小野寺 愛 ピースボートこども家 [中編]幼少期に世界を体験することにこそ大きな意味がある | Glolea![グローリア]

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[中編]幼少期に世界を体験することにこそ大きな意味がある

小野寺 愛さん(Ai Onodera)
「ピースボート子どもの家」代表
小野寺 愛さん(Ai Onodera)
国際交流NGOピースボート洋上のモンテッソーリ保育園「ピースボート子どもの家」代表。「平和は子どもからはじまる」を合言葉に、講演活動や地域での親子イベントを企画・運営。共著に「紛争、貧困、環境破壊をなくすために世界の子どもたちが語った20のヒント」(合同出版)ほか。2児の母。「Glolea! 子どもと一緒に地球一周アンバサダー」としても連載更新中。

「ピースボート子どもの家」が2~6歳の
未就学児に限定しているのはどうしてですか?

ai_onodera単純に、小学校にあがって以降は、3ヵ月まとめて休みをとるのが難しいということもあります。ですが、発達心理学的にも2~6歳の幼少期は「この世界はどんな場所なんだろう?」と好奇心と吸収スイッチがいつでもONの時期。

 

「環境からの吸収力が生涯でもいちばん高い時期」だといわれているんです。この時期に大好きなママやパパと、この世界を体験するということに、大きな意味があると思っています。

 

また、船内には、同じ旅をする1000人もの大人がいて、みんなが自分の孫や弟妹のように、子どもたちに接します。船内ですれ違う大人が皆、自分に声をかけてくれる。寄港地では、外国の人たちが大歓迎してくれる。子どもたちはおのずと「この世界は温かい人で溢れている」と実感します

「ピースボート子どもの家」に参加した子どもたち全員に
共通する成長感はありますか?

ピースボートこどもの家 世界をそのまま原体験!

▲ピースボートで旅をする子ども達は、
本やテレビで世界に出会う前に、本物の世界を体験。
そのすべてを自分の一部として身体に取り込みます。

6年間で70人近い子どもたちが「ピースボート子どもの家」で世界を旅しました。その子どもたち全員に共通していえるのは、3ヵ月の渡航を通して「おおらかになる」ということです。

 

洋上のモンテッソーリ保育園で「自分でできた!」を存分に満喫し、オプショナルツアーで異文化を体験することで、「自己肯定感」と「違いを楽しめる力」を身につけます。そして、船内や寄港地で人々と触れ合うことで「環境や周囲への信頼感」を増していく。すると人は、おおらかになるんですね。

ピースボートこどもの家  アテネで歴史を感じる

▲古代ギリシア時代にアテナイのアクロポリスの上に建設されたパルテノン神殿。
子どもたちは興味津々!!

それでも「地球一周の船旅、素晴らしいけど、大きくなったらどうせ忘れちゃうでしょ?」と大人は言うんです。その考えかたはもったいない。

 

大人は体験したことを「記憶」して「知識」にしますが、6〜7歳くらいまでの子どもは皆、体験したことをそのまま「自分の一部として吸収」することができる時期を生きているんです。

 

「この時期に世界を体験せず、いつするの?」と言っても過言ではない。

 

大人は非日常から日常に戻った時に、グッと広げた世界をすぐに閉じてしまえる器用さがあります。ですが、子どもはグッと広げた世界をそのままに抱え込んで生きていくんです

ピースボート子どもの家

▲世界の一級芸術作品を子どもと一緒に堪能

少し話がそれますが、子どもたちの「自己肯定感の低さ」が日本でも危惧されています。世界で自己肯定感の高い国はありますか?

ピースボートこどもの家 小野寺愛さん個人的な印象ですが、パッと思いつくのは北欧と、いわゆる途上国ですね。どちらも共通して、子どもが「思いっきり夢中になれる自由」があります。

 

北欧は、国家が定めるカリキュラムが日本よりずっと少なく、現場の先生の裁量に任せる割合が大きいから教員のモチベーションも高い。少人数制の教育現場で子どもの自由にさせる環境が整っています。

 

途上国では、家族の中に子どもの役割がきちんとあって「やってみた」「役に立った」を実感できる機会が多いし、大人の目が沢山あるコミュニティーの中で単純にほっておかれるので、子どもが自分で考えて遊びを生み出し、心ゆくまでやってみる自由があるように思います。

ピースボートこどもの家 グアテマラの小学校で受けた大歓迎

▲グアテマラの小学校で受けた大歓迎

 


 文/宇佐見明日香 撮影/井山敬介 編集/内海裕子

 

≫[前編]先入観や差別心のない子ども時代にこそ世界を見て欲しい

≫[後編]「親子留学」は自分の子育てのあり方を見直してみるいい機会

 

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