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横川香織 さん – 金融IT業界勤務、イブラ・ワ・ハイトメンバー Vol.14

シリアの自立支援に親子で参加。私たちと同じ、幸せに生きたい人たちがいて、友達同士助け合うように、その人たちとつながっていたい − 横川香織

Global+Learning=Glolea![グローリア]。世界とポジティブにつながる今と未来のためにお子様とともに学び続ける、素敵なGlolea!なママにフォーカスするインタビュー。今回は、金融IT業界勤務されながら、長引くシリア紛争で生活基盤のすべてを失いつつある女性たちに『針と糸』で収入の道を開くプロジェクト「イブラ・ワ・ハイト」のメンバーとしてもご活躍中の 横川香織 さんにお話をお伺いしました。

 

横川香織

Profile: 横川香織 (Kaori Yokogawa)さん 

両親の影響で聴き始めたビートルズのレコードから英語に興味を持ちました。音楽や映画に親しみながら英語を勉強し、英文学科に進学したものの、話すことが苦手だったので、交換留学で1年間、アメリカの大学に通いました。就職、結婚、出産を経て、児童英会話に興味を持ち、英語保育がある保育園で勤務しました。現在は、金融系のIT企業で勤務しながら、大学時代のサークルの先輩に誘われ、シリアの女性たちに「針と糸」で収入の道を開くプロジェクト、イブラ・ワ・ハイトに参加しています。長男7歳

 

  −− 横川香織 さん流のGlolea!な生き方、子育てスタイル(=世界とポジティブにつながり子どもと共に学び合う子育てスタイル)や、想いがあれば教えてください   

 

横川香織 さん(以下敬称略):

私は、息子にこうあってほしいと思うことは、まず、私自身が、その理想に近づこうと努力するよう心がけています

 

言葉で伝えたとしても、行動が伴っていなければ、説得力がないと思うのです。

 

どんな子になってほしいか考えるほど、自分自身に足りないところが見えてきます。片付けが苦手で、自分に厳しく他人にも厳しい私ですが、息子のおかげで、片付けはだいぶ頑張れるようになってきたし、少しずつ、他の立場の人のことを想像できるようになってきたかなと思っています。

 

我が家は息子と私の二人暮らしで、息子が2歳半ぐらいの頃から、ほぼフルタイムで働いています。息子と接する時間はあまり長くないと思いますが、その分、親子で過ごす時間には、一緒に何かをして、しっかり話を聞き、様子をよく見るようにしています。

 

多少難しい話も、興味を持って質問してきたことは、きちんと答えるように心がけています

 

恐竜はどうして絶滅したのか、地震がなぜ起こるのか、興味は多岐にわたっています。私も知らないことがたくさんあり、私にとっても良い機会になっています。戦争や政治の話など、いろんな立場の人の思惑が交錯するような話題では、どちらが正しいと決めつけるような言い方はせず、こういう考え方の人もいる、と、両方の立場を公平に話すように心がけています

公平さを大切に。その人自身を見ることが
グローバルな社会では不可欠だと感じています

横川: 公平さは、私がとても大切にしている考え方の一つです。人を、性別、年齢、仕事、国籍などの属性で決めつけるのではなく、その人自身を見ることが、グローバルな社会では不可欠な態度だと思うからです。

 

海外に出たときだけではなく、日本の他の地方、他の町、他の小学校、家族のメンバー間のようなところにも、小さな異文化交流は常に起こっていて、その摩擦に対する態度が、海の向こうの異文化に触れたときの基礎となるものだと考えています。

 

意見が合わない人、立場の違う人と、相手をけなしたり、卑屈になったりすることなく、お互い尊重しあって、対等に接することができるかどうかが、異文化の中でうまくやっていく鍵となるのではないかと思います。これはなかなか難しいことで、私自身、うまくやれている自信はありません。それでも、息子と一緒に、少しでも理想に近づけるように、努力したいと思っています。

