宿題はオンラインで!?子供達のモチベーションに繋がるアメリカの楽しい宿題
アメリカの小学校事情 vol.2
- 安立淳子(Atsuko Adachi)
- Glolea! サンノゼ学齢期・年の差子育てアンバサダー
今回の連載記事では、オンラインで提出するアメリカの小学生の宿題事情についてお届けいたします。
目次
アメリカの小学校で実施されている
毎週提出の宿題とプロジェクトベースの宿題
現在、アメリカの小学校に通う娘。
アメリカの小学校ではそんなに宿題はないんじゃないか…という私の勝手な思い込みをよそに、娘の学校ではかなりしっかりとした量の宿題が与えられています。
ちなみに、3年生の場合毎週ルーティンで次の3つが課せられています。
▼オンライン提出の宿題:
毎日&毎週の課題
- 1:毎日20分の読書
- 2:i-Ready Math(算数ソフト上での勉強)40分/週
- 3:Reading log(リーディング・ログ)※の提出(Google class roomを活用)
※Reading log(リーディング・ログ):読んだ本のタイトル、作者、リーディングレベルと読んだ範囲を記録すること。
▼アナログ提出の宿題:
5週間ごとに提出するプロジェクトベースの課題
また、プロジェクトベースの宿題は毎回テーマと目的が与えられ、5週間ごとにプロジェクトを提出していきます。
このプロジェクトベースの宿題は基本的には制作物も一緒に提出していくのでアナログベースで提出します。
個人の実力を伸ばす!
アメリカの教育現場でのオンライン課題&宿題の活用法
小学校3年生として全生徒が基本的に学ぶことがベースにありつつも、娘の学校では算数も国語も個人のレベルに合わせた宿題が同時に進められています。
1の毎日20分の読書と、3のリーデイング・ログの提出は紐づいていて、毎日読書した本をリーディング・ログとして提出。
提出されたリーディング・ログをもとにAR(Accelerated Reader:ちょうどいい難易度の本を探すために開発されたプログラム)テストが行われます。
このARテストの結果によって個人のリーディングレベルが数値化されています。本を読み、理解度を問うARテストに一定数合格すると、さらに上のレベルの本を読むことが許されるのです。
学校にもよりますが、娘の学校ではARプログラムが導入されているため、学校に置いてある全ての本にリーディングレベルがラベリングしてあります。
自分が持っている本のリーディングレベルに関しては「RENAISSANCE®(ルネッサンス)」の公式ホームページからリーディングレベルを調べることもできます。
オンラインだからこそごまかしがきかない!?
オンラインを活用した算数の宿題
算数に関しては、3年生で習う
- 掛け算
- 割り算
- 長さの単位
- 面積の勉強
…などをベースに、理解度によってさらに上の学年の問題を解いていくことができるオンラインの宿題ソフトとしてi-Readyというソフトが使われており、5年生までi-Readyを使って理解度の管理や宿題の提出を行うことができます。
勉強した時間もしっかりカウントされるソフトなので、ごまかしはききません。
特にアメリカでは3年生から州の統一テストを春に受けるため、先生も子供たちもやりがいと目的を持って毎日の宿題を進めていくのです。
オンラインでも宿題の締め切りは厳守!
守らないと先生から注意されます
当たり前のことですが、オンラインの宿題であっても、宿題の提出期限は厳守です。
娘のクラスの場合、毎週木曜日までに宿題の入力を進めていくことが課せられており、木曜日の夜9時を目安に担任の先生がチェックをします。
忘れていたり、できていない子は金曜日の朝に先生から注意を受け、金曜日の自由時間を使って宿題をやることになるのです。
オンラインの宿題のメリットは?
子供たちの勉強へのモチベーションに繋がっていく仕組みにあり!?
私自身、毎週金曜日にクラスルームで朝の30分ほどを子供たちとともに過ごしているのですが、見ていると、朝は子供たちは黙々と各自一台づつ与えられたiPadにヘッドフォンをつけて自分の課題をこなしていっています。
正直、日本の授業の進め方に慣れていた私にとっては、若干カルチャーショックが大きく、これは本当に授業なのか…と思うこともありました。
しかし、下の息子のプリスクールの都合で遅れてボランティアに参加する時に、
- クラスルーム全体で生活に密着した列や行(掛け算の仕組み)の発見について話し合う場面
- ボランティアの親によるプログラミング講座
- 同じ学年のクラスと合同で物語について話し合う場面
…などを度々目にし、基本的な学業の理解をみんなで深めていく一面と、個人の実力を伸ばしていく一面を、オンラインも上手に利用しながらうまくバランスをとっているものなんだなと、とても感心しました。
実際、娘も最初はゼロに限りなく近かったリーディングレベルが日々上がっていくことを娘自身が実感し、読書の楽しみや、よりハードルの高い本を読めることの喜びを知ることができるようになっています。
また、算数ではレベルを更新するたびにポイントが加算され、ゲームができるといった仕組みに見事に夢中になり、親が黙っていても宿題をするモチベーションに繋がっているようです。
まとめ:アナログでの勉強も重要だけれど
アメリカ式のオンライン活用の勉強も素晴らしい!
紙を使って文字を書くこと、覚えていくことは基本だと思いますし、アナログな時代に育ってきた私としては、大事にしていきたい考え方、教育のあり方でもあります。
その一方、未来に向かって変わっていくことを恐れず、日々新しいやり方を刷新しているアメリカ式の教育もまた素晴らしいものだなと少し羨ましく思いながら、娘の成長を見守る楽しさを毎日味わせてもらっています。
今回は「宿題はオンラインで!?子供達のモチベーションに繋がるアメリカの楽しい宿題」をテーマにお届けしました。次回はパーティまでが勉強!? 全米50州の学び方から見える子供達の探究心を深めるアメリカの学習法とは?をテーマにお届けします。お楽しみに!
記事をお読み頂きありがとうございました!
みんなの評価: (件)
- 英語絵本
- 親子英語ノウハウ
- リーディング力
- 海外の小学校
- 多読
- 子連れ海外駐在
- 英語学習ゲーム
- 子供の英語教育
- おうち英語
- 海外子育て事情
- 海外赴任
- 英語教育
- フォニックス
- アメリカ子育て事情
- アメリカの小学校
- 英語で遊ぶ
- アメリカ子育て
- 海外子育て
- 英語子育て
- 親子英語
- 英語
この記事を執筆したGlolea!アンバサダー
- 安立淳子(Atsuko Adachi)
- Glolea! サンノゼ学齢期・年の差子育てアンバサダー
- サンノゼ
アメリカジョージア州で高校時代を過ごし、言葉が通じない苦しさ、通じあう喜び、文化や感覚的な違いを肌で感じてきました。教育や文化、友人関係まで、私がかつてこんな風に教えてほしかったこと、今はこんな風に教えているんだという気づきも含め、米国サンノゼでの二人の子育てを通じて実直にリポートしていきたいと思います。