学費年500万円の国内インターより英国移住を選んだ理由。3人の子どもの「教育の出口」から逆算した決断
- せいみ(seimi)
- Glolea! グローバル子育てアンバサダー
この記事の要点(3秒でわかる概要)
- 年間500万円近い国内インターと英国教育移住を比較し、我が家がどのように検討したか
- 英語力だけでなく、海外大学・将来のキャリア・人生の選択肢まで見据えて「教育の出口」から逆算した理由
- 国内インター、中学受験、留学、教育移住を比較した結果、英国ケンブリッジへの教育移住を選んだ背景
年間500万円の国内インターか、それとも海外移住か
グローバル教育について調べ始めると、多くの家庭が一度は向き合うテーマではないでしょうか。実は我が家も、かなり真剣に悩みました。
私は16歳、12歳、7歳の3人の子どもを育てています。夫も私も日本で育ち、日本の学校教育を受けてきました。
目次
グローバル教育で大切なのは、英語力だけではない

一方で、私はこれまで外資系企業やグローバルな環境で働いてきました。その中で強く感じていたのは
これからの時代に必要なのは単なる英語力ではない
ということです。
異なる文化や価値観を持つ人たちと協働し、自分の考えを伝えながら新しい価値を生み出していく力。
そのような力こそが、これからの社会でますます重要になると感じていました。
だからこそ、子どもたちの教育について考え始めたとき、国内インターも真剣に検討しました。
実際に説明会へ足を運び、面接も受けました。
それでも最終的に我が家が選んだのは、日本でインターに通う道ではなく、英国ケンブリッジへの教育移住でした。

▲我が家が最終的に決断した地、英国ケンブリッジ。世界最高峰の教育環境が日常のすぐそばにある暮らし
今回は、当時の私が何を調べ、何に葛藤し、なぜその決断に至ったのかをお話ししたいと思います。
我が家が求めていたのは「英語教育」ではなく子どもたちの「人生の選択肢」だった
英国教育移住を選んだ最大の理由

▲語学の習得に留まらず、子どもたちの「将来の可能性(選択肢)」という小さな芽を大切に育てること
我が家が教育移住を選んだ最大の理由は、「英語を話せるようになってほしい」からではありませんでした。
本当に考えていたのは、その先にある子どもたちの人生です。
仕事柄、海外大学を卒業した人たちと働く機会が数多くありました。
しかし、その中には
本当は海外で働きたかったけれど、ビザの問題で日本に戻った
という人も少なくありませんでした。
海外大学だけでなく、その先のキャリアまで見据える

その話を聞くたびに、
海外大学へ進学することがゴールではなく、その先に「海外でも日本でも、自分の意思で働く場所を選べる」という選択肢を持てた方が、子どもたちの可能性はより広がるのではないか
と考えるようになりました。
教育だけでなく、その先のキャリアや人生の選択肢まで見据えて環境を選ぶことが、親としてできることなのではないかと感じたのです。
英語力だけであれば、日本でも身につけることはできます。
しかし、多様な文化や価値観を持つ人たちと日常的に関わりながら暮らす経験や、将来その国で学び、働くためのビザや永住権といった選択肢は、日本に住んでいるだけでは得にくいものです。
私が求めていたのは英語教育そのものではなく、
国内インターを検討して見えてきた現実
国内インターの年間学費と3人分の教育費

もちろん、最初から教育移住を考えていたわけではありません。
長女が年長の頃、国内インターへの進学を真剣に検討していました。
しかし、現実的な壁がありました。
まずは費用です。
有名なインターナショナルスクールになると、年間500万円近い学費がかかることもあります。
我が家は3人の子どもがいます。長期間通わせることを考えると、教育費だけでかなりの金額になります。
英語保育園やプレインターを選びにくかった理由
もう一つはタイミングでした。
私は学生結婚をし、大学卒業と同時に出産しました。
両親からの経済的支援もなく、保育園に預けながら仕事を続け、キャリアを築くことに必死だった時期です。
そのため、幼少期から英語保育園やプレインターに通わせるという選択肢は現実的ではありませんでした。
実際にインターの面接を受けた際も、その時点で英語が話せない子どもたちにとっては決して簡単な道ではありませんでした。
そこで私は立ち止まって考えました。
本当に必要なのはインターなのだろうか。
それとも、別の方法で子どもたちにグローバルな環境を用意できるのだろうか。
「教育の出口」から逆算して考えてみた
国内インター・中学受験・留学・教育移住を比較

