゃんと、ガイドライン沿って対応してくれているようで安心しました。

小学校の経過が中等教育の再開を左右

この原稿を執筆している時点では、開校からまだ一週間しか経っていません。

 

中等教育が再開する6月1日以前に、国がこの小学校の開校後の経過を検証し、同じスタイルで開校継続するかどうか決定するそうです。

 

どの児童たちも、このまま健康で通学できるよう祈っています。

 

今回は「コロナ休校を経てオランダの小学校が再開! 休校解除4つのポイントとは?」をテーマにお届けしました。次回は「男子校」「女子校」が存在しないオランダについてレポート予定です。お楽しみに!

記事をお読み頂きありがとうございました!

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この記事を執筆したGlolea!アンバサダー

倉田直子(Naoko Kurata)
Glolea! 多様性&マルチリンガル子育てアンバサダー
ハーレム

オランダ在住ライター。2004年にライターデビュー。2008年に家族の仕事都合で北アフリカのリビアに移住。リビア在住中に、現地の生活をリポートする海外在住ライターとして活動開始。2011年8月、英国スコットランドに移住。2015年夏よりオランダ在住。2008年生まれの娘は日英蘭語のトリリンガル。

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