世界標準の教育&欧米名門校の教育をアジアで! 今、海外「ボーディングスクール」留学する意義とは?
- Glolea! [グローリア]編集部
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グローバル・AI時代到来!世界で通用する英語力&スキルを育む学校とその選び方特集[前編]では、英語で学ぶ本格的なグローバル教育の“日本国内”の動向として、「ボーディングスクール(寮制の寄宿学校)」に今注目が集まりはじめている理由を探りました。
目次
- 欧米名門ボーディングスクール分校のアジア開校ラッシュ! グローバル・AI時代に備えた各国の教育事情
- 自宅から通学も選択可能! ボーディングスクールにおける3つの通学形式とは?
- 次世代のトップ・リーダーとなる文武両道に秀でた人物の育成を行う「ボーディングスクール」
- 世界を舞台に活躍するグローバル・リーダーを輩出し続ける 「ボーディングスクール」の校長が大切にしていること
- 世界の生徒と共にボーディングスクールで学ぶ現役高校生の声
- ボーディングスクールを卒業後 グローバルに活躍する社会人ママは子供の教育をどう思っている?
- 欧米名門校の教育をアジアで!今、海外「ボーディングスクール」留学する意義とは?:まとめ
- [特集]グローバル・AI時代到来!世界で通用する英語力&スキルを育む学校とその選び方
欧米名門ボーディングスクール分校のアジア開校ラッシュ!
グローバル・AI時代に備えた各国の教育事情
前回お届けした特集[前編]今、ボーディングスクールに注目が集まる理由…英語で学ぶ本格的なグローバル教育の国内動向でもお伝えしたとおり、今、日本では来る時代に向けて教育におけるグローバル化や変革が始まりつつあります。
しかし、この教育改革の波が押し寄せているのは日本だけではありません。
実は、アジア各国では英国、米国などの欧米名門校・伝統校・国際バカロレア(IB)校の進出を戦略的・国策として受け入れ、世界中の子供達が次世代に備えた高度な学びを享受できる設備を整えた学校の設立を推し進めています。
今や、国際都市と変貌を遂げたタイ・バンコク。チャーチル英国首相、ネルーインド首相をはじめ、世界を代表する指導者、学者、アーティストを多数輩出する400年以上の歴史を持つ英国名門校ハロウ校の分校であるHarrow International School Bangkok(ハロウ・インターナショナルスクール・バンコク)をはじめとし、グローバル志向な学校の選択肢が数多くあります。2022年8月にハロウスクールは岩手県八幡平市に安比校が設立され日本でも話題です。
アジア屈指の国際都市国家であるシンガポールにも、世界に変革をもたらすチェンジメーカーを生み出す学校が続々と立ち上がっており、400年の歴史を持つ英国の公立校であるDulwich College(ダリッジ・カレッジ)も2013年にシンガポール校を開校。2018年からは世界標準の教育として知られる国際バカロレア(IB)ディプロマプログラムが開講されます。
世界各国の企業が拠点を増やし、グローバルビジネスの急先鋒となりつつマレーシアにも、国際バカロレア(IB)認定校をはじめとし、グローバル人材を育てる最先端の教育環境を備える学校が急増中です。例えば、170年の歴史を持つイギリス屈指の名門校でキャサリン妃が卒業したことでも知られているMarlborough College(マルボロ・カレッジ)は、国際バカロレア(IB)ディプロマプログラム認定校として2013年にマレーシア・ジョホールバルに分校を設立したことも大きな話題となりました。
…上記のように、アジア各国では欧米名門校の分校や国際バカロレア(IB)認定校など、本格的なグローバル・AI時代に向けて世界で通用する英語力&スキルを育む国際性の高い学校が躍進しています。
これらの学校は、
- 小学生から受け入れ可能な学校
- 中高一貫の6年制の学校
- 中学3年生〜高校3年生までの4年制の学校
- 高校1年生〜3年生までの3年制の学校
…等、様々な受け入れ方式にてアジア及び欧米諸国…等、世界各国からの留学生の受け入れを積極的にすすめています。
※小学生から受け入れ可能な学校の中には、小学1年生から入学の学校だけでなく高学年の年齢からが入学受け入れ開始のボーディングスクールもあります。
また、寮を完備する欧米名門校のアジア分校や、インターナショナルスクールの中には、日本では実現するのが難しいほどの広大な敷地の中に、驚くほど充実した大学の研究施設としても通用するレベルの最新設備をそなえ、各教科の講師も厳しい選抜を経て採用され経験豊かで優秀。
それでいて欧米や日本の同等の学校比べるとリーズナブルな学費も大きな理由となり、世界各国の教育熱心なファミリーを惹きつけています。
自宅から通学も選択可能!
