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ウクライナ情勢から東欧の政治や歴史に興味を持ったお子さんにおすすめの英語絵本『The Wall: Growing Up Behind the Iron Curtain』

奥村優子(Yuko Okumura)
Glolea! ニュージーランド・オークランド親子留学アンバサター

こんにちは! ほうかごEnglish代表/Glolea! ニュージーランド親子留学アンバサター 奥村優子です。

 

ウクライナでの戦争がまだまだ続いていますね。早く平和な暮らしが戻ってほしいと思います。

 

2月からずっとニュースで毎日のようにウクライナ情勢が報道されますが、ロシアやヨーロッパの現代史について興味を持った方やお子さんも多いのではないでしょうか。

 

今回ご紹介するのは、チェコスロバキア出身でアメリカを代表する絵本作家のピーター・シスが冷戦時代の東欧チェコスロバキアでの生活を描いた自伝絵本「The Wall: Growing Up Behind the Iron Curtain」です。

作家ピーター・シスの自伝絵本「The Wall: Growing Up Behind the Iron Curtain 」

▲コールデコットオナー賞など数々の賞を受賞した絵本作家ピーター・シスの自伝絵本「The Wall: Growing Up Behind the Iron Curtain 」

 

絵を描くのが大好きだった子供が経験した、冷戦時代のチェコスロバキア

ベルリンの壁の崩壊、ソ連の解体などで冷戦が終結したのが約30年前

 

小さなお子様や若い人にとっては自分たちが生まれる前の昔の話ですが、40代後半以上の人であれば、冷戦は同時代的なこととして感じられるのではないでしょうか。

 

チェコスロバキアは今はチェコとスロバキアの2つの国に分かれていますが冷戦中は一つの国でした。

 

また、チェコスロバキアは元英国首相ウィンストン・チャーチル

鉄のカーテン

と呼んだ東西陣営の境界の東側にありました。

チェコスロバキア

▲ウクライナに隣接している「チェコスロバキア」は冷戦時代、東西陣営の境界にありました。

この絵本のタイトルにある

Behind the Iron Curtain(鉄のカーテンの後ろ)

というのはそういう意味を持っています。

 

筆者のピーター・シスは共産主義体制下のチェコスロバキアで生まれ育ち、青年期まで過ごしています。

▲チェコスロバキア出身でアメリカを代表する絵本作家のピーター・シス By Jindřich Nosek (NoJin) – Own work, CC BY-SA 4.0, Link

小さい頃から絵を描くのが大好きで、表現の自由が政治的に制限されている状況下でアニメーションやラジオの仕事をしていました。

 

1984年にアメリカに亡命しています。

 

この“The Wall: Growing Up Behind the Iron Curtain”は筆者の自分の体験に基づいた絵本作家ピーター・シスの自伝絵本です。

 

赤い旗を掲げて団体行動をしたりロシア語の授業が義務だったりと窮屈な日常の中で、主人公の男の子は好きな絵を描き続けます

 

そしてロックに目覚めビートルズにあこがれるようになったころ、1968年にプラハの春で自由な社会が訪れます。

作家ピーター・シスの自伝絵本「The Wall: Growing Up Behind the Iron Curtain 」

イギリスに行って、ヒッチハイクしてレコードをいっぱい買って…と夢は広がるのですが、すぐにソ連と共産圏の国々の軍隊の介入で、元の体制に戻ってしまいます。

ピーター・シスの自伝絵本

読んでいると、どれだけ抑圧され自由のない社会だったかがひしひしと伝わってきます

 

子供を主人公とした絵本に政治的な批判を盛り込むのは、なんというかあざとくて嫌だなと正直最初は思っていたのですが、時折挿入される当時の日記などを読んでいると、今とは全く違う体制下で子供時代や青春を過ごすということが身近に感じられてきます

 

1949年生まれの筆者にすれば、プラハの春があった1968年は二十歳前。

 

ロックが好きで、自由を制限されるのがどれだけ嫌か、容易に想像ができてしまいました。

過去形と現在形の並立で、独特の印象を味わう

ほぼ毎ページ、ページの下に当時の状況を述べる短い一文が載っているのですが、これは過去形で書かれています

 

