小学生の性教育★スウェーデンの小学校・家庭ではどう教えている?[6〜12歳編]
シリーズ:子どもを狙う性犯罪から自分を守る vol.2

長谷川佑子(はせがわ・ゆうこ/Yuko Elg)
Glolea! スウェーデン子育てアンバサダー

こんにちは! スウェーデン女王認定 認知症専門看護師/Glolea! スウェーデン子育てアンバサダー長谷川佑子です。

 

日本でも感心が高まっている「子どもの性教育」。私は日本及びEUの看護師免許を持ち、現在は、スウェーデンで多くの高齢者と接する看護師として働く2児のママでもある立場にあります。そのため、スウエーデンの教育&子育てというトピックの中でも、特集として「スウェーデンの性教育」「人生100年時代のウェルビーングと教育」についてシリーズとしてお届けできたらと常々思ってきました。

 

今回は、主に小学校に通う6〜12歳のお子様をお持ちの保護者様や学校関係者向けに、
スウェーデンの小学生が学んでいる

スウェーデンの子ども向け性教育・小学生編

  • 性教育
  • 性犯罪予防

についてお届けします。

 

スウェーデンの小学校や家庭では

  • 自己決定とお互いの尊重である『同意』の重要性
  • インターネットとの繋がり方

 について、どのように子どもに教えているかについても具体的な事例も交えてお伝えできればと思います。

目次

「いじめ」「性犯罪」の被害を早期に発見するためにも一人で抱え込まないことを教えられるスウェーデンの子ども達

多感な年頃の子ども達が“乗り越えられない感情”と出会った場合はどうすればよい?

子どもが成長するにつれ、

自分の感情を相手にぶつけることや、思うままに行動することは時として良くない

と学んでいきます。

「いじめ」「性犯罪」の被害を早期に発見するためにも一人で抱え込まないことを教えられるスウェーデンの子ども達

それは「社会性」がついてきたことも証でもありますが、誰かを好きになったり、仲の良い友達を妬ましく思ったり、自分の気持ちを理解したり受け入れるのは難しいもの。

 

さらにそのような気持ちを誰に話していいのか分からないこともたくさん出てきます。

 

感情というのは複雑です。簡単にコントロールできるものではないということを、子どもが知ることは大事です。

 

また、話すことは勇気のいることだけれど、大人に相談してみることでうまく乗り越えられることもあるので、

一人で抱え込まないように

と子どもに教えています。

「いじめ」「性犯罪」を早期に防ぐために大切な信頼できる大人に相談することの重要性。

▲自分の感情がうまく整理できない時は「一人で抱え込まないように」と子どもに教えることは「いじめ」「性犯罪」を早期に防ぐためにも大切なことです。

これはいじめや性犯罪の被害を早期に発見し、子どもにとって大きな心の傷になる前に対応できることも増えてきます。

 

大人でも感情のコントロールは難しいもの。

 

難しいと受け入れて、他の人の知恵を借りることを学ぶことはより快適に生きていくすべかもしれません。

体育授業のあとにシャワータイムがあるスウェーデン
シャワーでカラダを見られることに抵抗がある子はどうする?

自分のカラダをどうしたいかは小学生でも主張して良い

体育の授業でカラダを見られることに抵抗がある子はどうすればよい?

スウェーデンでは、小学3〜4年生になると体育の後にシャワーをするようになります。

 

授業のために着替えをしますが、年齢が進むにつれて着替えただけでは汗のにおいが強くなってくるので、脇の下にデオドラントを使うことも勧められます

 

シャワーは数人が一緒にするところもありますが、カラダを見られることに抵抗のある子どもは個室のシャワーを使います

他者の「感情」や「考え」を尊重する姿勢を小学生から徐々に身に着けていく

人はそれぞれ自分のカラダに対する感じ方違うもの。

 

他の子とシャワーをしても違和感のない子も、とっても恥ずかしい子もいるし、触れられて嫌な部分もいろいろ、という

違って当たりまえ

自分以外の人の感情や考えを尊重することを小学生になったら身に着けることを教えます。

「自分のカラダについては自分で決める権利がある」ことを学ぶスウェーデンの小学生

皆それぞれ、自分のカラダについてどのようにしたいのか主張してよいのです。

 

それは、

自分だけの大切なカラダだから、認められることだ

と子どもは知っています。

「意見を持つ」「自己決定」することが考え方のベースとなっているスウェーデン社会

子どもの意思にいつも耳を傾けて

スウェーデンでは、

  • 意見を持つ
  • 自己決定する

ということは大事なことというよりも、それが全てのベースであるといっても間違えではないでしょう

 

子どもであっても、認知症を患って、はっきりと意思を伝えられない状況でも、何か相手の思いを知る方法を探しコミュニケーションを通して、相手を尊重しながら同意を確認しながら、物事を前に進めていきます

例えば、私が勤めている病院で患者さんが

お薬を飲みたくない

と言ったとしたら、薬の必要性を伝えたり、飲みやすいように工夫します。

 

患者に合ったタイミングを待つということも大事な時もあります。

 

しかし、それでも薬を受け入れない時には、患者の意向を尊重します。

 

もちろん、薬を内服しなかった弊害はあるかもしれませんが、患者の自己決定を尊重するという考えがスウェーデンの医療現場にはあるからです。

 

日常生活の中でも、大人が写真を撮る、誰かに見せる時には子どもの同意を取らなくてはなりません

子どもは大人のものではなく、子ども自身もものだ

ということをスウェーデンでは明確にしています

事例:スウェーデンの小学校ではインターネット・SNSと安全に付き合う方法をどのように教えている?

