プロが指南! 英語絵本の読み方のコツ
お母さんがあまり英語が得意ではない場合、読み聞かせは少しハードルが高いと感じるかもしれませんが、肩肘をはる必要はないんです。
これは、私も大好きでよく使っていたRichard Scarryの絵本「Best First Book Ever」でのワンシーンですが、お父さんがすべって転んでいるような絵が載っていれば
Daddy slips! おっとっとっとー!
と日本語も交えながら読んであげると、子どもは喜びますよ。
車を洗って、水がはねている絵を見て
Splash! Splash! Splash!
と英語の擬音語を入れるのもいいと思います。
クレヨンでりんごの絵を描いている子どもの絵が載っていれば
Wow, look at the crayons! みーちゃんもクレヨン持ってるよね。What is he drawing? Look at that! Apple! A big red apple!!
といったように、日本語も交えながら読み聞かせてあげる。
そうすると、次に「What’s this?」と言ってりんごを指した時に、「Apple!」と言えるようになりますよ。
英語絵本を読む時も反復を意識するのが上達の近道
お気づきになりましたでしょうか? これ、先ほどご説明した「反復」ですよね。こうやって、言葉の獲得と同じようにやっていけばいいんです。
このように、自然な日常生活の環境の中で、視覚と音声から英語を入れていくことができるので、英語の絵本はとてもおすすめです。今は働いているお母さんも増えていますし、私もそうでしたけれど、寝る前のちょっとしたひとときに2人で英語の本を読む時間を楽しんでみてはいかがでしょうか。
英語絵本の選び方3つのポイント
−−英語絵本の選び方のポイントを教えて下さい佐藤:絵本の選び方のポイントの1つ目は、繰り返しが多いこと。例えば、
Bob has a book. Ted has a book. A man has a book
のようなセンテンスの繰り返しですね。そうすると、
みーちゃん has a book, Mom has a book
と、自分たちに置き換えながら読むことができますよね。子どもも楽しくなってきます。

▲イギリスの小学校の約80%が導入している教科書「Oxford Reading Tree」シリーズは3つのポイント全てを満たしているおすすめ英語絵本です。
Oxford Reading Tree: Stage 1+ First Sentences
Oxford University Press (Japan) Ltd.
2つ目は、ページ数はあまり多くなくて、絵が言葉と1対1で対応しているものがいいですね。あまり崩したような絵だと、大人にはステキに見えますが、子どもには分かりづらいものです。
言葉を聞いた時に、子どもが絵を見てすぐに分かるようなクリアなものがいいと思います。
3つ目は、内容として日常生活を描いているものを選ぶと良いですね。自分も経験しているので、想像や推測がしやすいです。あとは、お母さんの好みで選べばいいと思いますよ。お母さんが好きなものは、だいたいお子さんも好きです。

▲親子英語で英語絵本にトライしたけれど、発音に自信がないから諦めている…というママにおすすめなのが音声ペンつきの英語絵本。こちらは佐藤久美子先生監修の英語教材「えいごであそぼプラネット」。
佐藤久美子先生おすすめの英語絵本3:
NHK教育「えいごであそぼ」の幼児英語教材≫
親子英語で大切なのは、「一緒に楽しむ」ということ
親子英語の始め方の例として英語の絵本をご紹介しましたが、ほかにも子どもやお母さんが好きなことを取り入れて、日常生活の中で自然にスタートすることが大切です。
例えば、一緒にお料理をしながら、
OK, first, put in sugar!
Next, put in butter! Put in strawberries! Wow! This is a big cake!
といったやりとりを楽しむ。描くのが好きな子どもだったら
OK, let’s draw a big egg!
と言って一緒に描いてみたり、作品を壁に貼ってみたり。あるいは
OK, let’s dance together!
と言って英語で一緒に歌いながら踊ってみるとか。
家を出るときには
Have a nice day! Bye!
と送り出してあげたりしたらいいじゃないですか。私はいつも、子どもへのメモは「行ってらっしゃい!Have a nice day!」と書いて置いておきました。一緒に読んだ絵本に出てくるフレーズを使ったりするのもいいですよ。
こうしてみると分かると思いますが、お母さんご自身が英語に興味を持っていることがポイントです。
どんなに素晴らしい教材を使っていても、DVDやCDのかけっぱなしだけでは、子どもは興味を持たないですよね。子どもの好きなことや、お母さんご自身が好きなことを通して英語をやってみることが一番だと思います。