少しだけ前を歩いている先輩のような気持ちで子どもと接し、子育てを楽しんでいます

横川: 私は、息子を教えて導くというよりは、少しだけ前を歩いている先輩のような気持ちで、子育てをしています。良いもの、良いことを教えるというより、その事柄に対する私の表情を見て、息子は社会を学んでいるような気がしています。大きくなるにつれて、ますます、子は親の背中を見て育つということを実感しているので、大人になるのは楽しい、仕事や子育ては楽しいことだと、未来に希望が持てるように、私も楽しんで生活しようと思っています。

「国旗カルタ」からひろがる世界への興味

−−お子様の語学力アップや、異文化コミュニケーション力UPのために横川さんがされていることはありますか  

 

横川: 息子は、電車が大好きです。路線図や地図も大好きだったことから、私の母が、国旗カルタをプレゼントしてくれました。

国旗カルタ

▲カラフルで、独特で、眺めるだけでも楽しいカルタです。

 

横川: 国旗の由来や、首都、有名なもの等の豆知識が絵札に書かれていて、カルタをするうちに、息子は世界の国々に興味を持つようになりました。地図や地球儀を見て、どこにどんな国があり、どんな気候で、どんな人々が住んでいるのか、よく思いをめぐらせています。

 

また、私たちが住む横浜では、世界の国々をテーマにしたイベントがよく行われるので、息子と一緒に出かけています。以前行ったアフリカンフェスティバルでは、見たことのある国旗がたくさん飾られていることに息子が大興奮でした。フェアトレードの話や、飢餓、砂漠化の話等もできて、とても良い機会になりました。

おみやげを1つ買ってあげる

と言ったら、レソトの帽子のミニチュアを私のために選んでプレゼントしてくれました。私の大切な宝物です。

2.レソト帽

▲アフリカンフェスティバルで息子に買ってもらいました。大切に玄関に飾っています。

横川: 私は、英語保育がある保育園で勤務していたことがあります。

 

園でのプログラムの練習を兼ねて、息子に英語を教えてみようと思い、実践していた時期がありますが、少し大きくなってくると、嫌がるようになったので、今はとりたてて、「英語を教える時間」は作っていません。私が英語に興味を持ったきっかけが音楽だったように、息子も、私が聴いている音楽から、自然に英語を吸収しているようです。

小さい頃に行っていた英語の語りかけ
小学校入学後「お母さんがやってたのはこれか!」と気付いてくれたようです

横川: 小さい頃に話しかけていた英語を小学校になっても覚えていてくれていたようです

息子はポケモンが大好きなのですが、ポケモンの名前や技の名前には、英語や外国語に由来するものがたくさんあります。それをきっかけに

○○は英語でなんていうの?

△△っていう英語は日本語で□□って意味?

など、質問してくることも増え、きっかけはいろんなところにあるのだなと実感しています。

 

小学校で英語の時間が始まり、やっと

お母さんがやってたのはこれか!

と気づいてくれたようです。小さい頃に話しかけていた英語はすっかり忘れてしまったかと思っていたのですが、昨年、英語の時間があった日に

先生の英語はお母さんの英語となんか違ってた

と言ったので、驚きました。学校の英語の先生は、英国の方で、私のアメリカ風の英語と違って聞こえたようです。うっすらでも覚えていてくれたことを、とてもうれしく思いました。本人に興味がないように見えても、聞かせること、触れさせることには意味があるのかなと思えた出来事でした。

 

「イブラ・ワ・ハイト」のメンバーとしてシリアの女性たちの自立のお手伝いをしています

−−Glolea!なママである、横川香織さんが最近注目しているサービスはありますか?