ボーディングスクールにおける3つの通学形式とは?
ボーディングスクール(寮制の寄宿学校)というと全員が学生寮に入るイメージを持たれる方も多いかと思うのですが、実は、通学スタイルはそれ以外にもあります。
- フル・ボーディング:
=平日だけでなく、週末まで全てを学校併設のボーディング・ハウス(寄宿舎)で寮生として暮らしながら学校生活をおくる
- ウィークリー・ボーディング:
=平日は寮生としてボーディング・ハウス(寄宿舎)で暮らしながら学校に通い、週末は自宅に戻り家族とともに過ごす
- 通学生:
自宅から通学生(Day pupil/Day student)として学校に通う
ボーディングスクールは、基本的に上記3つのスタイルから通学形式を選ぶことが可能です。
住宅街から遠くはなれた郊外に位置するボーディングスクール(寮生の寄宿学校)の中には、全寮制のフル・ボーディングの生徒のみを募集していることもありますが、都市部や市街地近くに位置するボーディングスクールの場合は、ウィークリー・ボーディングだけでなく、自宅から通える生徒は、スクールバス等の交通手段を利用し、自宅からの「通学生(Day pupil/Day student)」として学校に通う学生さんも多くいます。
海外からの単身留学生の多くは、フル・ボーディングを選択し全寮生活を送ります。
なお、近年では親子留学型・母子留学型でボーディングスクールを目指すファミリーも増えており、学校付近に居を構え、数年間の“教育移住”を行い、週末は家族で過ごすウィークリー・ボーディングや、海外の自宅から通学する留学生も見受けられます。
次世代のトップ・リーダーとなる文武両道に秀でた人物の育成を行う「ボーディングスクール」
各ボーディングスクールが掲げている教育理念や教育目標は様々ですが、多くのボーディングスクールはいずれも次世代の社会のトップ・リーダーとなる文武両道に秀でた人物の育成…全人教育に力を注いでいます。
国際性・多様性の高い世界の縮図のような環境の中で、経験と実績を兼ね備えたプロの専門教師の元で幅広い知識と教養を身に着け、思考力・表現力が重視される各科目の勉強に集中できることはもちろんのこと、スポーツ・芸術・地域の社会貢献活動なども充実しており、整備された学内専用設備も利用しながら多種多様な経験を積めることは、海外ボーディングスクールへ進学する大きなメリットです。
また、フル・ボーディングの学生は、世界中から集まった留学生だけでなく教師とも寮やキャンパス内で共同生活を送るため、マナー、礼儀、生活習慣、自立性・協調性・社会性・コミュニケーション…など、24時間体制で共同生活を通じた成長の機会を得ることができます。
世界を舞台に活躍するグローバル・リーダーを輩出し続ける
「ボーディングスクール」の校長が大切にしていること
世界を舞台に活躍するグローバル・リーダーを輩出し続けている「ボーディングスクール(寮制の寄宿学校)」。全人教育における最適な教育環境として知られているため、欧米では高度な教育を享受できるとして一目置かれる存在です。
国際機関の本部が集中していることなどから世界の子供達が集まるスイスの中でも最も古い伝統校であり、世界の王室のプリンス・プリンセスも学ぶ名門ボーディングスクール「Collège Alpin Beau Soleil(コレージュ・ボー・ソレイユ)」校長 ケビン・フォイル氏は、これからの時代を見据え、学校が教育として何を大切にしているかこのようにコメントしています。
今の時代、ただ指示するだけのリーダーは十分でありません。協力し会う関係が必要です。
今やコンピューターを使えばすぐに情報を得ることができます。
私達の学校では得た情報をどう使えばよいかそのプロセスを教えます。
広い世界に出た時に必要となる
- 独創性
- 批判的思考
- 分析的思考
- 関係の築き方
- コミュニケーションの取り方
…など、そのスキルを教えます。
世界が急速に変化する中これらのスキルは彼らの礎となります。
世界に適応する力 柔軟に対応する力を身に着けてほしいと思っています。
− スイス名門寄宿学校「Collège Alpin Beau Soleil」校長 ケビン・フォイル
出典:NHK 2018放映「まるで映画のよう!名門寄宿学校ってどんなところ?
