オンラインを活用した遠隔授業「オールディスタンスラーニング」で始まったアメリカの新学期
[世界のコロナ対策&オンライン学習事情]

安立淳子(Atsuko Adachi)
Glolea! サンノゼ学齢期・年の差子育てアンバサダー

世界中でパンデミックを起こしている新型コロナウイルス(COVID-19)。

 

私達親子の住むカリフォルニア州は感染者が突出して多い州でもあるため、州内は2020年3月17日からSIP(Shelter In Place/自宅待機)生活が続いています

SIP(Shelter In Place/自宅待機)が続くアメリカ・カリフォルニア州

▲夏休みを過ぎ、新学期が始まっても3月からのSIP(Shelter In Place)により不要不急の外出は控え、基本的に、外出禁止状態が続くアメリカ・カリフォルニア州。

新学期もオンラインを活用した遠隔授業が続くカリフォルニア州

カリフォルニア州の子供達はずっと学校にいけない日々のまま、夏休みに突入していましたが、州内全ての学校では新学期も「オールディスタンスラーニング(全ての子供達がオンラインを活用した遠隔授業に参加)」のスタイルから始まりました

 

そんな中、我が家の2人の子供達はそれぞれ

  • 姉:5年生
  • 弟:キンダーガーテン

に進級しました。

コロナ禍:アメリカの幼稚園のオンラインを利用した遠隔教育の教材ファイル。

▲キンダーのファイル。1週間に1度、ドライブスルーで学校まで受け取りに行きます。1週間分の教材や工作の材料が入っています。

コロナ禍での学校再開までの道のり

新学期に先立って、8月上旬にビデオ会議システム「Zoom」で校長先生による学校再開までの道のりについての説明会がありました。

コロナ禍における遠隔授業のルールが書かれた資料。

▲コロナ禍における遠隔授業のルールが書かれた資料。

現地での学校教育は4つの段階を追って再開へ

全ての子供達を安全に教育の場に戻すため、まずはフェイズ1からフェイズ4までの段階を追って教育が再開されることについての説明会です。

 

また、基礎疾患のある方や年配の方などハイリスクな家族と同居している家庭や、他者と接触するリスクを最小限に抑えたいと考える家庭においては、年間を通してオールディスタンスラーニングの形を選択することも別途可能になっています。

 

アメリカの学校はディストリクト(学区)ごとに方針が全く変わってくる上に、カリフォルニア州は特にCOVID-19の感染者が突出して多い州でもあるため、他の州の方針とは大きく異なってくるかもしれませんが、私達の住むエリアのディストリクトでは次の4つのフェイズを経て通常の学校生活に戻ることとなりそうです。

フェイズ1:
オールディスタンスラーニング

全ての子供達は学校から提供されるオンラインでの学習をしながら通常の学校のスケジュールにのっとり学習を進めていきます。

フェイズ2:
ハイブリッドA

「対面授業」と「ディスタンスラーニング」のミックススタイルでの学習です。

 

クラスを少人数のグループ(Cohortsと呼びます)に分け、

  • 週2日:対面授業
  • 週3日:ディタンスラーニング

で学びのスケジュールが組まれます。

フェイズ3:
ハイブリッドB

全ての生徒は週に5日

  • 午前中:対面授業
  • 午後:ディスタンスラーニング

というスケジュールで学習します。

フェイズ4:
従来の学校生活の再開

フェイズ4は従来の学校生活の再開です!

 