 

横川:私は、イブラ・ワ・ハイトというグループのメンバーとして、微力ながら、シリアの女性たちの自立のお手伝いをしています。

▲イブラ・ワ・ハイトの活動を一緒に行っている、イブラガールズ

▲イブラ・ワ・ハイトの活動を一緒に行っている、イブラガールズの皆さんと。ワークショップで、息子とくるみボタンを作りました。

活動に参加するきっかけとなったことを少しお話ししたいと思います。

 

私は、息子の小学校入学をきっかけに、ミシンを買いました。大量の袋物を作るためです。始めてみるととても楽しく、しかも、息子が寝た後に、どこにも出かけずにできるので、私にぴったりな趣味だと気づきました。完成したのが嬉しくて、写真をFacebookにのせていたら、大学時代のサークルの先輩であり、イブラ・ワ・ハイト発起人の志内優子さんが

刺繍を使った試作をしてみませんか?

と声をかけてくれました。

3. イブラ・ワ・ハイト刺繍とフライヤー

▲こちらの刺繍はティアマートという女神様だそう。髪型や表情が、刺繍ごとに違っています。大きめの刺繍には、製作者のサインの刺繍が入っています。

イブラ・ワ・ハイトは、アラビア語で『針と糸』という意味で、長引くシリア紛争で生活基盤のすべてを失いつつある女性たちに『針と糸』で収入の道を開くプロジェクトです。

 

家を失って避難している人、危険な国内に残っている人、いろんなメンバーがいますが、困難な状況下でも、自分の手で生活の糧を得たい、そんな女性たちの姿に心を打たれました。私自身、一人で子どもを育てることになったとき、生活費を稼ぎたい、自立したいという気持ちがとても大きくありました。辛い、悲しいという思いよりも、この子をなんとか養いたいという気持ちが大きく、そのおかげで強く生きて来られたのだと思います。

 

シリアの女性たちの思いが、その時の自分の気持ちに重なるような気がしました。そして、何よりも、志内さんに見せてもらった刺繍がとてもかわいらしく、それでいて、手に取ると、強い思いが伝わってくるようで、とても心惹かれたので、ぜひ、参加させてくださいとお願いしました。

 

キャスケットやクラッチバッグ、ワインボトル用トート等、何点か、試作品を作りました。

6.試作品クラッチバッグ(持ったところ)

イブラ・ワ・ハイトの試作品クラッチバッグ

▲この鳥の刺繍はとても気に入っていて、試作中から使うのが楽しみで仕方無かったバッグです。これを持って歩いていると、ときどき、素敵な刺繍ですねと声をかけられることがあります。

9.めがねホルダー

▲メンバーが考案しためがねホルダー。とても人気のあるアイテムです。

4.試作品キャスケット

最初に作った試作品の中の一つです。小さな窓から小鳥がのぞいている雰囲気にしたくて、試行錯誤しながら作りました。サイズを間違えてしまって、自分ではかぶれないのが悲しいのですが…

横川: いずれ、シリアやトルコのメンバーだけで、製品まで作れるように、できるだけ簡単で、見栄えがするものを、と、試行錯誤しています。

 

ミーティングやイベントにも、息子を連れて参加しています。昨年は、清泉女子大学の学園祭で、刺繍のくるみボタンのワークショップに参加しました。息子はとても気に入って、2つも作りました。清泉女子大には、イブラ・ワ・ハイトの活動を一緒に行っている、イブラガールズの皆さんがいて、若い女性ならではの視点での商品開発を進めています。学園祭では、現地のメンバーやシリア情勢の紹介等、見ごたえのある展示もありました。

 

その時購入した、ヨルダンのメンバーがデザインした大ぶりのピアス。プロフィール写真でも着用しているものですが、今でもとてもお気に入りです。

 

イブラ・ワ・ハイトで販売しているのは、刺繍そのものだけではありません。大判の刺繍や、刺繍のワッペン等のほかに、刺繍を縫い付けたトートバッグや、メンバーが考案したグラスホルダー等、だんだん種類も増えてきました。

8.くるみボタン(ファティマの手)

