小暮 真久 TABLE FOR TWO [後編]なぜ日本人は世界のリーダーになれないのか
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[後編]なぜ日本人は世界のリーダーになれないのか
日本の課題と、これからを生きる人の「働く意味」

小暮真久さん(Masahisa Kogure)
NPO法人「TABLE FOR TWO International」代表理事
小暮真久さん(Masahisa Kogure)
1972年生まれ。早稲田大学理工学部卒業後オーストラリアのスインバン工科大で人工心臓の研究を行い1999年同大学修士号取得。その後マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社に入社。同社米国ニュージャージー支社勤務を経て、2005年松竹株式会社入社、事業開発を担当。経済学者ジェフリー・サックスとの出会いに強い感銘を受け、その後、先進国の肥満と開発途上国の飢餓という2つの問題の同時解決を目指す日本発の社会貢献事業「TABLE FOR TWO」プロジェクトに参画。2007年NPO法人「TABLE FOR TWO International」を創設。シュワブ財団(スイス)が表彰する「アジアを代表する社会起業家(2011年度)」5名の1人。著書に「「20円」で世界をつなぐ仕事」等がある。

「親子留学」に期待するのはどんなことですか?

小暮真久さん / Masahisa Kogure 「TABLE FOR TWO International」代表理事

先にも申し上げた通り、普段とは、劇的に違う環境に身を置くと「自分」が出ます。それは、親も子も同じです。親子留学が向かない子もいると思うんです。徹底的に合わない子もきっといる。それは、「本来のその子」が違う方向に向いているということで、そのことがわかるだけでも、親子留学に限らず、今とは違う環境に身を置くことは、絶対的にプラスです。

 

親子留学に限って言えば、親が「違う国の子育て」を見るいい機会だと思います。大学の時、2週間ほどドイツのある家庭にホームステイしたのですが、そこの親子関係がとても理想的でした。お互いを独立した存在として尊敬し、尊重し合うことで保たれる距離感が程よくて。

 

最近、日本では「友だち親子」が主流です。私たちの事業をサポートしてくれる学生と話をする機会も多いのですが、就職の話になると「親が…」と言う学生の多いこと! 仲良しなのは構いません。でも、就職をする年齢になってまで、親が子どもに口出し、子も親の言葉を気にするような関係は、健全じゃない。「友だち親子」は、双方にとって幼稚化の原因だと思います。

 

だからこそ、まだ子どもが小さいうちに親子留学で、他の国の子育てを見て、自分の子育てや親子関係の在り方を省みて、理想を探ってはいかがでしょうか。

未来を担う子どもたちに期待することはなんですか?

小暮真久さん / Masahisa Kogure 「TABLE FOR TWO International」代表理事月並みですけど「平和」です。

世界で唯一の被爆国である日本だからこそ、平和を唱え続けて、平和を叶え続けて欲しい。広島の原爆ドームを象徴に終わらせるのではなく、二度と戦争しない国、武力も軍隊ももたない国を実現して欲しい。

 

戦争の過去を知ろうとしない、そして、今なんとなくうまくいっているから考えない。それはとても危険です。自分のアイデンティティだけではく、日本のアイデンティティは何なのか、それを一人ひとりが考えなければいけません。

 

これが正しいと思われてきた価値観が、一瞬にして崩れる今の時代にあって、子どもたちが大人として歩み出す未来には今よりもずっと、自分だけが幸せになるための働き方や生き方はあり得ないと思います。

 

他人を思いやる気持ち、自分だけではなく他人を幸せにして、社会をよりよいものにする生き方が、これからを生きる人の「働く意味」です。

 

戦争も貧困も、一個人としてできることがないのであれば、とりあえずなかったことにして無視するよりほかにありませんか? そうしないと穏やかに日常を送ることができなくなりますか?

 

小暮真久さん / Masahisa Kogure 「TABLE FOR TWO International」代表理事 

まずは親が、そのような自分本位な考え方を捨てて、子どもと一緒にグローバルな視点を持ちましょう。そして子どもと一緒になって考えましょう。

 

幼い頃の夢や希望は、その子の一生を方向付ける「想い」の根幹をなすものです。グローバル教育の第一歩は、親が世界を知り、社会は変えられると信じて、子どもに伝えることからはじまるのではないでしょうか。


 文/宇佐見明日香 撮影/カケマコト 撮影・編集/内海裕子

 

≫[前編]今のグローバル教育は世界の半分しか見ていない…
地球規模の社会問題を解決する子どもを育てるために親ができること

 

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