日本では、詰め込み暗記型の偏差値遍重教育が長く行われてきたため、インターネット・パソコン・スマートフォンが普及し、いつでもどこでもすぐに情報を得る事ができる時代に突入しても、未だ「頭の良さ=記憶力がよくテストで高得点が取れる暗記能力が高いこと」とされている部分があります。
しかし、今、次世代を見据えていち早く教育改革を行っている各国の学校は、伝統的な教育に縛られることなく、来るべき時代に向けてカリキュラムを柔軟に変革させています。
そして、生徒達が知識や情報を活かしながら、人間にしかできない能力、その人らしさを活かして社会に貢献できる人材育成を目指し、出身国や文化へのアイデンティティを育みながらも、広い世界を自分の活躍できるフィールドととらえ行動できるような力を育む次世代の世界をより良く変革するチェンジメーカー育成に力を注いでいるのです。
世界の生徒と共にボーディングスクールで学ぶ現役高校生の声
では、実際に現役で留学生としてボーディングスクールで学ぶ子供達は、インターナショナルな環境に浸って学ぶ教育をどのように感じているのでしょうか。
日本の公立小学校卒業後、英語力ゼロの状態で中学1年生から3年間マレーシアのジョホールバルへ母子教育移住。ボーディングスクールへ通学生として留学後、高校1年からは単身でクアラルンプールの国際バカロレア(IB)認定校のボーディングスクールに、フル・ボーディングの寮生として、世界各国の生徒たちと共同生活しながら学ぶ清川さん(高校3年生)はこう語ります。
日本にいた頃は、シャイで引っ込み思案だったんです。誰とも話したくない…というくらい人見知りでした。
しかし、今では世界各国の友達みんなから日本人離れしているね! と言われるくらい、フレンドリーで積極的になりました。
学校では、みんなフレンドリーですし、プレゼンを通じて人前で発表する機会も多い。引っ込み思案な自分では到底やっていけないんです。
みんな違って当たり前のインターナショナルな環境で、様々な人達と出会い、英語・日本語両方の言語を自分のものにしたことで、人生の選択肢が本当に大きく広がったと実感しています。
日本しか知らなかった僕と、世界各国の友達がいて、積極性を身に着け、視野も行動範囲も世界へと広がった自分を比べると、断然今の自分が好きです。
クアラルンプールの国際バカロレア(IB)認定校のボーディングスクールに、フル・ボーディングの寮生として学ぶ、清川さんの同級生のゆうさん(高校3年生)もこのように語ります。
施設の良さや、実際の授業の様子、色々な国から来ている生徒さんの様子などを総合して、現在の学校に入学を決めました。宿題も多いですし、入学当初は、英語も全然わからなかったので、宿題も何が宿題かもわからないくらいで、とにかく先生に聞きまくっていました。
しかし、選択できる授業のオプションもたくさんあって、好きな授業を大学のように単位制で取ることができるので、とにかく授業が楽しいです。
ボーディングスクールを卒業後
グローバルに活躍する社会人ママは子供の教育をどう思っている?
ボーディングスクール(寮制の寄宿学校)を卒業し、現在、グローバルな感覚と語学力を活かして活躍する社会人ママ達は、インターナショナルな環境で学んだことや、ご自身の子育て、これからの教育をどのように考えているのでしょうか。
中学2年生(13歳)からイギリスのボーディングスクールで学んだ2児の母でもあるSさんはこのように語ります。
私は世界各国の子女が学ぶイギリスの全寮制ボーディングスクールで、13歳から高校卒業まで学びました。
13歳ではじめて親元を離れて、ボーディングスクールでの生活が始まったのですが、入学当初から、これまでどれだけ親が色々なことをやってくれていたのかと思い知るような出来事がいっぱいでした。入学時に用意する制服でさえ「これからは、こういうものも全て自分で取りに行かなければならないんだ!」とビックリしたことは今でも鮮明に覚えています。
これまで「当然、親が用意してくれるもの」と思っていた全てが当たり前ではないと気付き、自立して生きることの大変さを思い知ると共に、親への感謝の気持ちが自然と湧いてきました。
ボーディングスクールでの日々はとにかく忙しかったです。
勉強するのは当たり前。ただ、成績さえ良ければ良いという環境ではありませんでした。
音楽、スポーツ、ダンス、語学…様々なことにチャレンジできる環境の中で、人生を豊かに生きるためのスキルや人格形成を様々な形で学ぶことができたと感じています。
全寮制の学校だったため、全員がフル・ボーディングしている環境でしたので、学校でも寮でもずっと友達と一緒。まるで、学園モノの小説のような…あのままの世界がそこにあるのです。13〜18歳まですごしたボーディングスクールは女子校だったのですが、常に、姉妹がいっぱいいるような感覚でした。