▲日本で働くか、海外で挑戦するか。「子どもたちが将来送りたい人生(教育の出口)」から逆算して見えてくる進路の選択肢
そこから我が家は
- 国内インター
- 国際系私立
- 中学受験
- 留学
- 教育移住
など、さまざまな選択肢を比較しました。
その中で私が大切にしたのは、「子どもたちが将来どんな人生を送りたいか」という視点でした。
日本で学び、日本で働く人生も素晴らしい選択です。
一方で、海外で学び、そのまま海外で働いたり起業したりする人生もあります。
もし子どもたちが後者を選びたいと思ったとき、どのルートが最も選択肢を広げられるだろうか。
教育費・生活費・移住コストまで試算した結果
そう考えながら、
- 教育費
- 生活費
- 移住コスト
まで含めて試算を重ねました。
試算して分かったのは、未就学児の段階での自費移住は保育料が非常に高く、現実的にはかなり難しいということでした。
また、海外赴任という選択肢も検討しましたが、帯同する配偶者が働きにくいケースもあります。我が家は夫婦ともにキャリアを大切にしたかったため、その点も大きな課題でした。
さらに、海外赴任は期間限定であることが多く、永住権や子どもたちの将来の進路には必ずしもつながりません。
そう考えると、
- 自費移住 もしくは
- 海外支社への転籍
のどちらかが現実的だという結論になりました。
教育移住のタイミングは「末っ子の小学校入学」と「長女の高校進学」
そして、
- 末っ子が小学校に入学するタイミング(保育料が不要になるため)
- 長女が高校進学を迎えるタイミング(長期留学を決めなくてはならない時期のため)
を最終期限として、教育移住に向けて準備を進めることにしたのです。
我が家が検討した、国内インターと英国教育移住の比較ポイント
| 国内インター (日本に住みながら) |
英国教育移住 (家族で英国へ) |
|
|---|---|---|
| 費用 | 学費 年間〜500万円 生活費は現状のまま |
学費+生活費+移住コスト 家計全体での試算が必要 |
| 我が家の場合 | 学費・教育費は大幅に下がり、家賃で生活費は上がったものの、トータルの支出は減少。 移住にかかった費用は約1,500万円 |
|
| 英語環境 | 学校の中だけ 帰宅後は日本語の生活 |
生活のすべてが英語 多文化環境に日常的に触れる |
| 進路 | 海外大学への準備 進学は選択肢のひとつ |
進学+現地キャリアまで 現地社会とのつながりが持てる |
| 家族の生活 | 今の生活を変えない 仕事・住まいはそのまま |
住む場所も働き方も再設計 家族全員のライフプランに関わる |
| 検討事項 | 中学受験との両立 入学時の英語力もハードル |
ビザ・永住権・将来の進路 長期の見通しが前提になる |
| 向いている家庭 | 日本の生活基盤を保ちつつ、グローバル教育を取り入れたい家庭 | 家族の暮らしごと海外に移す覚悟があり、長期プランを描ける家庭 |
中学受験と英語学習を同時に進める負担
途中で国内インターへの転校も検討しましたが、中学受験と英語学習を同時に進める負担を考えると、まずは日本で学力の土台を作り、その後グローバル環境へ移行する方が我が家には合っていると判断しました。
また、毎年インターの学費を払い続けるのであれば、その資金を将来の教育移住資金として積み立てた方が合理的だとも考えました。
ちなみに、将来の移住に備え、長女は国際系の私立中学を受験しました。
英語環境に慣れておけば、将来留学や移住になったとしても適応しやすいと考えたからです。
こうして我が家は、「教育の出口」から逆算した結果として教育移住を選びました。
移住して気づいた「環境」の大きな力
英国で感じた、多様性が日常にある環境

▲英国ケンブリッジでの暮らし。夕方、広場で遊ぶ息子と末っ子
実際に英国へ移住して感じているのは、教育とは学校だけで完結するものではないということです。
街を歩けばさまざまな国籍の人がいます。学校には異なる宗教や文化を持つ子どもたちがいます。
多様性が特別なものではなく、ごく自然に存在しています。
子どもたちは毎日の生活の中で、「違うことが当たり前」という感覚を身につけていきます。
これは日本にいた頃にはなかなか得られなかった経験です。
教育に正解はない。でも親にできることはある
国内インターも教育移住も、正解は家庭ごとに違う

私は教育移住が正解だとは思っていません。
国内インターから海外大学へ進学し、世界で活躍している人もいます。
日本の私立校にも素晴らしい学校がたくさんあります。
大切なのは、「どの教育が優れているか」ではなく、「わが子に合っているか」だと思います。
我が家もケンブリッジへ移住してまだ半年ほどです。
しかし、子どもたちが以前より自然体で過ごし、自分らしく挑戦できるようになった姿を見ると、環境が人に与える影響の大きさを改めて実感しています。
私は、
人は環境によって大きく変わる
と思っています。
わが子に合う教育環境を見つけるために
もちろん本人の努力も大切です。
しかし、その努力が実りやすい環境もあれば、自信を失いやすい環境もあります。
だからこそ親にできることは、「正解の教育」を探すことではなく、その子が自分らしく成長できる環境を見つけることなのではないでしょうか。
国内インターか、教育移住か。
その答えは家庭ごとに違います。
大切なのは周囲の評判や流行ではなく、わが子自身をよく見ること。そして、「どんな人生を歩みたいのか」というゴールから逆算して教育を考えることだと思います。
我が家の経験が、同じように悩んでいるご家庭にとって、一つの参考になればうれしく思います。
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3児の母。大学卒業と同時に第一子を出産し、子育てとキャリアの両立に邁進してきた。 企業成長支援、インパクト投資、ESG分野での経験を持つ。発達特性のある子どもたちやASD特性のあるパートナーとの暮らし、英国への教育移住を通して、多様な家族のあり方やグローバル子育てについて考え、現在は家族のコミュニケーションを支援するAI開発に取り組んでいる。