▲女性のためのお守り「ファティマの手」の図柄のくるみボタンはお友達へのプレゼント。こんなに素敵な写真を送ってくれました。

横川: くるみボタンは、ちょっとしたプレゼントにも最適で、私もいくつか、プレゼントしました。様々な図柄があるのですが、中でも、私は、ファティマの手の図柄が気に入っています。これは、中東ではポピュラーなモチーフで、女性のためのお守りだそうです。プレゼントしたお友達も、とても気に入ってくれました。

 

支援と言うと、堅苦しいような、何か、特別な人がすることのように思われるかもしれません。

 

確かに、シリアの混迷の前には、私たちの力は本当に微々たるものです。それでも、困っている仲間がいて、私が手助けできることがあるからする、かわいいものがあるから買う、良い意味で気軽な気持ちで、イブラ・ワ・ハイトの活動に関わっていたいと思います。

 

異文化交流や支援活動の先には、私たちと同じ、幸せに生きたい人たちがいて、友達同士助け合うように、その人たちとつながっていたいのです。そして、そんな活動に、息子も一緒に連れていくことによって、自然に、世界のことに興味を持ち、積極的にかかわってくれるのではないかなと期待しています。 

自分から心を開いていくと、新しい世界が開けてくる
声をかけてもらったものにはチャレンジをしたいと思っています

−−横川さんが今、チャレンジしていることもしくは、これからトライしてみたいことはありますか? 

 

横川:子どもが小学生になり、もう少し地域社会と積極的にかかわろうと思うようになりました。

 

私は地方出身 で、大学で上京してそのまま都会に住んでいるので、地域のことをあまり知りません。日中仕事をしているので、ご近所の皆さんやママたちとお話することもほとんどなく、息子のクラスメートのおうちの皆さんもほとんど知らない方々でした。

 

保育園の時は、あまり気にしていなかったのですが、小学校になり、一人で行動する時間も増え、地域のこと、学校のことを知りたいと思いました。ちょうど、昨年はPTAの役員、今年は、学童保育の役員と、自治会の係りがまわってきたので、忙しいながらも、充実した毎日を過ごしています。

 

地域に知り合いも増え、買い物中や出かける時など、知り合いに出会ってあいさつをすることも増えました。自分から心を開いて参加することの大切さを、あらためて感じています

 

イブラ・ワ・ハイトの活動もそうですが、声をかけてもらったことは、できる限り、挑戦してみるようにしています。新しい世界が開けたりもして、自分だけでは見られない景色を見て、知らなかったことを知るきっかけにもなって、とても有意義に思えます。このインタビューも、最初は気おくれしてしまったりもしたのですが、子育てについて、異文化について考える、良いきっかけになり、感謝しています。

オリンピック・イヤーの頃には
息子世代が世界中の人々と気軽に交流できる世の中になりますように

 

−−今後、子育て中のママとして、お子様と共に世界とどのようにポジティブにつながっていきたいですか? お子様との将来の夢などお聞かせください。

 

横川: いつか、息子とシリアに旅行して、刺繍を刺した人たちに会い、あなたの刺繍を使ったバッグ、とても気に入っていますと伝えたいです。世界中が平和で幸せになるように、自分たちにできることはないか、息子とよく話し合っています。 今は、家のことや仕事で手いっぱいですが、いつか、もっと時間を作れるときがきたら、すぐに何かに挑戦できるように、外に向かっていく気持ちは忘れずにいたいと思っています。

 

−−Glolea![グローリア]読者のママ達へのメッセージをおねがいします。 

 

横川:異文化の人といえども、人と人です。分かり合うことが難しくても、認め合い、尊重し合うことはできると思っています。

 

異文化の中で実際過ごしてみることも、子ども達にはとても良い刺激になると思いますが、それが難しいときは、いつか行く海外体験のために、今できることをして、チャンスを最大限に生かせるようにできればいいなと思います。東京オリンピックの頃には、たくさんの外国の方々が日本に来るでしょう。その時は、息子の世代の子たちが、世界の人々と気軽に交流できる世の中になっていますように!

 

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