ですが、日記や絵に添えられた文は現在形で書かれています

 

現在に生きる私たちからしてみたら、冷戦下のチェコスロバキアでは当時こういうことがあってこの後こうなって、ということはわかっていますし、もし当時のことに関する知識がなくてももう過去の決まった出来事だということはわかっています。

 

なので、過去形の文を見ると、もう終わった出来事という印象を受けます

 

でも、私たちは先のことなんてわかないまま日常生活を送っていますよね。

 

描かれているのは今の私たちとは大きく違う環境での生活ですが、現在形で書かれた部分があることで、先のことがわからない、私たちと変わらない普通の人の気持ちになって読むことができました

ピーター・シスの自伝英語絵本「かべ―鉄のカーテンのむこうに育って」

親子で政治や歴史に関心が広がる

アメリカのアマゾンではこの本は8〜12歳向けとなっていますが、政治や歴史についてある程度知識が身についてくる中学生以上のお子さんであれば、親御さんと一緒にいろいろと内容について話ができるのではないでしょうか。

私は子供から、

これどういうこと?

とか、

なんでこんなことやっているの?

と聞かれて一緒に調べて、いい勉強になりました。

 

また、冷戦時代というと今の中学生や高校生からしたら自分たちが生まれる前の話ですが、映像を見るとイメージがわきやすいと思います。

 

NHKの「映像の世紀」シリーズでは冷戦時代を扱ったものがいくつかありますが、アマゾンのプライム・ビデオでも見られます。

冷戦の映像NHK

我が家の娘は中国の回を見た後、いろいろ考えこんでしまってその夜はなかなか寝付けなかったと言っていました。

 

ウクライナ情勢から東欧の政治や歴史に興味を持ったお子さんにおすすめの英語絵本『The Wall: Growing Up Behind the Iron Curtain

作家ピーター・シスの自伝絵本「The Wall: Growing Up Behind the Iron Curtain 」

▲様々な賞も受賞している作家ピーター・シスの自伝絵本「The Wall: Growing Up Behind the Iron Curtain 」。「かべ―鉄のカーテンのむこうに育って」というタイトルで日本語版も出ているので、英語絵本・日本語絵本両方揃えて読み比べてみるのも良いですね!

この本はアメリカで最も権威のある児童書の賞のひとつコールデコット賞の、次点の候補者に授けられるHonorを2008年に獲得しています。

 

また、アメリカの児童図書館協会(ALSC)が知識を得られる優れた本に与えるSibert Medalも受賞しています。

ピーター・シスの闇と夢

▲日本でも多くのファンがいる絵本作家ピーター・シス。2021年には絵本原画展覧会「ピーター・シスの闇と夢」が日本初開催されました。

冷戦時代の東欧に興味を持たれたら、親子でピーター・シスの自伝絵本「The Wall: Growing Up Behind the Iron Curtain」を読まれてみてはいかがでしょうか。

 

オンライン英語学習のススメ

コロナウイルスの影響で、お子さんが自宅にいる時間が長くなり、どう過ごすのかいろいろと工夫されているご家庭も多いと思います。

 

私たちが運営するニュージーランド人ネイティブ講師から学べるオンライン英会話スクールにも、追加レッスンや新しい生徒さんからのお問合せを多くいただいています。

ニュージーランドのオンライン英会話教室

日本をはじめ、海外にいる生徒さんのいつもどおりの元気なお顔がみられるのは、こちらニュージーランドにいる先生にとっても喜びです。

 

新しい生徒さんも大歓迎していますので、自宅にいながら、ニュージーランドの先生とつながれるオンラインレッスンをぜひお試しください。

記事をお読み頂きありがとうございました!

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この記事を執筆したGlolea!アンバサダー

奥村優子(Yuko Okumura)
Glolea! ニュージーランド・オークランド親子留学アンバサター
オークランド

ニュージーランド・オークランド在住。オンラインスクール「ほうかごEnglish」運営。 親子留学、幼稚園生からシニアまでの留学サポートを行っています。スクールの運営、留学生の受け入れと子育てに日々奮闘中。趣味は、旅行と料理。走ること。美しい自然が身近にある環境が気にいっています。

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