ブラジルは実は帝王切開王国!? 〜驚きのブラジル女性気質

大岩ピレス淑子(Toshiko Oiwa Pires)
Glolea! ブラジル大自然の中の生活アンバサダー

驚くほど多くのブラジル人女性が、帝王切開を選びます。

ブラジルは実は帝王切開王国

自然分娩が見直され、尊重されてきている世界の多くの国に反して、ブラジル人女性はなぜ帝王切開を選ぶのでしょうか? 

 

ブラジル人が自分の身体より医学を信頼するその背景を、私自身の妊娠〜出産体験と交えてお伝えします。

世界一の帝王切開王国「ブラジル」

妊娠した時はサンパウロに住んでいました。

それじゃ産科医に行こう!

ということで医者に行きましたが、そこで驚きの事実を知りました。

 

ブラジルでは50%以上が帝王切開。数年前の調査では世界1を誇る(?)帝王切開王国だったのです…!

ブラジルは実は帝王切開王国

周りの女性もみんな帝王切開だった…

ブラジルは実は帝王切開王国

▲第一子の妊娠8ヶ月目

周りを見回すと、夫の従姉妹

予定日は日曜日なんだけど、週末で担当医が休みだから金曜日にしたのー

とふつーの顔。

 

他の家族メンバーや友人に聞いてみると、私も帝王切開、私も、私も、と自然分娩した女性にめぐり会った時には「ほんと〜!?!?!どこでっ?!?」と興奮するくらい、私の周りはみんな帝王切開でした

 

当時、私はフランス在住時に「母」と呼んでいた女性の影響で、ハードコアな自然派になっていたので、ブラジルのこの現状が空恐ろしくなりました。

 

帝王切開はもちろん、会陰切開、吸引など、一切医療介入のないお産をしたい、できれば自宅出産を! と思っていたのです。

医療に頼る人が多いブラジル人

もちろん様々な理由で、長い陣痛のあと緊急帝王切開になったりするケースもあるのですが、あるブラジル人女性に聞いた時

だって痛いの怖いし

と率直なご意見、、、

2人目が欲しいけど、妊娠と出産が大変だから養子をとるの

という女性もいました。

 

人生の重大イベントである出産を、こうあっさりと処理するのか! と、力の入っていた初産婦の私は憤りました。
…ちなみにブラジルでは「出産する」ことを「Dar luz…光を与える」というとても美しい表現をします

 

ブラジルは医療の強い国ですが、薬や医者に頼りすぎな人をよく見かけます。

ちょっと頭が痛いから、薬を飲む

から

症状はなかったけど、医者に言われたから手術した

まで。

 

生活習慣を見直したり、他の治療手段を考慮する前に医学に頼る人が多い…というのが私の印象です。

 

カーニバルや、ビーチのビキニ姿のブラジル人女性からは、自分の身体に愛情と自信を持っているイメージが伝わってきますが、実は豊胸手術や顔の美容整形手術などが世界でも指折りの多さなのです。

ブラジル人が医療を頼る3つの理由

ブラジルは実は帝王切開王国

このようなブラジル人の医療に対する姿勢には、様々な背景があると思いますが、私の観察するところでは、

  1. 自分の身体の理解不足や受容拒否
  2. 医者への絶望的(?)な信頼
  3. 痛みや不調への恐怖心

…といったことが挙げられるかと思います。

 

悲しいことですが、医者の方もそんなメンタリティを利用して、必要のない手術をするといったことはよくあるようです。

 

こういった風潮の反動で、一部のナチュラル志向の妊婦達は、頑なに自然分娩を強調し、マタニティヨガをやり、食べ物にこだわり、高額のナチュラル志向な産院を選ぶ…と力を入れています。

 

力を入れないと普通に自然分娩ができない、というのも変な話ですが、そんなブラジルの現状なのです。

出産は思い通りにはいかないもの

私事に関しては、サンパウロで産婆さんを探しまくって、やっと見つけた方はフランス人でしたが、結局ビザやその他様々な理由から、日本で出産することになりました。

 

そしてはじめての出産といえば、思い描いていたものとはほど遠い代物でしたが、ハードコアな自然派だった私には、少し力を抜き医療も受け入れる良いレッスンとなりました。

 

おかげで二人目の時は、医療介入は基本的にしないが、緊急事態にすぐ応対できる、というスタンスの産院を選び、素晴らしい出産体験ができました。妊娠も出産も子育ても、自分の思い通りにならないものですね、、、。

 

次回の連載記事では「ブラジルならではの美味しいもの」をテーマにお届けします。お楽しみに!

記事をお読み頂きありがとうございました!

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この記事を執筆したGlolea!アンバサダー

大岩ピレス淑子(Toshiko Oiwa Pires)
Glolea! ブラジル大自然の中の生活アンバサダー
サンパウロ州

高校卒業後NYの芸術大学で4年間ダンスを学ぶ。その後アメリカとフランスのカンパニーでプロダンサーとして世界中で踊る。パリを拠点にフリーランス活動中にブラジル人の夫と出会いサンパウロに移住。息子を日本で出産。サンパウロ州の海辺に家を買う。その後再び数年間の日本生活を経て第2子を出産、現在ブラジル在住。

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