子育てでは「子どもがなぜそう思うのか?」を大切にしてきました
−−坪谷 ニュウエル 郁子さんの娘さんたちのように、16歳で自分の「好きな事」「向いている事」を発見するだけでなく、グローバルな視点でそれらを見つけられる子にするために、親ができることはなんですか?
坪谷:答えになっていないかもしれないけど、家の中でよくやった遊びのひとつに、家中に雑誌などから切り抜いたいろんな写真を貼っておきました。
その写真の隣に、ペンを用意して、模造紙を貼っておきました。そこに以下の8つの質問を書き込んで、子どもたちが自由に回答を書き込めるようにしておきました。
8つのクエスチョン
- これなに?(事実観察)
- これはどんな風に変化してきたの?(1時間前、昨日、100年前、1億年前どうだったかな?)
- なんで今こうなったの?(機能・役割)
- 私たちはどんな責任がある?
- どんな見方ができる?
- 全ての質問に対して、どんな調べ方をして、どこまで答えを出して来た?もっと深く探究するためにはどうしたらいいの?
- なんでそうなったの?(原因)
- どういう影響を与えるの?
こうやって、事実観察をして、調べて、自分なりの答えにたどり着くことがすごく大事なことです。そしてたどり着いた答えには正解も不正解もないのです。 青空を見て、「ピンクだ」と子どもが言ったとしても「違うでしょ、青いでしょ?」と否定するのではなく
なぜそう思うのか?
とその理由を聞いてみましょう。親は子どもに的確な質問をするようにしましょう。

▲坪谷さんが運営されている東京インターナショナルスクールの壁には子どもの持つ力を引き出す工夫にあふれています。
世界的に見ても、日本人は素晴らしい!
日本人であることに自信を持って発信して欲しいです
−−坪谷 ニュウエル 郁子さんにとって、グローバル教育とはなんでしょうか?
いきなり「世界」ではないと思います。
一番身近な家族を起点に、近隣のコミュニティ。そこから町→県→日本→東アジア→アジア→アジア太平洋、世界、そして宇宙。
一番身近なところから、誠実にその中でいかに自分はより良い社会のために貢献できるかを考え、実行できる人になることだと思います。
−−日本人であることが、グローバル社会に貢献できることはありますか?
坪谷:世界的にみても、日本人は素晴らしい民族だと思います。まず誠実、まじめ。それでいて唯一無二なのが利他的であるということ。
世界の中では、自分の得、自分の楽しみを優先する人達が多いのかもしれないけれど日本人は第一に相手の事を考える民族だと思います。相手の居心地がいいように、相手が楽しくなるように、ということを一番先に考える日本人のよう民族は他にはいないように思います。
世界中の人が、日本人を尊敬して、真似すれば、世界はもっと平和になるような気がするのです。だから、世界に発信していける教育を受けて、日本人であることに自信を持って発信して欲しいと思います。
文/宇佐見明日香 撮影・編集/内海裕子
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