社会人になると同業者との出会いが増え、狭い世界に入っていくので、学生時代に世界各国の多種多様な良い友達と出会えたことは素晴らしい経験だったと思います。
同級生には、各国ビジネスで活躍している人もいれば、映画に出演していたり、オーケストラの奏者になった人々もいます。
多様な友人と学び、出会い、今でも繋がっていることは私の人生を豊かにしてくれていますし、その頃には知らなかったその人自身のバックグラウンドを大人になってから知り、驚くこともあり面白いです。
今、イギリスではロンドンに住む共働きの夫婦を中心に人気が出てきているのは、ウィークリー・ボーディングというスタイルです。
平日は寮から学校に通い、休日は実家に帰ってくるというスタイルなのですが、子供を持つ親として、日本でもインターナショナルな環境で学べるこういったウィークリー・ボーディングタイプの学校ができたら理想的だと思います。
高校2年生の9月からニューヨーク州にあるボーディングスクールに、通学生として入学。卒業後はアメリカの大学に進学し、現在外資系金融機関に務める3児の母である水谷さんはこう語ります。
父のアメリカ駐在のため、ニューヨークにあるボーディングスクールに通学生として入学しました。英語力ゼロの状態で渡米したため、入学当初は大変で非常に苦労しました。特にシェークスピアなど1週間に2冊づつ読んで英語でディスカッションする授業は大変で、徹夜で準備し授業に挑んだことも多々ありました。
夏休みには様々な学校のサマースクールに参加し、期間限定で寮生活を楽しみました。
ボーディングスクールの学生寮は「まさに世界の縮図!」という感じで、360度全てが学びになる刺激的な環境でした。
特に、世界の歴史、日本の歴史。様々な解釈がある中で、各国の生徒が一同に会している環境だからこそ、様々な立場からの歴史観をリアルに知ることができたり、現代社会においてどのように過去が影響しているのかということ、各国の視点からみる日本をリアルな手応えとして学べたことは貴重な経験です。多感な年頃に、世界中の生徒と共に学んだ経験全てが、私のそれ以降の人生にも大きな影響と広がりを与えてくれています。
私自身、ビジネスの現場では、日本語・英語両方使う立場にありますが、これからのAI時代、自動翻訳機の性能は急速に良くなっていくことが予想されるため、日英バイリンガルという強みは、今後、今より重要でなくなるかもしれません。
しかし、相手の表情を読み取りながら「こういう時にはこういうニュアンスの言葉を使うほうが良好な関係を築けるしスムーズ」という感触を持てるのは人間ならではの感覚なのではないかなと思います。
このようなAIにはない人間ならではの感覚を育むためにも、バックグラウンドが違う人たちが集まるインターナショナルな環境、多文化の世界にどっぷり浸かることにより育まれる人間力や、コミュニケーション力、その人ならではを形成するユニークな経験は、より一層重要になってくるのではないかと思います。
私はアメリカの高校・大学を卒業しましたが、3人の子供を持つ親として子ども達に願うのは、これからの時代を見据え、多様な文化・バックグラウンドを持つ人々を理解し、将来仕事の機会を自ら切り開くためのコミュニケーション力や考え方を体得すること。人と違ったユニークな経験を糧に自分らしく良い未来への道を歩むために自ら決断できる力を蓄えることが重要だと思っています。
子供の進路選択の一つの可能性として興味を持っているのは、アジアのハブとなっているタイにあるバカロレア(IB)認定校ですが、日本でも、欧米や他のアジアの国々でも、世界どこの国であっても、進学やビジネスのフィールドは子供達自らが国や場所を決めて、自らの意思で自分の進むべき道を決めてほしいと思っています。
欧米名門校の教育をアジアで!今、海外「ボーディングスクール」留学する意義とは?:まとめ
いかがでしたか? 今回は、日本だけでなくアジア各国でも「ボーディングスクール(寮制の寄宿学校)」の注目度が高まっている理由や、ボーディングスクールに現役で在籍する生徒達&卒業生のインタビューをお届けしました。
次回お届けする[後編]では、グローバル志向にお子様の進路を検討中で、海外・国内双方の可能性を天秤にかけて準備されているファミリーのための、世界で通用する英語力&スキルを育む学校選びのための「情報収集の流れ」と「チェックポイント」をお届けします。お楽しみに!
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