吉岡利代[リーダーズインタビュー]世界とポジティブに繋がる心と想像力を育んでくれたアメリカ親子留学と今 | Glolea![グローリア]

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[リーダーズインタビュー]世界とポジティブに繋がる心と想像力を育んでくれたアメリカ親子留学と今

吉岡利代さん(Riyo Yoshioka)
国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ上級プログラムオフィサー
吉岡利代さん(Riyo Yoshioka)
小学校時代に半年のアメリカ親子留学を経験後、高校、大学を米国と英国で過ごす。留学から帰国後、外資系金融機関の調査部に勤務したのち、幼少時代からの目標を達成するため国連難民高等弁務官事務所 (UNHCR) の駐日事務所にて日本国内の難民申請者の保護活動に従事。2009年4月、ヒューマン・ライツ・ウォッチ東京オフィスの創設メンバーとなり現在に至る。The 41st & 44th St. Gallen Symposium参加者、2011年Tofu Project メンバー。2011年AERA「日本を立て直す100人」に選出。2011年世界経済フォーラム(WEF) Global Shapers Community (GSC)に選出、2013年度キュレーター。

国際社会に貢献できる人間になりたい!
日本の高校を休学し、多様性が尊重されるアメリカへ高校留学

―再びアメリカを訪れたのは高校1年生の時。その後、大学卒業までアメリカで過ごされたとうかがいました。なぜまた留学されたのですか?

吉岡利代

吉岡:日本の空気感が苦手になってしまったこと。そして、国際社会に貢献できる人になりたいと思ったことが大きかったです。

 

中学の3年間は、日本の同質化を求める雰囲気に心をすり減らしました。

 

同じ髪型、同じ制服、同じバッグ。同じあり方を求められ、皆が同じあり方を求める事に憤りを感じました。といっても、小さな反抗ですよ。ルーズソックスを履かないとか、皆が流行りで持っているバッグを持たないという程度です。でも、日々の生活のなかで

なぜ多様性を尊重しないのだろう

と、消化不足な気持ちを常に抱えていました。

 

そんなこともあって、目が外の世界に向きました。中学3年の時は、途上国を巡るNGO主催のスタディーツアーに参加しようと説明を聞き行ったりもしたのですが、家族の猛反対にあって断念。世界に飛び立ちたい私と、安全でいて欲しい家族との葛藤は、その後も続くことになります。

 

日本を窮屈に感じ、それでも世界に飛び立てない私の唯一心が休まる場所が、当時親が働いていたアメリカでした。

 

夏休みや冬休みにアメリカに遊びに行くことで、自由や多様性に触れられる時間がとても心地よかったです。そこで、高校生になると日本の高校を一年休学し、アメリカの地元高校へ留学。

吉岡利代さん:日本の高校を一年休学し、アメリカの高校へ留学。高校で再びアメリカへ留学。

▲日本の高校を一年休学し、アメリカの高校へ留学。

結局そのまま、日本の高校を辞めてアメリカの高校で学びました。

日本の外に出てみたからこそ気付いた日本の良さ

日本への苦手意識は世界の中の日本人として高校時代を過ごすうちに変わりました。日本にいた時にはわからなかった、日本の良さを知ったのです。

吉岡利代さん:高校時代、日本を離れることによって、日本の良い所を再発見できた。

▲高校時代、日本を離れることによって、日本の良い所を再発見できた。

高校卒業後は帰国して、日本の大学で学ぶという選択肢もあったのですが、「国連で働きたい」という目標があったので、大学も国際関係論が学べるか、外国人の比率が多いかで決めて、アメリカの大学を選択しました。

世界最大規模の国際人権NGO「ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)」との出会い

―アメリカの大学を卒業されてから、外資系銀行、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)駐日事務所を経て、国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチの東京オフィスへお勤めになった吉岡さん。簡単にその経緯を教えてください。

 

吉岡:国連の職員になるには…という本によると「実務経験」「現地経験」「修士号」が必要だと。実務経験は2年間外資系銀行にて積んだので、次は青年海外協力隊で現地経験を、そして大学院で修士号を取れたら…という計画でした。

 

実際、青年海外協力隊としてガーナに赴任が決まっていたのですが、出発まで半年ほどあったので、少しでも国際協力の仕事に触れようとUNHCR駐日事務所のインターンをさせていただくことに。

UNHCR時代の吉岡利代さん

▲UNHCR駐日事務所のインターン時代の吉岡利代さん

その間にまた家族の猛反対にあい、青年海外協力隊を辞退することになってしまいました。でもお陰でご縁があり、UNHCRのスタッフとしても働かせて頂くことができました。

 

そんな折、ヒューマン・ライツ・ウォッチが東京オフィスの起ち上げメンバーを探しているとUNHCRの上司から聞きました。国際社会に人権という角度から貢献できることに加え、アジア初のオフィスという勢い、起ち上げというやりがい、そこで自分ができることの可能性に魅かれて、2009年にヒューマン・ライツ・ウォッチに転職して現在にいたります。

ひたすら送って当たって砕けて…根気強く
人権問題解決のために国を動かす

―吉岡さんが働く国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチは、どのようにして世界各国の人権問題を解決へと導いているのでしょう?

吉岡利代

吉岡:ヒューマン・ライツ・ウォッチは、世界最大規模の国際人権団体として、世界中の人権問題をなくすことを目指し「調べる・知らせる・世界を変える」という方法論に基づいて、人権保護活動を行っています。

 

1.調べる
綿密な調査がすべての基礎。動かぬ証拠を積み重ねて、重大な人権侵害を白日のもとにさらします。加害者が否定をしても私たちはたじろぎません。

 

2.知らせる
様々な言語・形式で調査結果をマスコミやソーシャルメディアに発信。

 

3.世界を変える
効果的なアドボカシー(政策提言/ロビイング)で、変化を実現します。加害者の行動を変え、国内の有力者やグローバルアクターにその影響力を人権のために使ってもらうのです。

 

私の仕事は主に「3」の日本政府への政策提言です。「人が人らしく生きていく上で守られるべき権利」が損なわれている状況をみつけるが調査員の役割なら、私はその問題を解決へと導くため日本政府の後押しをすること。

 

個々の人権問題をどう伝えたら、日本政府が動いてくれるのかを考え、実際に行動に移します。

 

多忙な政治家の方々に目に留めてもらうため、議員への面会依頼はFAXで送るのがまだ有効的です。面会依頼のFAXをひたすら送って当たって砕けて、フォーマル・インフォーマルあらゆるネットワークを利用して、議員との面会時間を確保する。そして、通常10~15分の時間をもらって、各国の人権問題と政策提言をプレゼンします。

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