フェイズの移行には州政府が公表する新型コロナウィルスに関する重点監視郡のリストから外れて2週間以上が経過していることが必要となります。

フェイズ1からスタートした私達家族の新学期

さて、フェイズ1のオールディスタンスラーニングにて新学期が再開した我が家の子供達です。

コロナ禍におけるキンダーの再開

コロナ禍:アメリカの幼稚園のZoomを使ったオンライン教育

▲自習中の息子です。ズームはChromebookで聞いていますが「Epic!」に関しては家庭のデスクトップで読んでいます。

キンダーに入学した長男は担任の先生による面談もZoomから始まりました

  • 名前&年齢が言えること、かけることのチェック
  • アルファベットと数字、簡単な言葉を読めるかどうかのチェック

を経て、無事にクラスと担任の先生が決定しました。

学校から配られたコロナ禍におけるオンライン授業の月別スケジュール。

▲学校から配られたキンダーの月別スケジュール。

コロナ禍のアメリカのキンダーの毎日の宿題・課題

コロナ禍における小学校の再開

コロナ禍:アメリカの小学校のZoom&Google Classroomを使ったオンライン教育

▲この日はダイニングテーブルで授業を受けることを決めた長女。息子の授業は私も一緒に聞いているので、娘はヘッドフォンで音が出ない状態にしています。

現地の小学5年生に進級した長女は仲の良いお友達と同じクラスになり、気持ちの上では不安のないスタートを切ることができました。

学校から配られたコロナ禍におけるオンライン授業のキンダー(幼稚園)の新学期スケジュール。

▲5年生の娘の新学期スケジュール

ディスタンスラーニングでは新しく以下の4つの学びの定義も設けてその学びをサポートしています。

1.Synchronous

いわゆる「ライブ授業」となります。

 

子供達の学校ではZoomが使われていますが、学校によってはGoogle Meetなどを活用するところもあるようです。

2.Asynchronous

既存のプラットフォームを使った授業になります。

で課題をアップする学びの形です。

3.Direct instruction

ライブを含めた

  • 動画
  • 教育ビデオ
  • 記述された指示書

などで先生から指導を受けることです。

4.Feed back

  • 個々及び少人数グループ内での面談
  • プラットフォームに掲出された課題へのフィードバックコメントをもらう

ことです。

オンラインによる遠隔教育が続くカリフォルニア州の家庭の準備の様子

▲オンラインによる遠隔教育が続くカリフォルニア州。我が家では、家のどこにいても勉強ができるよう、既存のワゴンを使って1人ずつ勉強に必要な道具や材料を載せて準備しました。

子供達の様子

5年生の長女に関しては、この半年でオンラインやプラットフォームを使った学びにも慣れ、Googleスライドを親も驚くほどのテクニックを駆使して作成したりと学習面についてはほぼ心配がない状態です。

 

1年半現地校で学べた経験やお友達との交流も現在の長女を助けてくれているようです。

 

朝は8時半にZoomに入り、何回かの休憩時間を挟みながら午後2時には課題も提出して自分の時間を持てているようです。

コロナ禍:アメリカの小学校のZoom&Google Classroom&Seesawを使ったオンライン教育

▲女の宿題は全てGoogle Classroomに掲示してあります。宿題が提出し終わり、先生のチェックが終わるとSeesawを通して本人と親にフィードバックがきます。

ただ、この半年ほぼお友達との直接的な交流がないことが娘にとってはとても寂しいようで、早く学校が再開してほしいと毎日のように言っています。

 

一方で、キンダーガーテンに入学した長男は大変です。

 

今までプリスクールで遊んで愛されて甘やかされてきた長男にとって、初めての学習の場がオンラインで行われるのですから当然かもしれません

 

とりあえず30分のライブ授業を3コマ分、座って聞いていられるだけでもよかったと思いたいですが、Zoomを知らないうちにアンミュートにする。

いつ終わるの?

お腹すいた

の連発に親は疲労困憊です。

 

丸2年アメリカにいると言ってもまだ5歳児。

 

日本語はずいぶん上達したものの、英語に関してはヒアリングはほぼできても正しい形で会話することはまだ難しい状態です。

 

今回は「オンラインを活用した遠隔授業「オールディスタンスラーニング」で始まったアメリカの新学期」についてお届けしました。

記事をお読み頂きありがとうございました!

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この記事を執筆したGlolea!アンバサダー

安立淳子(Atsuko Adachi)
Glolea! サンノゼ学齢期・年の差子育てアンバサダー
サンノゼ

アメリカジョージア州で高校時代を過ごし、言葉が通じない苦しさ、通じあう喜び、文化や感覚的な違いを肌で感じてきました。教育や文化、友人関係まで、私がかつてこんな風に教えてほしかったこと、今はこんな風に教えているんだという気づきも含め、米国サンノゼでの二人の子育てを通じて実直にリポートしていきたいと思います。

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