ドイツ流 !毎日楽しく学校に通える子供を育てる…注目すべき6つの秘訣
- クリューガー量子(Ryoko krueger)
- Glolea! ドイツ・家族の暮らしアンバサダー
目次
ドイツの小学校生活に見る「子供が毎日楽しく学校に通う」ための秘訣とは?
子供が毎日楽しく学校に通うことは、全ての親の願いです。 今回の連載記事では、ドイツの小学校生活に見る「子供が毎日楽しく学校に通う」ための6つの秘訣をご紹介します。
秘訣1:
小学校入学前の入学体験
小学校入学の半年前から、幼稚園で10人ずつのグループに分かれて数回小学校を訪問します。半年間、1つのグループを同じ1人の小学校教諭が担当します。訪問時の活動例は以下です。
- 学校の休み時間に、校庭でピクニック。
- 学校をぐるり一周。学校内施設を見学。
- 3年生の体育授業に参加。
子供達は小学校の先生から学校生活の話を聞いたり、学校で体験授業を受けることで、小学校入学前から学校の雰囲気に慣れていきます。
秘訣2:
誰と同じクラスになりたいかという希望がかなえられる
子供達は誰と同じクラスになりたいかという希望をかなえることができます。
小学校入学前に提出する入学希望用紙に、同じクラスになりたい友達の名前を書き、学校側が調整します。これも子供達の心理的負担軽減に大きな役割を果たします。
新しいことが盛りだくさんの学校生活で、親しい友達がそばにいることは大きな支えになります。そして、時間の経過とともに子供達は少しずつ友達の輪を広げていきます。
秘訣3:
小学校は午前中で終わる&給食もなし!
小学校は午前8時に始まります。1年生は12時30分頃まで、4年生でも13時過ぎには下校します。
日本でも、始業式や終業式前後に、給食もなく昼で下校する短縮授業の日が何日かありますが、こういった日が一年中続くのです。
子供達も、短縮授業の日には心が軽くなり、お昼までだったら頑張れそうな気もしてくるものです。また、昼からは何をしようかと、誰と遊ぼうかと楽しみにするでしょう。
学校にいる時間が短いと、子供達の心理的負担は軽くなります。一方、親の責任は大きくなります。
学校は勉強する所。給食もありません。基本的生活習慣や午後の過ごし方は、全て家庭の責任です。
秘訣4:
幼稚園やクラブなどを通して、クラスや学年を超えた友達がいる
ドイツの幼稚園は、3歳~6歳までの混合教育。
大きな子は小さな子を助け、小さな子は大きな子の刺激を受けて育ちます。1歳、2歳の差は関係ありません。子供達は幼稚園で年齢を超えて、気の合う仲の良い友達と遊びます。
地元のサッカークラブや体操クラブなどても、子供達はクラスや年齢を超えた友達ができます。
子供達は、クラスや学年を越えた友達がいる為、クラスで少しうまくいかない場合も、どこかに自分の居場所を見つけることができます。
休み時間に、近所の子や幼稚園で一緒だった学年の違う友達と遊ぶことも至って普通です。
秘訣5:
教室の壁は、黄色やオレンジ色など暖かな色
学校の教室の壁は、黄色やオレンジ色など、暖かな色に塗られます。
これも、子供達が家庭にいるのと似た気持ち「心地よい」と感じる手助けになります。心地よい空間にいると、心が休まるのは子供も大人も一緒。大人が素敵なカフェに行きたいと思うのと同じです。
学校は家庭とは異なる厳粛な所だということで、教室を無機的な白で画一して、美しくない机や椅子だけを並べる必要はありません。保護者会も、先生がテーブルにロウソクやチョコレートを並べて、和やかな雰囲気で行われます。
ドイツ人が毎日の生活の中で一番大切にしている感情は、「心地よさ」です。
秘訣6:
子供がクラスや学校に馴染まない場合は、親が行動を起こす
残念ながら、ドイツにもいじめはあります。
子供がいじめにあったり、クラスや学校にどうしても馴染めないと子供と親が感じると、親が行動を起こします。親は担任の先生や学校と話合いをし、他のクラスへの編入や転校に向けた手続きをします。
転校などの際、周りの目を気にすることはありません。あれこれ干渉する人もいません。
一番大切なのは、子供が再び落ち着いた環境で勉強し、生活できるかということ。
ドイツでは子供がSOSを出した時に行動するのは、学校ではなく親です。
ドイツ流 !毎日楽しく学校に通える子供を育てる…注目すべき6つの秘訣まとめ:子供が心地よく感じる環境をつくる
大勢の中で組織のルールに従って、一日の大半を過ごすのが好きな子、苦手な子、少し苦手だなあと感じる子、子供の性格はまちまち。
小学生のうちは、学校にいる時間を少し短くして、子供が心地よく感じる環境をつくり、子供の心の負担を減らすというのも、子供が毎日楽しく学校に通うための一策ではないでしょうか。
そして、子供がSOSを出した時は、その子が再び落ち着いた環境で勉強し、生活することを最優先に考えて、皆で行動していきたいですね。
次回の連載記事では「ドイツ&イギリス少年ラグビーチームのプチ交換留学レポート」をお届けします。お楽しみに!
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この記事を執筆したGlolea!アンバサダー
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- ハイデルベルク
ハイデルベルク市公認ガイド。バイオリン教室主宰。「石油を掘りたい!」と工学を学び、日本で土木技術者として働く。その後メキシコでスペイン語を学び、日西通訳として働く。メキシコ滞在中にドイツ人現夫と出会い、2003年に渡独。現在、ラグビーに夢中な2人の男子の母。