日本と英国の学校はこんなに違う!ケンブリッジ教育移住で感じた授業・先生・学校文化

せいみ(seimi)
Glolea! グローバル子育てアンバサダー

この記事の要点(3秒でわかる概要)

  • 英国ケンブリッジへの教育移住後に感じた、日本と英国の学校文化・授業・先生との関係性の違い
  • Ofstedを活用した学校選び、体験型の授業、子どもを褒めて伸ばす声かけについての実体験
  • 課外活動や学校行事を通して見えた、子どもの意思や個性を尊重する英国教育の魅力

日本と英国の学校、こんなに違う!

2025年12月、我が家は子どもたちの教育環境を見直したいという思いから、英国のケンブリッジへ移住しました。

英国ケンブリッジの歴史ある大学(カレッジ)の街並みと教育環境の風景

当初はロンドンも検討していましたが、

教育を重視するならケンブリッジがおすすめ

と知人からアドバイスを受け、最終的にこの街を選びました。

 

夫は日本での仕事を辞め、私は日本企業での仕事をリモートで続けながら、16歳、12歳、7歳の3人の子どもを育てています。

 

日本では中学受験を経験し、長女は国際系の私立中高一貫校に通っていました。

 

これまで日本の教育制度の中で子どもたちを育ててきた私にとって、英国での学校生活は日本との違いを感じる場面が数多くありました。

 

今回は、移住して実際に感じた「日本と英国の学校の違い」をご紹介したいと思います。

執筆者|せいみ(seimi)

英国ケンブリッジ在住。16歳長女、12歳長男、7歳次女の3児の母。ベンチャーキャピタルやコンサルティング会社等で企業成長支援に従事したのち、家族での対話を重ね、日本での中学受験・進路選択を経て英国へ教育移住。発達特性のある子どもたちやASD特性のあるパートナーとの暮らしを通じた家族コミュニケーションの実践とともに、現地でのリアルな教育・学校制度・子育ての体験を発信中。


Ofstedのおかげで学校選びがしやすい

まず大きな違いとして感じたのが、学校選びの方法です。

 

英国にはOfsted(教育基準局=英国の教育・児童サービスなどを監査する公的機関)による学校評価・レポート公開制度があります。

英国教育基準局Ofsted(オフステッド)の公式Webサイトと学校監査レポート検索画面

▲英国の学校選びで重要な指標となる英国教育基準局「Ofsted(オフステッド)」の学校監査レポート検索画面。

  • 教育内容
  • 学校運営
  • 生徒へのサポート体制

などが第三者によって評価され、その結果が公開されています。

 

学校ごとの特徴や強み、改善点まで確認できるため、親としては客観的な情報をもとに学校を比較検討できます。

 

日本では口コミや説明会、進学実績などを参考にすることが多かったので、公的な評価制度を活用しながら学校を選べる点は英国ならではだと感じました。

 

実際に我が家も学校探しの際には、まずOfstedのレポートを確認しました。

 

過去のOfsted評価で最高評価の「Outstanding」とされている学校は人気が高く、途中編入が難しいことも少なくありません。

 

そのため我が家は「Good」評価の学校の中から、学力面や学校の雰囲気、サポート体制などを比較して選びました。

 

また、過去に「Requires Improvement」と評価された学校でも、その後「Good」を継続して取得している学校は、改善に積極的に取り組み成長しているケースもあります。

 

もちろん最終的には実際に見学して学校の雰囲気を確認することが大切ですが、Ofstedは学校選びの非常に参考になる指標だと感じています。

学校制度や進路の仕組みも、日本とは違う

英国のセカンダリースクール(中等学校)で生徒と先生が一緒に楽しむクリスマスランチの様子

▲息子が通うセカンダリースクールのクリスマスランチの様子。先生や生徒たちが一緒に食卓を囲み、学校全体で季節のイベントを楽しみます。

 英国の学校制度は、日本とは少し異なります。

 

プライマリースクールは日本でいう小学校に近く、セカンダリースクールは中学校から高校1年生頃までにあたります。

 

ただし、英国では11〜12歳頃(日本では小学5年生頃)にセカンダリースクールへ進むため、日本よりも早い段階で学校環境が変わります。

 

また、16歳頃にはGCSEという中等教育の区切りとなる試験があり、その後、大学進学を目指す生徒の多くはシックスフォーム(Sixth Form)と呼ばれる16〜18歳頃の進学準備課程に進みます。

 

制度の細かい違いは多いのですが、親としてまず驚いたのは、早い段階から子ども自身の選択や将来の進路を意識する場面が多いことでした。

 

※英国のYear制、GCSE、A Level、Sixth Formなどの学校制度や受験制度については、別記事で詳しくご紹介しています ≫

学年ごとに学ぶ内容が大きく異なる

授業の進め方にも違いがあります。

日本は段階的に積み上げる学び方

日本では、一つの単元を順番に学びながら理解を深めていくスタイルが一般的です。

 

例えば、掛け算を習得してから割り算へ進むというように、段階的に学習を進めていきます。

英国は繰り返しながら発展させるカリキュラム

英国の学校の音楽の授業で行われる本格的なステージ演奏・バンドライブの様子

▲音楽の授業では、実際のステージでバンドを組み、観客の前で演奏する機会も。本格的な照明や音響設備の中で、演奏するだけでなく、人前で表現することまで実践的に学びます。

一方英国では、同じ学年の中でさまざまなテーマに触れながら、学年が上がるごとに理解の深さや難易度を高めていくカリキュラムになっています。

 

例えば、7歳の娘は現在プライマリーのYear 3に在籍していますが、すでに簡単な掛け算や割り算を学んでいます。

 

