超ハイレベル!ドイツの小学生が受ける国語テスト

クリューガー量子(Ryoko krueger)
Glolea! ドイツ・家族の暮らしアンバサダー

仰天!ドイツの小学生が受ける国語テストはこんなにレベルが高かった!!

ドイツの小学生の国語(ドイツ語・母国語)はハイレベル!

ドイツの学校における国語教育で最も力を入れて取り組まれていることは「自分の考えを自分の言葉で表現すること」です。

 

ドイツ人は話題を総括して、自分の意見を論理的に伝えるのが得意ですが、その理由をドイツ人が子供の頃から受けている小学校の国語テストから垣間見ることができます。

 

今回の連載記事では超ハイレベル! ドイツの小学生が受ける国語テストについてレポートします。

ドイツ人の子供達が受ける国語テストの種類

ドイツの子供達は6年生までに、以下のような国語テストを学校で受けます。

  • 書き取り
  • 童話を執筆
  • 挿絵を見て物語を作る
  • 時事レポート作成
  • 先生の音読を聞き、要旨を自分の言葉で表現する
  • 読解テスト

日本の国語テストでお馴染みの読解テストはほとんど行われず、作文テストが主です。

 

作文テストの約2週間前に、テスト日が通知されます。テストに向けて、子供達は学校の授業で作文の仕方を学び、家でも親と作文の練習します。

 

今回は、3年生&6年生で実施される2つの作文テストの詳細をご紹介します。

小学3年生の作文テスト:挿絵を見て、物語を作る。

小学校で学習する典型的な作文は、4コマの挿絵を見て、それにふさわしい物語を作るというものです。

 

作文のボリュームは、大学ノート1ページがびっしり埋まる程度。

 

採点の際、先生は文法の誤りや、気づいた点を余白に記入していきます。明確な評価項目があり、その達成度で採点します。

 

主な評価項目は以下です。

  • 題名は適切で、興味をそそるか。
  • 挿絵を正確に詳しく表現しているか。
  • 登場人物の考えや気持ちを記述しているか。
  • 適切な終わり方で話を完結させているか。
  • 会話文を的確に用いているか。
  • 文法は正しいか、語彙は多様か。
  • 言葉の重複はないか。
  • 時制を保っているか。
  • 字はきれいか。
ドイツの小学校で行われる国語テストの作文評価項目の表

▲ドイツの小学校で行われる国語テストの作文評価項目の実際の表

採点が難しいと思われがちな作文も、評価項目を細分化することで論理的に評価できるようになります。子供達は小学3年生頃から、筋道立てて文章を書くことを学校で勉強していきます。

6年生の作文テスト:先生の音読を聞き、要旨を自分の言葉で表現する

学年が上がるにつれて、作文テストの内容も多様化していきます。

 

長男が6年生の時に受けた作文テストは、以下の流れで行われます。

 

  • 写真の教科書の右ページ半分くらいの長文を、先生が3分ほどかけてゆっくり音読。子供達は手をひざに置いて静かに話を聞きます。
  • その後7分間、音読された要旨をメモ。
  • ペンを置き、再び先生の同じ音読を聞く。
  • 最後に60分かけて、音読内容を自分の言葉で表現。
ドイツの小学6年生用の国語の教科書

▲ドイツの小学6年生用の国語の教科書

このテスト内容を知った時は驚き、感心しました。こんなテストがあるなんて、想像したこともありませんでした。

 

ドイツ人は話題を総括して、自分の意見を論理的に伝えるのが得意ですが(喋りすぎ!と感じることもしばしばです)、その理由を垣間見た気がしました。

自分の考えを自分の言葉で表現することを学校で学ぶドイツの子供達

個性、自由を重んじるドイツの教育制度では、皆が違って当たり前という考え方が根底にあります。

 

言葉で表現することにおいても、「答えが一つしかない」ということはありません。自分自身、自分の考えをしっかり表現することが重要なのです

 

ドイツの国語学習では「自分の考えを自分の言葉で表現すること」を学校で段階を踏んで学んでいきます。

 

一方、日本文化の大きな特徴は「和を大切にすること」。国語テストでも、読解に重点が置かれています。

 

相手の言いたいことを理解すること、自分の考えを表現することはどちらも大事。

 

日本の国語学習でも「自分の考えを自分の言葉で表現すること」を、子供達がもう少し深く勉強していければいいなと思っています。

 

次回の連載記事では「ドイツの“子供大学”って何?」をテーマにお届けします。お楽しみに!

記事をお読み頂きありがとうございました!

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この記事を執筆したGlolea!アンバサダー

クリューガー量子(Ryoko krueger)
Glolea! ドイツ・家族の暮らしアンバサダー
ハイデルベルク

ハイデルベルク市公認ガイド。バイオリン教室主宰。「石油を掘りたい!」と工学を学び、日本で土木技術者として働く。その後メキシコでスペイン語を学び、日西通訳として働く。メキシコ滞在中にドイツ人現夫と出会い、2003年に渡独。現在、ラグビーに夢中な2人の男子の母。

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