スウェーデンでは3〜4年生になると、自分の携帯を持ち始める子どもが増えていきます。

 

子どもによって放課後の学童に行かず、帰宅し親と連絡をとって習い事にいく子も出てくる年齢だからでしょうか。

 

娘の学校では、携帯を学校に持ち込むことは許可されていますが、校内は電源を切り、担任が鍵のかかるロッカーに保管しています。

 

自分の携帯電話を持つと、親の見ていないところでインターネットにつながり、多くの情報を目にする機会が増えます

 

学校の授業の中でも

  • ネット上の情報が正しくないこと
  • 危険なことに繋がる情報がたくさん存在すること

を教えています。

 

娘の担任は、胸とおしりが大きなインフルエンサーの画像を例に挙げ

これが本当の姿ではない可能性もあるし、今みんなで見ていると魅力的ものとは思えないかもしれないけれど、インターネットで多くの女性がこのようなスタイルをしていると、これが素敵なものだと錯覚を起こすこともありえる
情報とは冷静に見極めないといけないものだ

と教えていたそうです。

 

さらに、友達とのメールのやり取りやゲームでのチャットでも問題が起きることもいいです。

 

そのような問題を抱えた時や、インターネットで怖いものやおかしなものを見たときには、親や大人にいつでも相談できるような信頼関係をつくることがとても大事ですね。

思春期突入! 第二次性徴期の生理・生殖器の違い・性欲…etc.
スウェーデンの小学校ではどんな性教育をしている?

娘は

4年生の時に生理について学校で話しを聞いた

と言っていました。

 

この時は主に生理の現象と教室の引き出しにナプキンが入っているので、必要な人はそれを使うようにという比較的簡単なものだったようです。

 

ちなみにスウェーデンの学校のトイレは性別によって違うのではなく、全て個室になっており、性別の表示はありません

 

低学年の近くのトイレには立っておしっこをすると床が汚れるので、座ってするように促すポスターがあることも。


6年生の生物の時間では、

  • 生殖器について
  • 二次性徴による男女の体の違い
  • 性欲

などを具体的な言葉と共に学んでいました。

生殖について「自分ごと」として考えられるような授業が行われている

そしてどのように受精するのか、子どもが生まれてくるのかを勉強します。

 

動物の生殖についての学びというよりも、より子ども達が性について身近に感じ、自分達のこととして考えていくことを前提とした授業のようでした。

好きな子と付き合い始める年齢になったら…
性犯罪を未然に防ぐために小学生でも「性交許可年齢」「望まぬ妊娠」についても伝えることを勧められる

5〜6年生になると好意を互いに持つ子どももいて、いわゆる

付き合おう

というようなことが始まる子どももいます。

 

携帯メールでハートマークを送り合ったり、一緒に手をつないで学校から帰ってきたりします。

子どもが異性と付き合い始めたらどうする? 性教育はどうしたら良い?

▲小学生の子どもが“異性と付き合い”始めたらどうする? 性犯罪予防、望まぬ妊娠を防ぐためにどのようなkとおを家族で話しておく必要がある?

この付き合うことについて、以前、職場の同僚と話していた時に、

子どもには早めに法律の「性交許可年齢」のことを話しておいたほうが良い

と勧められました。

 

スウェーデンでは15歳以下は法律で性行為が禁止されています。

 

二人ともが15歳に近い年齢で、同意の上での性行為について罰則はないということなので子どもを性犯罪から守ることを目的とした法律のようです。

 

私は12歳の娘とこの法律の話をきっかけに、

  • 性犯罪が世の中にあること
  • 性行為によって望まぬ妊娠が起こりうること
  • 自分の学びが必要な時期に子どもを持つことで必要な勉強が中断してしまうこと

など。

 

子どもと性についても、さらに将来についても話す機会になりました。

思春期に突入するからこそ
オープンに話ができる親子の信頼関係を大切にしていこう

小学生の子どもへの性教育。大切なのは親子・信頼できる大人との信頼関係。

小学生は低学年と高学年では、カラダもだいぶ違いますし、親との距離も違ってきます。

 

年齢にあった子どもの自律を大事にしつつも、いつでもオープンに話のできる信頼関係を親子でつくっていきたいですね。

 

次回は子どもを狙う性犯罪から自分を守るシリーズ最終回、
vol.3「中高生の性教育★スウェーデンではどうしてる?[12〜18歳編]」をお届けします! お楽しみに。

 

子どもを狙う性犯罪から自分を守る:
シリーズ・バックナンバー

記事をお読み頂きありがとうございました!

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この記事を執筆したGlolea!アンバサダー

長谷川佑子(はせがわ・ゆうこ/Yuko Elg)
Glolea! スウェーデン子育てアンバサダー
ウプサラ

2008年からスウェーデン王国、ウプサラで暮らしています。スウェーデン人の夫、3歳の娘の3人家族。森でのベリー摘み、湖での水遊び…日本とはちょっと違った子育てをしつつ、北欧文化を体験する日々です。 母親も外で働くのが当たり前の国での社会のしくみ、女性たちの生き方もお伝えしたいと思います。

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