内容自体は基礎的ですが、翌年以降に同じテーマをより発展的な内容で繰り返し学んでいく仕組みです。

 

知識を積み上げるというより、「繰り返し学びながら発展させる」カリキュラムに近いと感じました。

知識を覚えるだけでなく、活用する力を育てる

また授業でも、自分の考えを説明したり議論したりする機会が多く、知識そのものよりも、知識を活用する力が重視されているように感じます。

 

実際に息子の学校のサイエンスの授業では、実験を通して学ぶ機会が多くあります。

 

例えば、鉄筋の入ったコンクリートと入っていないコンクリートでは強度にどのような違いがあるのかを調べるために、自分たちでコンクリートを作り、どちらが割れやすいかを実験したそうです。

 

単に教科書の知識を覚えるのではなく、「実際にやってみる」「試してみる」ことを通じて学ぶ機会が多く、日本との違いを感じています。

子どもを叱るより、まず褒める

英国セカンダリースクール(中等学校)のYear 11修了時にドレスやスーツを着て祝うプロム(Prom)の様子

▲Year 11の終わりには、学年の締めくくりとしてProm(プロム)が開催されます。生徒たちはドレスやスーツでおしゃれをして集まり、仲間と音楽やダンスを楽しみながら、セカンダリースクールでの学校生活を祝います。

学校生活の中で感じる大きな違いの一つが、先生方の声かけです。

 

子どもたちが良い発言をしたり努力したりすると、その場で認めて褒めてもらえる機会が多くあります。

 

息子の通うセカンダリースクールでは「マウンテンポイント」という仕組みがあり、良い行動や頑張りがポイントとして加算されます。

 

そのポイントは所属するハウスに反映され、ハウス同士で競い合います。

 

ハウス制度は『ハリー・ポッター』の世界を思い浮かべるとイメージしやすいかもしれません。

 

子どもたちは自分の努力や行動を認められる機会が多く、学校生活のモチベーションにもつながっているようです。

 

一方で意外だったのは、プライマリーでは比較的自由で遊びの要素が多いのに対し、セカンダリーでは規律が重視されることです。

 

宿題を提出しなければ居残りになることもありますし、出席率も厳しく管理されています。

 

先生方は子どもたちが将来に向けて自立できるよう、自律を促す指導をしている印象を受けました。

 

もちろんルール違反には指導がありますが、感情的に叱るというよりも、

なぜその行動が問題だったのか

を本人に考えさせる姿勢が基本になっているように感じます。

個人の意思が尊重される学校生活

英国ケンブリッジ大学出版局の公式書店(Cambridge University Press Bookshop)の看板と外観

▲学術と教育の街・英国ケンブリッジにある歴史的な大学公式書店(Cambridge University Press Bookshop)

英国の学校では、子ども自身の選択が尊重される場面が多くあります。

 

課外活動も選択肢が複数あり、自分が興味のあるものを選んで参加できます。

 

息子の学校では遠足の行き先も複数用意されており、海辺、植物園、遊園地などの中から自分で選択することができます。

 

また部活動についても、日本のように毎日長時間活動するスタイルではありません。

 

放課後に50分程度のクラブ活動が行われ、複数のクラブに参加することもできますし、参加しないことも自由です。

 

学校行事の雰囲気にも違いがあります。

 

我が家が参加したスポーツイベント(日本でいう運動会)では、ボール投げややり投げなどの競技を楽しみながら行い、保護者も一緒に参加していました。

英国のプライマリースクール(小学校)で子どもたちがのびのびと楽しむ運動会(Sports Day)の様子

▲娘が通うプライマリースクールのSports Day(運動会)。日本の運動会とは雰囲気が異なり、さまざまな種目を子どもたちが楽しみながら体験する、のびのびとしたイベントです。

日本の運動会のように全員で同じ演目を行ったり、順位や勝敗を強く意識したりするというより、「みんなで楽しむこと」や「参加すること」に重きが置かれているように感じました。

 

こうした学校生活全体を通して、子ども一人ひとりの興味や個性、意思を尊重する文化が根付いていることを実感しています。

 

また、多様な背景や特性を持つ子どもたちが自然に受け入れられている様子を見て、英国教育のインクルーシブな考え方も強く感じています。

 

例えば、大きな音が苦手な子どもには静かな別室を用意するなど、一人ひとりの特性に合わせた配慮が自然に行われています。

 

また、イスラム教の祝祭日や文化に触れる機会を設け、生徒全員で伝統的な食事や文化を体験するイベントも定期的に開催されています。

 

さまざまな文化や価値観を知り、お互いを理解し尊重することが、日常の学校生活の中に自然と組み込まれていると感じました。

おわりに

英国ケンブリッジのプライマリースクールで行われたスポーツイベントの様子

▲プライマリースクールのスポーツイベント。輪に砂袋を入れるゲーム中。

移住してまだ半年ほどですが、子どもたちが自分らしく学校生活を楽しんでいる姿を見ると、教育の形は一つではないのだと実感しています。

 

日本にも英国にもそれぞれの良さがありますが、実際に通わせてみて初めて気づいた違いもたくさんありました。

 

今後も英国での学校生活や受験制度などについて、実体験をもとにお伝えしていきたいと思います。

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記事をお読み頂きありがとうございました!

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ケンブリッジ

3児の母。大学卒業と同時に第一子を出産し、子育てとキャリアの両立に邁進してきた。 企業成長支援、インパクト投資、ESG分野での経験を持つ。発達特性のある子どもたちやASD特性のあるパートナーとの暮らし、英国への教育移住を通して、多様な家族のあり方やグローバル子育てについて考え、現在は家族のコミュニケーションを支援するAI開発に取り組んでいる。

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